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Posts Tagged ‘供給’


『「餓死」する現実にPKD』


   


     12月 11th, 2018  Posted 12:00 AM

日本人は平均すれば、
一日に2500キロカロリー供給されているのですが
摂取カロリーは1900キロカロリーで、
600キロカロリーは廃棄されています。
人間にとって、1800キロカロリーあれば十分だと言われています。
それでもおよそ2000キロカロリーと摂取量は多くないのに、
糖尿病が多いのは日本人独特です。
食生活はご飯を食べる量が減って、
おかずである畜産物、油脂類を食べる量が増加し
栄養のバランスが崩れています。
糖尿病は日本人の贅沢病とも言われますが、
この病気は日本人の廃棄食料も一因を担っているのです。
日本人には戦争と言っても、おおよそ他人事なのかも知れません。
世界の中では、イエメンのように5歳未満の子どもたち、
8万5000人の命が失われています。それも「餓死」している現実があります。
私は2004年にPKD= Peace-Keeping Design を提唱しました。
ワクチンのうち2種類を選び、
そのための経肺摂取のワクチンシリンジから、
遺伝子検査を5時間で終えられるという検査システムも考えだしました。
これをデザイン界でも最大のコンペに研究室で提出し、
日本代表に選出されました。
しかし、英国での最終審査では「わからない」という結果で
デザイン界のどうしようもない知識不足を痛感しました。
このときから、私は「せめて生理学ぐらいを学習と習得すべき」という
意見を強調してきました。
PKD こそ、医工連携ではない、
プラス・デザインをさらに強調してきました。
世界では、毎日、ジェット機(500乗り)が
10台墜落したのと同数の子ども達が「餓死」しています。
この問題への「大きな意思」が必要だと思っています。


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『デザインには応答・回答・解答の商品創りがある』


   


     8月 13th, 2018  Posted 12:00 AM

私の子供の頃は「ズック」と言っていました。
が、最近では「スニーカー」と呼びます。
多分、2001年頃に日本がこのメーカーに、
随分と細々したオーダーを決めて、自分用を決める仕組みをつくりました。
というのは、これをEコマースの新しいやり方として、
Gマークのグランプリ候補にしました。
その時のディレクターは、とっても若かったのでよく覚えています。
ところが、このメーカーのデザイナー達が韓国にいて、
阪大の頃には、ここからインターン生を招きました。それが16名もいて、
幸いにも私のスタッフに韓国人がいてくれたので、
デザインの発想法を韓国語で講義をした経験がありました。
そして、そのメーカーからほしいスニーカーを言ってほしいと言われました。
私はそれほど詳しくなく、ワイフがこれがほしいというモノがありました。
それをプレゼントしてもらいました。
それから3ヶ月間一人のインターン生を受け入れていました。
まず、日本で発案されたEコマースの手続きは、
米国ではどこまでもオーダーを受け付け、それをやった以後も、
太平洋から渡ってくる間も詳しくメールがきました。
これはインターン生を入れて、私が望む詳細なオーダーで創りました。
これはもう20年前に、
インターネット・オブ・シングス=IoTが出来上がっていました。
このメーカーはスニーカーでトップメーカーですが、
国際的なデザイナー達を世界各国でやりあげ、
そしてEコマースも、すでに大きなテーマになっていたことです。
そしてデザインの大きな課題は、製品開発での供給と需要は、
「答」であり、それには応答・回答・解答,
この三つの商品開発が必要ということです。


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「3Dプリンターは自己増殖する起点を修正する」


   


     4月 30th, 2013  Posted 12:00 AM

光造形システムが落ち着き始めた頃に、
手の上の温度で融解する程度だったサンプルが、
3Dプリンターとなって、
その将来性が云々されるようになりました。
「RepRap Project」が米国で一躍注目されて、
簡単に単純な構成の装置でプリントアウト出来るようになりました。
しかし、あくまでも素材は0.6mmの素材が
まさにソリッドワイヤーのままですから、
トポロジー形態を作成するには、
ここでもサポートとノズルへのプログラム化が必要です。
国内でも早速3Dプリンターを取り入れたカフェや団体が登場しています。
私は、あくまでもサポートと素材に拘っています。
日本流のアレンジメントを創出し、
新素材やその供給方法を一般化しなければなりません。
3Dプリンターは「パンドラの箱」とまで大仰な表現が登場し、
この装置での商売が始まってきましたが、
欠落していることがあり過ぎるようです。
まず、これを本当に使いこなす「技」は、
本当に限定された人物だけしか使えないことや、
肝心のネットワークでのバーチャルシステムも出来てはいません。
米国流は必ず破綻する時間が早いはずです。
光造形システムのアイディアも、
元来は日本人だったのです。
大統領が3Dプリンターの実際も分からずに
声明するのは選挙のためにすぎません。
やはり、これが「自己増殖するシステム」であり、
そのための「新素材」であり、
供給さえも自己増殖させるサーバーも、
すべからくこの日本で完成させる必要があるでしょう。
とりあえず、米国でのアイディアを日本で根本の改革を成し遂げ、
3Dプリンターで革新させる「技術」そのものを、
「Made in Japan」の確実性と信頼性を築くべきでしょう。
私はそのことを可能にする少数の人たちを結びつけます。
その進展に期待をしてください。


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