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「HMD・『単眼タイプスカウター』を米国でプレゼンは失敗だ」


   


     8月 12th, 2013  Posted 12:00 AM

ベンチャー企業の能力を想い知らされたプレゼンがありました。
スカウターを商品化して、単眼タイプのプレゼンをしました。
私が随行すべきだったとつくづく思います。
米国で仕事をして、どれほど日本人であることゆえの体験、
それ以来私は、米国と対峙していくことを決意していますが、
このプレゼンも同様でした。
「アメージング」と評価を受けたとの報に私は怒りました。
彼らがそういう表現の時は、評価などしていません。
プレゼン現場で、彼らが黙り込むことが成功の証です。
結局、これらのアイディアは同時進行だったのかもしれません。
が、彼らがこの企画内容に確信をしたことは確かです。
以後、このメーカーがフリーランスのプログラマーを、
彼らのチームに入れた情報も聞こえてきました。
私は密やかに彼らとの競合が始まっていることを冷静に受け止め、
なんといっても1994年代からHMDをスカウターと呼び、
さらに、瞳孔距離や頭眼部位への装着性能を知る限り、
絶対に勝つ、ということをチームにも言い聞かせています。
いずれにせよ、眼球周囲は製造物責任に取り囲まれています。
なんといっても、現状のCPUやLSIの発熱と冷却は問題です。
さらに電源・バッテリー関連技術は世界的にも、
まだまだ能力不足があります。
だとするなら、光学とメガネスタイルの実装性が決め手です。
いづれ、リアル画像にバーチャル画像、
何をOSにすべきであり、ジェスチャーインターフェイスまで、
統合的なデザインが求められています。
空中での触覚性能にも新たな技術が必要です。
そして、何よりも重大なことは、
こうしたプロジェクトを意志決定できる経営者能力が、
現代日本に大欠落していることです。
現場の能力が最大に発揮出来ないでいることに、
私は大きなストレスを感じています。
国難の最中ゆえに、大きな意志決定できる経営者を望んでいます。


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「HMDを『スカウター』と呼んでいる・商品化されたモノ」


   


     8月 11th, 2013  Posted 12:00 AM

メガネフレームのデザインをしている私には、
瞳孔距離の設定と顔面から頭部周囲の適合化をねらって、
私のブランドでの製造企業とベンチャー・スカラ社で、
HMDは「スカウター」という名辞をして今も販売しています。
深夜のテレビ番組で紹介されて一時ヒットしました。
この造形であるプリズム反射が今も応用されているモノ、
グーグルグラスなどには大不満が残っています。
つまり、このプリズムと瞳孔距離設定は困難です。
この当時に、「ドライ・アイ」の問題が浮上しました。
モニターを見つめることで、目に負担がきているのは、
青色反応の生理現象以上に、角膜の乾燥が問題なことであり、
モニターの青色よりも、むしろ私は近赤外線の問題があります。
特に、モニターが「プラズマディスプレイ」は大問題が、
総務省も欧州からも問題視されていて、
その頃、欧州は日本からプラズマ輸出に規制をかけました。
結局、当時厳しく批判していた私までバッシングをうけましたが、
すでに、国内企業はすべてプラズマモニター生産は撤退しました。
この当時からすでに商品化してきた系譜を現在生かしています。
根本は、液晶や有機ELなどを光学系にどう実装するかでした。
ようやく、今進めている画像表示は実像と虚像の組み合わせです。
バーチャルとリアル画面を眼前に、
それも瞳孔距離はすべての人が異なっていますから、
位置選択ではなくて、自分の瞳孔距離を自己決定できるべきです。
そういう意味では、この商品化はある段階でしたが、
今でも、自分一人で十分にスマホにある映画は楽しめます。
そして、これもすべてがβチタン製ですが、
顔面装着性能は確実な設計にしています。
これもその当時に工学と光学と実装を眼球にメガネ化しました。
この経験は非常に大きかったと思います。
これまでのプレゼンテーション画面は、
明らかに未来を創出する「統合デザイン」の実例設計です。
こうした経験が、新たな「スカウター」デザインに繫がってます。


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