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『名作倚子であってもやり直しされている実例に学ぶ』


   


     11月 4th, 2017  Posted 12:26 AM

恩師である柳宗理先生は、シャルロット・ペリアン女史来日時に、
彼女のアテンド役によってデザインの世界に入りました。
東京藝大の油絵学科からデザインは生まれたという一つの歴史があります。
そして彼女自身がコルビジェの建築事務所では家具デザインの担当でした。
これは私の想像ですが、コルビジェに家具デザインを知らしめたのは、
彼女ではないかとすら思えてなりません。
したがって、建築事務所でも有能なスタッフが加わると、
その造形がガラリと変わることはいくつも実例を見てきたのでわかります。
それこそ、コルビジェの名作倚子は、実際は彼女のデザインだった、
そんなことを彷彿とさせてもらえる倚子が
日本を周遊していて、その倚子を再考、そんな想像をしています。
コルビジェの名作・シェーズロングという長倚子(左上)がありますが、
これはおそらくペリアン女史が担当だったのではないかと思うのです。
なぜなら、彼女は20年後に日本で竹素材によって、
この倚子を改良改変しているのです。
何と言ってもパイプ倚子を竹の弾力性を利用し、
しかもベースの木製部位も変わっているのです。
これはこのところ、ともかく150点ほど名作倚子を選び直ししながら、
コルビジェの倚子が進化していると気がついたのです。
ともかく、デザイン作品での名作は倚子の世界に顕著です。
私にも数点の倚子がありますが、なかなか名作としてデザイン史にという、
この思いを実現したいと思っているからです。
そしてとても大きな問題は、素材の経年変化があるモノは、
美術館の永久展示品にはならなくなってきたのです。
私の作品であるおそらく最も薄いスピーカーシステムは、
ウレタン素材が経年変化を起こすことから外されてしまいました。
今私の大きなテーマには経年変化を絶対に起こさないことと
リサイクルが確実に可能であることです。
死亡したデザイナーの作品を盗作して、デザイナー名を自分デザインにする
それはデザイナーであることの偽善者ですから、
やがてそんなデザイナーのデザインは全てが駄目になるでしょう。
シャルロット・ペリアンのデザインに学び直しています。

* 『人生が回転して再開、懸命だったあの頃』
* 『民藝の美とデザインの美は区分分別されていた』
* 『大物主神から事代主神、このコンテクストの卓球台』
* 『経年変化無し素材開発と道具使用を次世代に』
* 「泡・バブルって、やっぱり凄いんだって思います」


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