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Posts Tagged ‘変質’


6月21日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     6月 21st, 2021  Posted 12:00 AM

6月21日 仏滅(庚子)

『元気としてのデザイン』

そして、
生産と消費という図式が
経済を制御するという
インダストリアリズムは、
変化、
変質、
変換、
変革
せざるをえないと考える。

artificial heart:川崎和男展


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『資本主義からの逃走』
   「情報化の逃走訓練には資格条件あり」


   


     8月 1st, 2010  Posted 12:00 AM

情報による資本主義の変貌
生産・消費での資本主義は、大きく変貌しています。
変貌の具体的内容は、変質・変容・変態です。
大きな一つは、資本を「能力・才能」としたときには、
能力や才能が「情報」と対峙できるかどうかです。
それは能力ある人なら、
情報リテラシーの管理と統合が無論可能であることは当然です。
しかし、私は能力の情報化と才能の情報化には差異性があるものと判断します。
それは特に学生たちを相手にしていると、
能力があるにもかかわらず、
自分探しに翻弄されていることを観察してしまうのです。
また、能力が評価できないのに、本人は自尊心こそ能力だと錯覚しています。
そのうえで、才能ということになれば、
私は、才能というのは自分では決して認識できるものではない、
という経験値があります。
才能は「周囲が認めてくれて」こそ、自分にはあるかも知れない、
という自己期待感の中で自信を勇気づけるものだと考えます。
私はここで、能力・才能のさらに情報力の能力・才能に焦点化してみたいと思います。
新たなこれからの「資本としての能力・才能の情報力強化」という訓練こそ、
資本主義から逃走する体力的な知力だと考えるからです。
したがって、「逃走訓練する条件」の一つに、
「情報」に関わるさらなる能力と才能のトレーニングということを提示したいからです。
条件をあげてみます。
● 共時性の保持力
情報と自分を対峙させるハード・ソフト・ネットワーク、
その驚異的な進化速度に自己を適合、
ある意味では流行性とも共時できること。
● 進化性の予測力
ハード進化・ソフト変化・ネットワーク変容、
これらに対して想像力が常に拡大や拡張し、
自己予測力を常に働かせることができること。
● 経済性の持続力
新商品化されるハードやソフトを購入し,
基本的なネットワークを個人的に整備できる
可処分所得内での購入費用は常に確保ができること。

そして、いつでも情報環境の時代変化に興味を持ち続け、
流行現象に押し流されることはあってはならないと思います。
好き嫌いの価値感には囚われず、
「自分流」なりの自己リテラシーを構築する精進を
地道に積み上げることだと考えています。


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『資本主義からの逃走』
   「資本の概念、その変貌と変質を受けとめる感覚」


   


     7月 12th, 2010  Posted 12:00 AM

「土地・労働・資本」
資本主義への私の見方、と言ってこのブログを書き続けています。
肝心の「資本」は、当然ながら経済的な用語ですから、
その源、特にマルクス的には、「土地・労働・資本」が一組として扱われてきました。
それが、経済と政治とある思想で管理されれば、
なおさら、この一組の言葉はそれぞれに概念をもち、
この概念に対して、「土地・労働者・資本家」という国家的な政治形式での管理主体の検分が、
政治と経済と軍事における国際的な関係論となり、
そのまま「現代史」として、
私たちそれぞれの「日常と生き様」を支配制御してきたものだと私は考えてきました。
私は、このある意味では資本主義での三大要素の、
「土地・労働者・資本家」のどこに所属し、
私はその属性をもって生きているのかということになります。
明らかに、「労働者」という立場で「労働」、
そのプロセスで「生産」と「消費」に関わっていることになります。
しかし、この三大要素の中で「資本」は、
資本主義経済構造が極度の変換を起こしています。
私は、その根本、要素の要素を「かたち」、
その「かち」とそれらに対する私たちの「感覚」を常に意識して
「労働=職能」=デザイナーに結びつけて思慮=配慮と熟慮をして思索と思考にしています。
私の提示は、「新たな資本」・「何が資本なのだろうか」・「資本のかたち」を追い求め、
その「価値」でも「美しいという感覚受容の価値」にたどり着きたいと考えています。
私は、もはや土地は地球そのものであり、
分断されたり分割された国家や個人的な資本と同列な資産だとは考えていません。
労働者と資本家=被支配者と支配者、この構造が世界観のベースだとも考えてはいません。
「資本主義」のその原点でのマルクスから、このブログを書き起こしてきましたが、
むしろ、「物質・エネルギー・情報」が核心であって、
それを取り囲んでいる世界観と歴史観にデザインを差し向けたいということです。
簡単に言い切ってしまえば、

