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『夢が消えているデザインと技術だけではありません』


   


     5月 17th, 2019  Posted 12:00 AM

今や日本では「空飛ぶ自動車」に夢が無いのです。
いつまでも、ハイブリッドでも無ければ、水素でもありません。
「空を飛ぶカーデザイン」への進化が見えていません。
これはMITでの開発ですが、3000万という価格も明確になっています。
全く、滑走路が無い垂直であり、もはや次世代のカーデザインです。
それこそ、電気自動車ではなく、「空を飛ぶ」という夢が、
オリンピックに間に合うかという話です。
電気自動車を超えてしまう、それこそイノベーションであり、
法の整備なども日本だからこそもうすべきことです。
二つの理由があります。
ドローンタイプとオスプレイタイプでの開発が遅れていることです。
2014年にはトヨタは「空飛ぶ自動車」の特許済みですし、
政府としてもようやく動き出して経産省が
「空の移動革命に向けた官民協議会」を開き
ロードマップだけをを掲げています。
また自動車業界の若手有志プロジェクト
「Cartivator(カーティベーター)」が
「モビリティを通じて次代に夢を繋ぐ」ことを使命にしています。
そうでは無いのです。経産省でもありません。
ともかく、2023年の販売を目指し、2018年12月に無人での
野外試験飛行を成功させています。
「空飛ぶ自動車」のある未来は日本から、
「Design a Dream」夢の実現を待っています。

空飛ぶ自動車


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『3台目のICD、その手術経過』


   


     11月 2nd, 2018  Posted 12:00 AM

2018/10/10に私は心臓の手術をしました。
正常なリズムを失った心臓に電気ショックを与え制御する医療機器、
ICD=植込み型除細動器の入れ替え手術です。
もちろん投薬治療で不整脈を抑えてはいますが、このICDの管理のもと
交通事故由来の私の心臓病とともに生きていけるのです。
丁度、前回の手術から8年目ゆえに取り替え=電池の取り替え時期でした。
当初は来年初め頃と思っていましたが、9月中旬に、
不整脈からICDで大きなショックを受けました。
このショックは失神してもいいくらいの衝撃でしたが、私は2回耐えました。
翌朝に阪大でICD内のデータを確かめましたが、ICDは初期化していました。
機器の動作確認が困難となり、すぐに手術を決めました。
初期化しているエビデンスも見当たらずで、手術をしてICDを取り出し、
これを米国に送るしかないとなったのです。
2006年、阪大に赴任したときには、心臓の発作から名古屋市立大病院に
入院中で病院からヘリコプターで、それも大好きなユーロコプターで
阪大病院へと移送ということになり、とても興奮していました。
ヘリコプターで、起き上がりたいと2人のドクターに言ったら、
「何を考えているんだ」と私はえらく叱られました。
しかしちょうど病院からの離陸を
名古屋大(今は東大)教授の友人がカメラに収めてくれました。
それから1台目が5年間、2台目は8年目、体内に埋め込んでいました。
もちろんこの間、機器自体様々な進化をしています。
2年前にはデザイナー・ユーザーとして京都大と京都府立医大のドクター達、
この米国の製造メーカー日本法人に呼ばれて講演をしました。
それからも私自身、プロダクトとしてのICDに不満があり、価格も
1台目当時400万円、2台目が440万円でありコードが16万円でしたから、
阪大の循環器系は私を米国に売り込みましたが、
日本では制度として、生産と制御が出来ないのです。
残念ながら日本では手を出すことができない対象が他にも随分あります。
私には電気回路も分かるし、循環器系で博士号もあります。
航空機のように制度を超えて、デザインを日本人がやってほしいのです
アメリカの友人がICDのデザインを手掛けていたこともあり、
日本人ならさらなる改良や革新ができると話ています。
今回の機器寿命想定は9.8年ですから、
8?9年間は心臓は大丈夫かも知れません。


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『充電器とUSBの進化は日本がやるべきだ』


   


