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『資本主義からの逃走』
 「グローバリゼーションの基礎はグローバリズムだろうか」


   


     11月 16th, 2010  Posted 1:32 AM

世界観への一元化
グローバル化はグローバリゼーションです。
近代化の下敷きは市場経済の拡大と拡張でした。
これは地域固有の価値観や制度、規範や権威に変形を与え、
実際は、欧米型の世界観への一元化だったと回帰することができます。
詳細に観察すれば、地球上の国民国家はそれぞれの国民経済力を単位として、
それぞれ国家の文化が形成されてきたわけです。
しかし、東西冷戦や南北問題を引きづりながらも、
結局は資本主義経済と地球全体が西洋化する均一性に向かってきたのでしょう。
ところが、冷戦の終結、南北問題よりも大きな宗教・民族対立・テロリズム、
そして地球環境破壊、民族間・国家間格差は、
世界秩序という虚構よりも動揺とアポリアを引き込んでしまったようです。
この地球的転換がグローバル化と断言していいかもしれません。
グローバルビレッジ
グローバル化の方向性や地球全体を、グローバルビレッジという理想実現や、
web空間でのネットワークによるコミュニケーション保全が問題解決、
そうかもしれないという期待も破壊されています。
たとえば、難民の存在、外国人労働者という低層、賃金格差は、
すでにBottom of the Pyramidという認識に直面しています。
私は、地球市民理想やグローバルビレッジ、
それこそ世界意識の強化という主義性、
グローバリズムという理念あるいは哲学を基本とした権威性に期待したいと思っているのです。
グローバリズムに連結と連鎖
要は、この理念・哲学での権威性にリーダーシップ性を任せないかぎり、
地球全体は動揺どころか紛争・テロリズム・環境破壊の進行は、
人類の存続性を剥奪することになるでしょう。
だから、翻って、地域主義、小さな国家の物語を強固にしていくことしかありません。
ローカリズムはグローバリズムと連結と連鎖していることは間違い無いというのが私の見解です。
私は、伝統工芸産地や機器の微少な部品産業などの小さな物語が、
大きな物語としての地球一体連合国家あるいは連盟国家になっていく気がしてなりません。


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