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Posts Tagged ‘五行説’


『来年は干支は羊なり』


   


     12月 31st, 2014  Posted 12:00 AM

ここ数年、私は太陰暦そして陰陽五行説をかなり真剣に読んでいて、
たとえば腕時計もムーンファエイズに限るとかに決めてきました。
そして、まだまともな時計が生まれていないことも知りました。
五行説が西洋も東洋もそれぞれの組み合わせでコンセプトの
下敷きにすることができます。
正直、干支についても毎年、年明けのシンボル程度の認識ですが、
そろそろ、来年は未年とかといえば、12年後を考えてしまいます。
そして、日本人には干支への認識はすでに遺伝子記憶だと思います。
その大きな理由を私なりには三つほどあるのではと想像しています。
まず、干支の動物は日本人のマスコットシンボルです。
それこそ「ゆるキャラ」の発想には、
この命名者である人物の仏像好きが背景にあり、
干支以外のゆるキャラが人気を集めています。
そして、猫は干支に含まれていないだけに「キティちゃん」が
もはや世界的なキャラクターモデルになっています。
理由は簡単でしょう。干支には厳密な精神面的なシンボル信仰があり
この信仰から解放されているから、
現代的なシンボル解放が成功しているのでしょう。
それこそ、血液型や干支での性格分析は全く科学性がありません。
それは、占い的な荒唐無稽さがあたかも乗っかっているだけです。
だからといって、私は総否定することはまったくありません。
ともかく、来年は「ひつじ」をキャラクターにすることを
楽しみたいと思っています。
羊のディフォルメされた形態や漫画性、あるいは形態模写性や
スタッフとこのシンボルなら、
羊が一匹、羊が二匹・・・・Z・Z・Z・Zって、
キャラクター性のおとぎ話的な要素の表現に決めました。
私の性格には、とても似合わしくない年=未年がやってきます。


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『資本主義からの逃走』
「三大観念である物質系デザインはエコロジーの具現化か?」


   


     5月 22nd, 2010  Posted 12:45 AM

世界観としての物質・情報・エネルギー
私は「物質・情報・エネルギー」が世界観だと考えています。
そしてこれらをまさしく、歴史的な世界観と照合させます。
五大思想や五行説、あるいはインド的三大(火・水・土)です。
「物質・情報・エネルギー」この三大世界観を日常化するには、
この三大世界観、私なりには、世界の構造軸、
その要素と要因を意図しています。
物質
物質というのは、物ですから自然物から人工物全般です。
私はこの中でも人工物=モノと表現しています。
デザイナーとしては、このモノ=人工物を中核にしています。
本来なら、自然の中での人工物ですが、
私は、デザインするモノ・デザインされたモノが、
自然との関係と人間との関係、すなわち世界観の構造というわけです。
自然物が当然、世界観の基本ですが、
私は、人工物=モノから自然を見ていると思っています。
エコロジー
このまなざしゆえに、たとえば「エコロジー」という、
ある世界観へのまなざしには慎重でありたいと考えています。
とりわけ「エコ」ブームには懐疑的になっています。
「エコプロダクト」という呼ぶ方に集合されているモノのデザインに、
「デザインの本質性」があるのでしょうか? 正直、無いと思ってます。
いづれ明快な回答と解答を書くつもりですが、
現在、「エコプロダクト」という商品で、
デザイナーとして納得できたモノは有りませんでした。
なぜなら、人工物=モノと自然物=もの・物,
この二つは対決せざるをえない構造を持ち合っていると判断するからです。
もし、世界観における「物質」系=自然もの+人工モノは、
調和・ハーモニーと均衡・バランスの相互性が必要です。
したがって、モノとものという「物質」系は、
ハーモニーとバランスという相互作用性がデザイン対象意図だと判断しています。
ただし、調和とバランスには、反発構造や対決と融合・融解までの幅もあるわけです。
あらためて「エコロジー」という言葉の由来、
そして生態系バランスのあり方を見直す必要があります。
デザインが世界を変える
「物質系」世界観の最適解としてのデザインこそ、
「デザインが世界を変える」ことになります。
「世界を変えるデザイン」というのは、
本質的な論理性が実は壊れているのです。
このことに気づかないデザイナーには、
デザインの本質がまるで見えていません。
もっと基本的な「世界観」・観念論的哲学の基本が必要でしょう。


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