     8月 22nd, 2017  Posted 12:00 AM

ようやく充電器がここまで進化してきたのだと私は思っています。
しかし、その容量も最大では25800mAh。
このアンペア容量とカバーリングデザインによって価格が違うようです。
私自身は、11200mAhと20800mAhを使い分けていますが、
携帯用には薄型=ほぼiPhone7plusの大きさが適していると判断しています。
まだ充電器が必要なモバイル系のスマホやPad、パソコンそのものが問題。
ただ充電器技術の進化は今後ますます進化すると考えますが、
大きな問題が残っているようです。
それはUSBのあり方であり、USB対応プラグ数が何種類かあることと、
このコードはかなり丈夫にはなってきていますが、
最大の問題は、このコネクター自体にデザインが無いことです。
もっとも充電器は電池にすぎませんが、それこそボルタ電池からの進化、
それは無いと言っても過言ではありません。
結局、電池自体の問題はそれこそ鉛電池はもはや時代性を失っています。
ではリチウム電池でOKなのかということになれば、
結局はイオン化傾向である金属とある金属間には4Vの差程度しか、
人類は見つけていないことです。
私は自然界、すなわち太陽は我々人類には「お天道様」が認めている容量、
それだけが人類に与えられた電力エネルギーだと考えています。
最近、次世代デザイナーには、
「照明器具デザイン」は全て無線化するべきとアドバイスしています。
少なからずUSB充電器とLEDで人類は「明るさ」を手に入れること可能です。
そうしたことからも、充電器=充電池のあり方とUSBプラグへのデザイン、
これのやり直しが当然だと考えています。
まず、充電池そのものを人体に埋め込むことが可能かどうか?
そしてUSBプラグの大きさはもっと小さくできるかどうか?
最後に、真っ暗闇でUSBと充電地が使えるかどうか?
こうしたことに応えるデザイン=問題解決と価値感の創出です。
充電器は必ず日本製になってほしいと思っています。
そのためにはリチウム電池からも離れるべきかも知れません。

* 「現在使用のバッテリーパック・・・携帯電力を再考」
* 『モバイルバッテリーはやり直しが必要だ』
* 『電力の自由化と電気の自由化があります』
* 『私の大疑問は電力というエネルギーへの不配慮』
* 『USBケーブルとそのプラグ:ソケットから進化を』


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『海外製は情報化させる文具は5倍の価格で攻めてきた』


   


     7月 2nd, 2017  Posted 12:00 AM

2017年の日本文具大賞の機能部門・デザイン部門ともに、
私は審査委員長として、
この大賞審査での商品がますます多大になったこと、
これは日本でこの受賞を狙うことが世界的にも重要という発信は成功でした。
この文具業界は、本当に市価が200円から精々5000円程度の商品で、
よくこの日本を支えてきていると感心してきたのです。
しかしながら、文具業界も今ではとても危険な商域に入ってきているのです。
これはいわゆる世界的な大手ブランドのボールペンです。
彼らのボールペンが国際的にゆるぎない性能と機能を持ち、
今では、ボールペンという筆記具の手本になっています。
インクはすぐに個体化したり、ボタ落ちする性能を見事に国際化したのです。
このボールペン(右)はほぼ100円程度です。
ところが、ボールペンが機構化し、しかも Padでのスタイラスまでを
完成させてきたのはほぼ500円です。
情報化機器対応も考えたモノが5倍。
中央はccdカメラで筆記をそのまま、
ノートとPadで共有させるという、一般的な呼称はスマートペンです。
しかも、このペンが登場すると私自身手にいれて使用しています。
ところが、最初にこの商品を提示してきたのが、
超有名な筆記具類から時計、装身具までのブランドメーカーでした。
私は、このデジタルペンの登場に愕然としました。
なぜなら、こういうのは絶対に日本製であるべきと思っていたからです。
ところが?年後、実は日本製であって、
日本での発売を一年遅らせたのです。
ノートも日本製はとてもよく出来ていますが、
なんと、ペンもノートもこの有名ブランドM社は、5倍するのです。
スマートペン(中央)がおそよ12000円ですが、
海外製はほぼ55000円なのです。
もちろんどうみてもファッション性と所有感と使用感を満足させているのです。
私は文具業界がアナログからデジタルへの過程に、
このボールペンの存在価値が5倍になっていることを危険信号ととらえ、
日本製文具にも大きな危機がせまっていると判断しています。

* 『電子ペン?電子版?、モバイルとの関係性は?』
* 『たかがボールペンだからファッション性がある』
* 『ボールペンとスタイラス・私の親しんだ描画ペン』
* 『デジタル筆記具の認められるそれなりの進化』
* 「やはり地道に進化していたSmartPenの手書きと手描き」


