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Posts Tagged ‘国際コンペ’


『生物兵器へ医学制度のCrisis and Risk Solution』


   


     2月 27th, 2020  Posted 11:00 PM

「生物兵器」という説かもしれません。
いや、私は「生物兵器」だと思っています。
3.11の後には、災害復興にデザイナーとして取り組み、
企業とともに研究者として対応していたプロジェクトには、
災害という危機に対しての「危機管理」という言葉を使っていました。
ところが、危機は「管理」など出来ません、目指すのは「解決」なのです。
想定される危機と起こってしまった危機を解決する
Crisis and Risk Solutionであるデザインの解答が求められるのです。
核抑止としてある原子爆弾は、使われればもはや一瞬にして世界の終焉、
地球滅亡のシナリオであることは承知の上、
今回の「生物兵器」なのかとも考えてしまいます。
どうやって地球人が解決出来るかが求められています。
国会には生物兵器を防ぐかは議論されていませんが、今回のことだけでなく
あらゆる想定で危機解決を導く組織、体制は整えるべきです。
私の研究室で提案した結核のDNA診断システムなど危機解決への解答は、
どうせデザイナー提案だろう、
国際コンペでも「解らない」と言われてきました。
学会や、あるいは国家予算を使う研究の審議などにも、
デザインとしての提案は、審査委員や担当者の
能力、見識によって蓋をされたままでした。
医学感染症でのデザイン解決が医学制度、地球の未来をつくります。


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『越前市に「タケフナイフビレッジ」を教え子が建てる』


   


     12月 4th, 2018  Posted 12:00 AM

越前市の「工芸の里なんとか事業」の拠点として
タケフナイフビレッジの共同工房の改修と
増設プロジェクトがスタートしています。
かって私は、東京でのデザイン活動から故郷福井へ戻り、
武生市刃物研究会と出会いました。バランスと形態を計測しました。
武生市(現・越前市)には小学校高学年と中学校初期時代を過ごし、
打刃物産地は「野鍛冶」として存分に知っていました。
故郷にしかないモノを輝かせたいと、デザイナーとして戻った
私は、打刃物に取り組むようになりました。大きな支えがありました。
そして、「タケフナイフビレッジ=美しい切れ味を鍛えます」、と
名付けた産地のために、協同工房設立の企画書は
5年後をめざしていましたが、10年かかりました。
私の作品写真をお願いしていた藤塚光政さんからの紹介で、
故・毛綱毅曠に依頼しました。今も彼の建築を見てくれる学生がきます。
私は何度もモデルをやらせました、よくあの値段で・・・と私も想い、
福井で初めて『新建築』に載るような建物を、と
必死だったのです。結果は実りました。
25年経つ建物の改修及び増設は、大学時代を福井で学んだ建築家、
奈良女子大学のN准教授が担当しています。
私の教え子でもあり、大学卒業後は安藤忠雄氏の事務所を経て独立し、
国際コンペも勝ち取るなど、大きな仕事もこなす
彼ならではの「手腕」に期待しています。
タケフナイフビレッジは10人の職人でスタートし、
親方となり今は後継者が20人います。
世界初だった一体化した私デザインのキッチンナイフは、
どこにでも出てきましたが、
「切れ味」については、硬度がタケフナイフにはかないません。
そしてこの産地に新しい建屋が完成します。
伝統工芸の再興、文脈の集積と系譜、
これからの全く新しい継続と振興の拠点となります。


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『デザインはすでにここまでが必然となっている』


   


     5月 11th, 2016  Posted 12:00 AM

これは現在整理中の動物実験の結果写真です。
あくまでもこれはデザイナーとしての活動。
デザイナーにとって、これまでは動物実験にまで臨むというのは
デザイン活動とは考えられてきたことではありませんが、
「医工連携」での開発では決してその成果は実現されておらず、
流行の「デザイン思考」も間違いであると主張してきました。
「コンシリエンスデザイン」と「看医工学」を結びつけて
全く新しい医療機器を開発してきたために、
医学・看護学・保健学・工学、これらの統合化こそ、
デザインがその主導権をもって進行させるということでは、
この動物実験そのものにデザイナーが加わるというより、
実験そのものを再デザインする立場にあるということです。
まず、動物実験のシステムさえ、
この分野にはまったくデザインは立ち入ってきませんでした。
では、「医工連携」と言ったところで、
工学的なアイディアも、まず、生体=動物上での
確認が必要です。
生体上での「安全性・確実性」が証明されて、
医学的証明=エビデンスになり、生体としての人体での効用性が
やっと明確になるということです。
そのためには「コンシリエンスデザイン看医工学」が不可欠という
実務的な具現化された医療機器が登場するということになります。
かつても、こうした研究成果を国際コンペに提示したことがありますが、
「難しい」とかの理由で受賞出来なかった時に、
デザインが未だにデザイン自身が解法されていないと、
自分は明確に自覚しました。
よって、この動物実験からの「デザインによるモノづくり」を
ようやく公表することが出来そうです。

*『「パラシリエンスデザイン」でのプライミング効果予測』
*『デザインは問題解決の手法であると再度主張』
*『看医工学へのレジリエンスからコンシリエンスデザイン』
*『ベクトル論理では「何がデザインか」となる』
*『商品である「デザイン思考」は経営論にすぎない』


