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「君の居場所・coppers早川(篤史)作品「KAIJIN 75」」


   


     9月 10th, 2012  Posted 12:27 AM

届いていました。
先般、松屋銀座での個展ギャラリーに2日通いました。
本当に久しぶりにアート作品を求めました。
早川親子の鍛金彫刻作品です。
アッと思うほど、惹き付けられました。
その夜に、あの作品群の中のアレを、
わが家のやっぱりスピーカーシステムJBL4343の上に置こう。
そう決心すると、ともかく会議前に求めておこうと決めました。
正直、仕事中も、
すでに自宅に作品が来ているイメージが常に浮かび上がっては消える、
そんな繰り返しが起こっているのは、
仕事への情熱を演技している連中への怒りを抑えられました。
「大企業病」というのは、
大企業にぶら下がっているサラリーマンの罹病だと定義できました。
それに引き替え、早川親子(父と息子)の作品は、
父がまずは師匠でありながらも、息子さんは二代目でも無く
この親子の強烈なライバル関係が清々しいのです。
この作品は息子さんの作品です。
生きている実感と社会での役割を凜と果たしているのです。
それが見事に作品に表れています。
彼らは、三重県で制作活動をされています。
いわゆる芸術関連の学歴などは無いそうですが、
そんなことはどうでもいいことです。
ところが、芸術系の学歴の無いことから作品への上から目線の人や、
この作品をロボットにして動かしたらとか、
LEDで光らせるべきと忠告されるそうです。
私はアート作品へのそのような期待は、
まあまあ一般的興味が膨らんだだけに過ぎないことだと思いますが、
つまらない鑑賞の仕方だと言っておきます。
もちろん、銅と真鍮という素材加工の技術性やその染色方法は、
高度でオリジナリティが存分であることが基本です。
しかし、もっと重大なことは、
「作品を私物化」したときに、その物欲と美学的な満足度を
どれほど真剣に「日常化」していく決心と作品への憧憬です。
私にとって、買い求めてまで側に置いて毎日眺めるのは、
常に、眼を透明にできる作品と出会うことです。
この作品は、これから私と一緒に、
私のオーディオ=耳と眼が共時性を持って、
生きている確認ができることです。
これから、この作品と対話したことも書き残したいと思っています。


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「iPhoneアプリ、六つ目の開発」


   


     12月 19th, 2011  Posted 12:00 AM

1984年にMacintosh 128kと出会ってから、
私の知識と意識は日常的にAppleで支えられてきたとも言えるでしょう。
そのパソコンがiPhoneという新たな形式となり、
ソフトウエアは「アプリ」と呼ばれています。
私たちはそのアプリ開発をしてその配布販売をしています。
目的は、私が提唱し始めたPeace-Keeping Designの一つの戦術です。
PKD活動の具体的開発は「結核ワクチン」のシステムが今中心です。
その活動支援として、アプリを販売して資金の一部にしています。
今はアプリ一つが85円です。
すでに、5つのアプリを開発配布販売しています。
「時計」HOLA・「TheClock」称号を持つモノをiPhoneに入れました。
「脈拍計」=15回の脈拍で、1分間の脈拍が計測できます。
「黄金比計算機」=黄金比がすぐに計算することが出来て、
デザイン設計時の補助計算機になります。
「緊急時のコール」=HelpCallとして、
声が出なくても助けを呼んだりすることが出来ます。
「手旗信号練習マニュアル」=手旗信号は
知っておいてもいいかもしれない、という提案です。
そして、時刻計測の基本に戻って、
「砂時計」を新たに開発しました。
これら全ては大阪大学大学院の私の研究室で学生達が私のディレクションで
プログラミング化して認証を受けて配布しています。
私の狙いは、これからのデザイナーはアプリ開発も出来ること、
リアルな機器設計とバーチャルな機器設計能力を身体化してほしいのです。
そして、iPhoneアプリには、
知識と意識を良識と見識にするソフトウエアの力があると認めています。
PKDはまさしく、率直に良識と見識のデザイン活動であり、
「デザインが世界を変える」ということです。
その活動の資金確保としては微々たることかもしれませんが、
それでも、その販売利益を得るとともに、学生達の能力を高め、
しかもPKD活動の連続性を告知広報する訴求力をもっています。
アプリ開発は、デザインの根幹である利便性を徹底的に求める
「思いやり」を込めることができます。
是非、こうしたアプリを使っていただきたいと願っています。

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