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「今年革新だった万年筆を再度確認」


   


     7月 14th, 2012  Posted 12:00 AM

パーカーの5thが発売になったときすぐに紹介しました。
なにしろ、筆記具はプロにとって、
重大で大切な道具であり、私の「意志のメディア」だからです。
「意志メディア」とは、思考結果だけではなくて、
筆記具グリップ感が、
意志を決定してくれる媒介であってほしいということです。
そして、今年度の文具大賞では、
プラチナの「インクが筆軸内で乾燥しない」万年筆が登場しました。
文具大賞の表彰式後にプラチナ万年筆の社長さんと立ち話をしました。
もっと高額で高級品も絶対に商品化してほしいこと。
日本の筆記具は世界的にも最高の技術的成果がありますが、
どうしても、海外の有名ブランドの十分の一価格です。
それには幾つかの「負け要因」がありますから、
その「負け要因」の話をしました。
呉竹の万年筆ペンも社長さんと話ができました。
今年はなかなかいいモノが出来ました。
これにも「負け要因」があります。
そして、私にとっては「スケッチが描ける万年筆」です。
パーカー5thは、どうしてもスケッチペンには不向きです。
まだプラチナには可能性があります。
結局はペン先・インク・リフィールそしてペン先の乾燥度合いが問題です。
かくなる上は、やっぱり自分のデザインで
世に問うことしか無いとも考えています。
パーカーは、万年筆風のペン先にこだわって、
リフィールを革新したことがポイントでした。
すでに、リフィールも、細字・中字・太字までそろってきましたが、
ペン先乾燥においては、まったく、プラチナには及びません。
プラチナもペン軸のデザインというより、
デコレーション=素材仕上げに高級感が望まれます。
この写真のような透明軸は「デモンストレーター」と呼ばれています。
大抵の万年筆ブランドには、
この「デモンストレーター」タイプアイテムがありますが、
プラチナはその筆頭でしょう。
しかし、この「デモンストレーター」タイプなら、
絶対にカートリッジやコンバータではないアイディアが欲しいのです。


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「ISOTでの勘違いを発見」


   


     7月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

今年の文具展は一つのエポック的事件でした。
二つの事件がエポック性を語っていました。
1 アナログとデジタルとの融合が開始されました。
2 二極化スタートの芽生えかも。
まず、デジタル文具が様々な形式で登場してきました。
文房具としてのデジタル化とは、
そのようなシステムは長続きするわけがないという商品の存在です。
それをビジネスニュース番組でも、
「未来の文具」として取り上げているのです。
それはTV報道全般が最近では、
裏付けの知識が欠落していることと連動しています。
「未来の文具」をまったく会場で見つけていないことです。
その商品では無くて、
これが「未来の文具」という見立てが出来ないのです。
アナログ的文具性をデジタル文具との関係で見極めていたのは、
やはり、グランプリになった二つの商品です。
「書く」という文具基本を重要視した二つのノート形式です。
一つはラグジュアリー価格で「書き心地」を世界最高にしたノート。
これは機能性だけでなくて、日本の文具を二極化、
やっと日本の文具の付加価値性を高めていくスタートになりました。
もう一つは、「書く」ことの意味性=アナログ感覚を
デジタル文具に対決化させたノートです。
比して、デジタル化を中国で、
本当はアナログ作業なのにデジタルに見せかけているノートですが、
これは相当なる勘違いであり、海外労働力だけを頼った商品、
文具文化、たとえば情報の垂れ流しは国防的にも大変に危惧されます。
私も使ってみましたが、この高額商品は今後進展しないでしょう。
もっと、
デジタル化をすっきりとさせているメモノートの方を私は選びます。
もう一つは、OEM発注していて、
自社ブランド商品にしているにも関わらず、
その製品の素晴らしさを理解していないブランドが散見できました。
これも勘違いです。
結局、ユーザーの厳しい商品選別眼に、
文具メーカーや文具ブランドは気づいていないということです。
日本の文具がもっともっと貿易輸出品になっていくには、
このエポック性を
再吟味することを文具業界に伝えておきたいと思っています。


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「2012『日本文具大賞グランプリ』は書くことの再確認」


   