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『不細工なモノは不細工である』


   


     1月 18th, 2016  Posted 12:00 AM

僕が小学校4年生だった頃でした。
父から男はたわしで体を洗うべきだと言われて、
痛いのを我慢して洗っていた時期がそれこそ成人になってもでした。
ところが、それは皮膚を傷つけていると言われて辞めました。
しかし、父の皮膚は痛んでおらず、79歳で逝きましたが、
70代になっても、まだ50歳後半に見られると言っていました。
そんなこともあって、どうも束子の形態をドーナツ=トーラスにしたい、
その思いを海南市で、
海南の国際コンペの審査委員の頃、提案ができました。
いわゆる地場産業にも加わり、スポンジの素材形態を変えたり、
これ幸いとして、束子もドーナツ状の製品開発をしました。
確かに、当時は「RON」というブランドまでも開発して
その試作をしました。
が、つい最近、
シュロでそれも脱色した「ソックリ」が店頭にあってびっくりしました。
これを模倣だ、コピーだ、
やがては盗作だとかと言うことはすでに無理です。
なぜなら試作・製品開発発表しかしていません。
RONの他シリーズはデザイン賞を受賞しています。
先般も、僕のApple社提案モデルが
あるメーカーから商品発表になったときに、
「不細工」と所感を書いたら、僕がもの凄い非難を受けました。
著作権は、当然、すでに僕の作品集に図面があるわけですから、
現在は、デザイナーの盗作問題がトピックスどころか、
デザイン界の大問題になってきています。
非難する連中には、
 ともかく大問題になってほしい=事件興味だけ
 明らかに盗作だ=知り尽くしている人々
 いや、川崎が笑い飛ばせばそれでいい=私非難、などなどですが、
僕が「不細工」といっているのは、
現実にデザイン実現した企業デザイン部門が
「MindTop」を知っていれば、もっと確かな実現ができたでしょう。
ともかく、物真似、模倣、ついには盗作ということが
SNSなどで「本質を見失う面白さと不気味さと怖さ」の問題です。
明らかに盗作には、
これも倫理上の問題から知財権という法的制度問題が重要なことです。
翻って、この束子などは、僕が提示したときには、
試作は出来ても生産的には無理だと説明を受け納得していました。
工業デザインには、提示が時代的に早すぎたり、
MindTopはもっと重層化された複雑な問題、人種問題も当時はありました。
商業的な困難さもありますから商品化されないことなど一杯あります。
例えば、生産のシステム機械などは、メーカー依頼で商品化しても、
売り先では、それを元に決して一般人には目に触れないから、
それこそソックリどころか盗作など平然とやられています。
僕がグランプリ受賞しても、ある業界では平然と真似られるどころか、
ほとんど盗作だらけの世界もあるわけです。
せめて、オリジナルをやったデザイナーが、
真似られたモノを「不細工」というのは当然です。
そういう意味では僕自身、知恵不足だと笑い飛ばしていますが、
グローバル市場では国際問題化されることが出現してきましたから、
「ハーグ協定」がやっと始動してきているのです。


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「泡・バブルって、やっぱり凄いんだって思います」


   


     10月 16th, 2012  Posted 12:00 AM

台所用品、浴室用品の地場産業といえば、
和歌山県海南市です。
「東の湘南、西の海南」、当時の市長の弁でした。
海南市で国際コンペの審査と
現地の「地場産業」に関わったことがあります。
徹底的な、ウレタン素材で「洗浄用スポンジ」の製品開発にのめり込み、
商品化もしました。とても高額商品でしたが高く評価されました。
しかし、素晴らしい素材の「スポンジ」は、
100円ショップの中国製には市場では完敗でした。
ただし、モノの性能・効能・機能は抜群だったと自負しています。
だから、その頃、同時に「トーラス亀の子束子」も開発してみましたが、
これは製品開発で終了せざるをえませんでした。
今、私は私自身の「乾燥肌対策」には、
あらためて、当時、様々な「泡づくり」と「泡性能調査」をしました。
だから、TV-CFで「洗顔用石けん」の泡立ちを見るたびに、
「泡」そのものの「泡立ち」の肌理の細かさが気になります。
それは、ボディソープからシャンプーに至るまで、
TV-CF画面の泡を見ながら、
「本当か?」とTVに向かって、話しかけてしまいます。
そして、学生にも、「正しいシャンプーの仕方」などを論じてしまいます。
つまり、「泡立ち」という性能は「肌をきれいにする」、
とても大事な手続きであることは間違いありません。
「綺麗」な泡立ちが、必要不可欠なわけです。
となれば、絶対に「泡立ち評論家」になるつもりで、
「泡」をじっくりと観察しています。
今、ブームで売れているシャンプーが、
本当に「正しい洗顔・正しい洗髪」ではないのです。
どれだけの肌理の細かさの「泡」=バブルかが大事です。
そのバブルで綺麗にするべきかが問題だということです。
結局、「バブル」ってのは、
やはり、何かしらスゴイ力があることは間違いありません。


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