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Posts Tagged ‘商倫理’


『「企」とは、つま先立ちして目標を見定めている』


   


     4月 8th, 2017  Posted 12:00 AM

企業というのは何か?、
これを忘れた企業があふれていると言っても過言ではありません。
すでに日本では、かつての商あきないのルールが忘れられ、
企業ガバナンスなるなんともある意味では、
商倫理が反狂した制度だけが温存してしまったようです。
よって、製品も商品も分からず、ましてや企画も計画も区別できない、
そんな企業内日本語が氾濫しています。
「KK適塾」、この最終回で私は、「企画」「計画」を説明しました。
本来、商品をもって企業はその活動を社会化するべきです。
しかし、商品も製品も区別されないモノ販売とその経営の行き詰まりは、
見事にわが国の基幹産業を台無しにしてきました。
私がこの兆候に気づいたのはバブルど真ん中でした。
幸いにして私はApple本社のコンサルタントとして、
米国クパチーノと福井を往来している最中でした。
日本がおかしいし、もはや日本の経済はますます低迷どころか、
やがて基盤産業も失うであろうと予測しました。
一時、リーマンショックがあって、さらに3.11で日本は国土的にも
大惨事を迎え、それは今も南海トラフ、首都直下、竜巻と気候変動に、
日本の自然環境そのものが狂いだし、同時に家電から自動車産業すら、
最早危うくて基盤産業を失ってしまったと言わざるをえません。
果たして、改めて私は「企」について意味と定義を書き残します。
「止」=足跡が屋根印の下にあります。
これは明確に「立ち止まって背伸び=つま先立ち」をしているのです。
ということは、立ち止まって遠くに目標を定めているのです。
つまり、「企」とは未来に目標を定めているのです。
ということは「企業」とは常に
つま先立ちをして未来の目標を見定めているのです。
ということは、企業トップがマスコミ:大衆に向かってお辞儀をして
あやまっている段階でこの企業は
企業の社会的な存在を失っているということです。

* 『GRiD社キーボード位置をどう乗り越えるかだった』
* 『開発コードネーム・Popeyeからの拡大』
* 『メセナフィランソロピーが「ジン」酒造企業ではどうか』
* 「希望を企望に」
*  *産・官・学などありえない!・・・*


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『資本主義からの逃走』
 「商人の商売、その物が商品」


   


     3月 6th, 2010  Posted 12:01 AM

商人
殷=商の時代も歴史は周人によって滅ぼされていきます。
当然、商人はさげすまれて賤民となっていくのです。
集落も失いました。
そこで、彼らは行商という、これは技能です。
商売
「商売」を手に入れていくことになります。
「商売」技能とは、計算能力だったり、
多言語に精通していくことだったわけです。
簡単に説明をしてしまえば、
流民、いわばジプシーとなった彼らは、
農産物と畜産物を交易する仲介の立場になるわけです。
農産物をつくる人の環境では、
牧畜によって皮革や毛皮を得ることは出来ません。
反対に、畜産物を産出している人には
農産物は不可欠でした。
商品
だから、この取引の中間に彼らの存在があり、
「商人」、「商売」、「商品」という言葉が
認識されていくのです。
そして、現代に至る歴史まで、
この言葉は継承されてきました。
彼らは、そのまま「商人」と呼ばれ、
彼らが商いする物を
「商品」と言うようになったということです。
売る、ということ!
ところで、「商人」というのは、
「売る」ということがそのまま商売になりました。
「売る」という行為は、
うさんくささがつきまとってくるようになります。
つまり、彼らはただ、物=商品を持ってきて、
なんらかの言葉で、
その物の売り込むだけで儲けていることになります。
農作物を季節に合わせたり、
畜産のために労働をしているとは思われないのです。
いわゆる中間的な利益だけで、
金儲けをしている人々であるということになるわけです。
仲人口というのがあります。
見合い結婚などで、結婚するのに、
いかに良い相手であるかということを、
「売り込む」ための手法だと思います。
「商人」の役割は、
どれだけ自分が物=「商品」を持ち込んできて、
買ってもらうには、
これだけの価値があることを「売り込む」ことが、
商人の役割であり、権利であったわけです。
当然ながら、
その「商品」に対する責任を持つことが義務でした。
「商品」が買っただけの価値がなかったとするなら、
その商人の信用は大きくくずれ、
彼は商売が不可能になるということが、
商道徳の基本になります。
商慣習と商道徳や商倫理になっていくのです。


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