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『大人的な表向きだけは嫌です: 洒落てはいけない』


   


     5月 5th, 2017  Posted 12:00 AM

花オクラという別名をもつトロロアオイがあります。
これは和紙はもちろん蒲鉾や蕎麦などのつなぎに使われています。
しかし、牛乳紙パックの中身は紙パルプです。
この紙パックをそのままミキサーで粘状にして、漉けば、紙が作れます。
若い頃オータキペーパーランドという越前和紙のグループを率いていました。
そして、「スキッコ」という、ハガキを漉くセットを商品化しました。
NewYorkでもヒットしましたが、国内ですぐに盗用されました。
しかし、漉き下駄を製作する越前和紙産地ゆえ、
釘も真鍮、木材も変形なしゆえに、大手の教材卸業には売れていました。
その販売権は産地に譲りましたが、
今は漉き下駄製作所もなく商品はありません。
このパッケージには牛を使って、「越前ウシ(和紙)」としたら、
越前和紙組合から叱られました。
墨流し=マーブルをする「スミッコ」も商品化。
ついでに和綴じをする「ワトジッコ」も商品として大手百貨店で、
これらをまとめて「人間国宝練習セット」としたら、
当時の文部省に叱られました。
Mac:当時の白黒アニメーション最初のゴジラが動いていました。
それなら、「伝統工芸士養成セット」としたら、
今度は伝統工芸士組合?の法人から叱られました。
当時は個展をやって、作品を手で持って、その作品の裏には、
「見たな!●●野郎」とかを仕込みました。
だから、招待作家展に出品するときも、
作品に触って裏を見れば、そういうコトを書きました。
したがって、招待展事務局からは「外し無さい」とか言われ、
出品しても意味なしと思える展示会をそれなら出品しません、
と粋がっていました。
大抵の展示会では、「作品には触れないように」というのがあります。
これは、とても高額な陶磁器や作品では仕方ありませんが、
インダストリアルデザインやプロダクトデザインでは、
「手で触れて持ってもらえることOK」だと私は思っています。
そういう意味では、車椅子視線や子ども視線では、
デザイナーの展覧会なのに、
インスタレーションを重視するために
私にはとても作品は見え無いし、触れないように完全接着が多いようです。
ユニバーサルデザイン(国内最初に紹介は私)や
バリアフリーが普遍化しましたが、
それこそ、ホテルでユニバーサルデザインの部屋です、とか言われても、
「ドアには覗き窓がいくつありますか?」
「エツ、一つですが・・・」=二つ必要ゆえ、韓国の方が理解しています。
これでどれだけ喧嘩をしてきたでしょうか?
なんだか、息苦しい表向きの社会になっています。
「絶対に川崎が入れないショールームにした!」という建築家を信じます。

* 『健常者を差別することで社会暗部を照射する』
* 『 インクルーシブデザインとは「人称デザイン」である』
* 『公・自・単・情・安・省・空を暗記せよ』
* 『ユニバーサルデザインの原意』
* 『享保の手帖から私が学び直したこと』


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