●「美しい物質」

●「美しいエネルギー」

●「美しい情報」

こうしたことが現在から今後の「資本」だから、
その「資本の場」に「逃走して」いく主義主張を求めています。
「資本の場」への近傍化を探し求めているのだと思ってください。
結局、
「土地」に興味があるわけでもなく。
「労働」は「働く行為」ですが、
何も「資本家」、あるいは彼らをあくまでも擁護してきた「政治形式」に、
私は自分のこれまで「生きてきた=死んでいく」何も魅力は感じていません。
むしろ、まだ「美しい」というほどではなくても、
それこそ「カッコいい」とか「かわいい」とかいう「資本」は、
生産・消費の図式をはみ出していることに、私の「感覚」が反応しているからです。
「逃走の場」は、資本の変貌と変質の拠り所への近傍するベクトル、
その作用点・方向・大きさに有るのでしょう。


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『資本主義からの逃走』
 「ビジネスモデルにデザインを組み入れた意義」


   


     3月 8th, 2010  Posted 12:01 AM

結果判断
日本の産業構造が国際的立場を危うくしています。
その原因は、すべてに立ち返れば、
「日本人」という意識が、敗戦というトラウマから、
まったく解放されないままだったことに始まります。
むしろ、私は「結果」を評価するべきと考えています。
現在、日本という国家構造と国民の民意と意識、
こうした背景によって明らかに経済的基盤への不安は、
ほぼ失望から絶望にすら至ろうとしています。
「政権交代」への民意期待があえなく失望に変質、
これを私は「結果」と判断しているのです。
したがって、この「結果」を「考察・熟考」するには、
私がデザイナーであることを、
社会化していくことだと考えるわけです。
それはデザイン実務で、
その実例を提示提案することでした。
一つは、「ビジネスモデル」というある意味の理想が、
まったく歪みと曲解が正当化されているという結果です。
「収益構造」は、「利益独占構造」となり、
企業存在性を証明する「アイデンティティ」は、
「社会還元」でしたが、
それは崩壊していることを看過していることです。
綺麗事
デザインを組み入れるには、
「美学性+倫理性」=綺麗事です。
現況に対する綺麗事という無謀さは、
笑いとばされることでしょう。
綺麗事をどこまで訴え続けられるか、ということが、
デザイン・デザイナーの本質を社会化させる道理であり、
なおかつ、デザイナーの綺麗事という二重性です。
私の持ち出した「ビジネスデザインモデル」には、
「収益構造と社会還元」も二重構造になっています。
二重構造


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『資本主義からの逃走』
「資本概念の変容と変質はイデオロギーを消去する」


   


     1月 7th, 2010  Posted 8:00 AM

Atom to Bit

技術的進化を疎ましく思う世代がいます。
これは人類の歴史、その進展上では「常」でした。
さて、
資本主義の要素は、貨幣・生産・労働・商品などです。
そして、これらのすべては「アトム」の世界でした。
だから「アトム資本主義」だったと言えます。
ところが今や、
土・硝子・空気に「ビット=bit」が資本となりました。
● 土=シリコン
● 硝子=光通信ケーブル
● 空気=Network・Wi-Fi
以上の三つを指摘したのは、
ムーアの法則のあのゴードン・ムーアだったのです。
それも日本で1991年のキーノートスピーチでした。
私はこの三つは、技術産業と社会インフラの成果です。
私は、さらにこうした技術進化や社会インフラから、
成果に対する報酬=対価が無報酬化されることと、
アトムはすべてビットに換算されると予測しています。
結論は、明快です。
アトム資本はビット資本として、
無料=自由化が進展する世界に向かっています。
Pubulic Domainというソフトウエア=無料のbitが、
実は、bitを資本主義的に産業化して大企業化し、
群小のベンチャー企業が、bit資本を勘違いしたとき、
ベンチャー企業は必ず倒産するという定説です。
これからの「資本」は、bit資本となって、
その対価は「無料」になっていくことは確実です。
イデオロギーであった「資本主義」は終わります。

Free for Public Domain

無料=Freeは「自由」につながります。
その「自由」の意味の大転換時代が目前だと、
私は予知し、予測し、確約をします。
私の確約はアトム世界をbit世界で取り囲むことです。


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