     7月 5th, 2012  Posted 12:25 AM

第23回国際文具・紙製品展=ISOTは盛大でした。
今年度の文具大賞は、ひとつのエポックだったと思います。
私は審査委員長として、次のことを総評として表彰式で述べました。
アナログとデジタルの融合がスマートホンで開始しました。
文具メーカー(作り手)より、ユーザー(使い手)は、
明確に、自分の日常での文房具のアナログ生活と、
スマホやPC、デジタル生活を身体的に、
能力認識として使い分け始めたことです。
それはグランプリが機能部門もデザイン部門も「ノート」。
つまり、結局は「書く」という行為に、
文房=記述・記録・筆記を決定していることでした。
私は、紙と文具において日本はトップだと確信しています。
それだけに、Made in Japanを体現している業界です。
ただ、欧州のブランドメーカーに比べれば、
低価格商品が多すぎると私は常に思ってきました。
しかし、機能部門グランプリ=Premium C.D. NOTEBOOKは高価格で、
シルクのような紙質面と書き味は世界でトップでしょう。
日本だから、日本の紙質だから、という技術言語になっています。
さらに、デザイン部門のデイリー・プランナー“エディット”は、
日常的なメモがスマホゆえに、
あらためて、一日1頁への記述を大切にという製品企画が見事に、
現代的なアナログ性とデジタル性との使い分け、
「書く」という行為ゆえに、
一日をどう生きたかということまでを商品言語にしています。
ともかく、取材マスコミも格段に増加し、
国際展の風格が育ってきました。
まさに「文具は日本がトップ」ということを
会場いっぱいに活気がみなぎっていました。


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「日本の貿易アイテム液晶TVは再戦略化不可欠」


   


     11月 4th, 2011  Posted 2:33 AM

私はナナオのモニター技術で、
FORIS.TVという商品ブランドを立ち上げました。
そして、ナナオという小さな企業力エリアで、
その商品ブランドは成功させることができました。
FORIS.TVは、ファッションブランドショップでは、
デザインと品質で未だに選ばれています。

しかし、「地デジ化」が始まる直前に、
液晶TV事業を撤退させました。
理由は、国内販売・流通での利益率が極度に低下し、
とても大メーカーのような流通・サービス体制が
困難との判断がありました。正解でした。
デザイナーとしては個人的にもとても無念でしたが、
海外への輸出も、モニターのようなシェア獲得は、
とても不可能だろうと判断したことです。
けれども「性能・機能とデザイン」は、
決定的に国内では今もダントツの技術効果がありました。

最近では、国内の液晶TV事業撤退が始まっています。
まず、液晶TVでは私の評価でも最高水準であったビエラ、
この事業規模縮小というのには驚きました。
今、世界で最も技術成果で「映像の完璧さ」は、
東芝のレグザの最高機種=90万円しかありません。
可能な限りの技術を投下し、
市場の「投げ売り」価格とは切り離して、
まったく無関係にしているXシリーズだけでしょう。
これはナナオのモニターでも最高級70万円を生産した手法です。
それでも大量販売は無理でも必ず「売れる」のです。
かえって、「安売り」している機種は、
いわば共食い状況で潰れていってしまうわけです。
これは「ピッグ・サイクル」(養豚の安売り手法)です。
少なからず高価格にならざるをえない商品化が必要です。
私は自宅のシステムはレグザでネットワーク化と、
7.1chの超Hi-Fi環境をつくっています。
もう一つが、FORIS.TVとFORIS.HDです。
このリゾルーション技術を追い抜いている機種は皆無です。
ともかく「音響と映像」は私の極度な病的趣味性で、
現在の最高技術を生活環境に取り込んでいます。
映画館の映像などはもう観がたいほど解像度がありません。
私は、国内液晶TVの技術・デザイン・流通・貿易手法を
もう一度再構築すべきだと提言しておきます。
要は、「最高の音響と映像」を「つくり手」が熟知すべきです。
日本製であることは、高級な液晶TV生産です。
そして世界一のモノを国際化させるデザイン戦略が不可欠です。
やがて韓国も中国生産液晶TVに敗北することになるでしょう。
となれば「日本製液晶TVの新技術と革新デザイン」です。
そしてそのことを決定できる経営哲学が必要です。
日本の液晶TVは「高級化・高価格化」で、
何が「音響と映像」で最も素晴らしいかを問い直してみるべきでです。


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