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『強固なるゲマインシャフトからデザインは生まれる』


   


     4月 22nd, 2015  Posted 12:00 AM

「柳宗理生誕100年記念講演」を私が担うことなりました。
金沢美術工芸大学は今なお先輩後輩の結束は堅くて、
先輩からの指示には最大限の寄与をすることになっています。
同級生が支えてくれていますから、私の役目は懸命に果たします。
講演内容は、柳先生の作品解説と、私なりの、先生との思い出があります。
正直、若い頃は入学直後に、私は覚えられるほど反発していました。
それなのに、東芝に入社すると、新人研修でまたもや先生の講義を受け、
これまた、もう何度も聞いているからと断りに行って、
「お前などもう来なくて良い」と言われました。
ところが、車イスになって母校に非常勤でもどると、
「なんでお前はそんな体になった」と心配を受け、
福井で先生の講演会準備に駆け回りました。
先生が高齢になられてからは、同級生が先生を見護り、
先生の作品収蔵や記念館設立、そして生誕記念講演、
その役目を私に与えてくれました。
先生への反発も、先生から教わってきたことは、今も私の根幹です。
私の世代の美大は赤レンガ校舎で元兵器庫跡ゆえ、
結局は薄汚れた倉庫で、室内には雪が舞い込むほどの寒さでした。
ある時、同級生が教室で煙草を消し去り投げ捨てました。
柳先生は突然、大声で顔を真っ赤にして怒鳴られました。
「煙草を平気で投げ捨てるお前はクビだ!」、
「煙草を捨てる者にデザイナーになる資格が与えられるか!」、と。
私はこの瞬間に、デザイナーと社会の関係を学んだと、
今なお思い続けてきました。
卒業間際になってまだ私にはデザインの真意が分かりませんでした。
あのモホリ・ナギの「デザインは社会に対する態度である」。
このことを目前で教え込まれました。
アノニマスデザイン、
強固なるゲマインシャフト、
伝統は創造である、
発明あるデザインなど、
先生の作品を再度厳密に私は見直し、
これからのデザインを、柳デザインから引き継いで語る、
その覚悟づくりをしています。
先輩たちが私の語らせる役目を果たすべく、
これならデザイン評論になると思っています。

柳宗理生誕100年記念講演
* 東名高速道路・東京料金所ー防音壁


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