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Posts Tagged ‘局部音場’


『オープンイヤーホンの新しいあり方は再考すべし』


   


     6月 14th, 2015  Posted 12:00 AM

正直に言うと、オーディオとデザインを比べると、
私はオーディオの方が面白いと思っているくらいですし、
もし、教育としての講義をするなら、オーディオの講義をしたいほどです。
したがって、デザイナーでオーディオ担当とか言われると、
何と言っても、
オーディオからデザインを語るべきだと主張したくなります。
ともかく、私が美大に入学したときには、
オーディオ装置などは持っていなくて、
オープンリールにデッキとヘッドホンで、
それなりのHi-Fiを楽しんでいました。
美大卒で主任教授に言われるままというか、
当時は、教授指定の企業に就職。
行きたく無いと言えば「卒業はさせない」と言われる始末でしたが、
私が東芝でAurex担当になれたのは、
教授は私の未来まで見通しておられたのでしょう。
自分が大学人になって、
よく分かるのは本人以上に才能を見抜いていることです。
東芝で、空間音場と局部音場は、徹底的に仕込まれたと思っています。
医学博士で本来なら医師なのに、総研のオーディオ研究部隊を率いていた、
K氏には、クラシックでしかも楽譜で
特にピアノソナタで音響を叩き込まれました。
当時、ロックだビートルズだなどと言おうものなら、
怒鳴られたものでした。
「まず、ピアノ曲で音を覚えろ」と言われ続けましたが、
それは正解だったと思っています。
私の局部音場論は、電磁波空間と聴覚を
再検討させられたULTRASONEですっかり変わりました。
丁度、これからの季節は、
オープンエアーでBluetoothのイヤーホンをと、
私はワイフにも使わせたくて、選びぬいていました。
これはほとんど出張中、移動用で車中や機中で使うためのものです。
しかし局部音場、つまり、耳へのカナル型での聴覚と電磁波の関係は、
これからもっともっと研究を進めるべきことと思います。
私が局部音場に拘っていた当時は、
KOSSやSENNHEISERは一つの大きな手本でした。
ヘッドホンのデザインでは、モノの自重と側圧、
そして頭部や顔面装着性を学び直しました。
この経験が眼鏡フレームのデザインその基礎になっていると思っています。
デザイナーとして、
私は最初にオーディオを専門にデザイン設計出来たことは幸運でした。
なんと言っても、オーディオは私の自宅で、
最も考えた空間でなければならいというほど、
私には必須であり、現在のTV環境は7.1ch、
車を選ぶにあたっても、最高の音響システムであり、
今は、電磁波空間と聴覚の再考動機を与えてくれた、ULTRASONEと
このオープンイヤーであっても、音質を聴き比べてしまいます。
最近、ヘッドホンスタイルを見ますが、音質はもっと真剣に聴くためには、
できる限り、最高のヘッドホンを選んでもらいたいと思います。

「ヘッドホンにはヘッドホンアンプ必要なり」


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『ULTRASONE・問題解決を成し遂げているヘッドホン』


   


     6月 13th, 2015  Posted 12:00 AM

私にはオーディオからデジタルサイネージに関しては、
名古屋にいるときから強い味方がいます。
したがって、自宅のオーディオ環境から、
今は玄関にこれまでには無かったデジタルサイネージの工事をしています。
丁度平行して研究室では
まだ生まれたばかりの「抗体エンジニアリング」に、
デザイン先導の企画が進んでいます。
そうしたら、ヘッドホンでは通常は想像出来ないチャンスがきました。
何しろ、オーディオでは考えられない高価なモノがあります。
そして私はそれなりに、ヘッドホンアンプも選び抜いており、
ヘッドホンも要のモノを使用してきました。
ULTRASONEを聴くことができました。
抗体エジニアリングの根本は、抗菌対策・耐性菌、
そしてずーっと追いかけてきた電磁波空間が対象です。
すでに、自宅空間にはTVはじめ家電だけではなく、
電磁波と人間の関係はまだ不明です。
とりわけ
カナル型ヘッドホンは音源から直接に脳神経を刺激していますから、
私はやや危惧していました。
ところがドイツでベンチャー企業として登場してきたULTRASONEには、
大きな一つの解決がありました。電磁波を遮断し、
なおかつその電磁波と音源の関係を
見事に制御するシステムを創り上げていました。
最初は、ヘッドホンアンプ
(何台あれば気が済むの、とワイフに叱られますが)で
視聴して、もう<エエッ!>でした。
まるでこれまでのヘッドホンでは不可能だった、
局部音場では無く頭部周辺がHi-Fiでした。
局部音場を解放したヘッドホンです。
これはもうすでにコードまでが、
さらに、最高級のヘッドホンアンプと思いこみました。
ところが最新のMacBookでULTRASONEを聴いてもう体が震えました。
しかも、AppleMUSICが発表されたばかりでした。
多分、これから私はこのヘッドホンに取り憑かれると思います。
どんなにデジタル音源が進歩しても、
ヘッドホンやスピーカーシステム、そして聴力はアナログです。
しかし、電磁波と人間の関係は、
まさしく抗体化していかざるを得ないことであり、
ここにデザインは明確に関わることになるでしょう。
しかも、このヘッドホンはこれからエージング
=時間をかけて音源からの音に慣らしていかなければなりません。
それが義務となる製品こそ、今の時代には必須のモノだと確信します。


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『モバイルのヘッドホンアンプもここまできたか!』


   


     1月 18th, 2015  Posted 12:00 AM

正直、自分の趣味の話になると、結局、オーディオとか筆記具とか、
自分の嗜好性、その偏り方を確かめることができます。
しかし、もっと本格的な趣味性は危ないから書けません。
書こうとするものなら、ほとんど社会性を失うかも知れませんから。
だから、それは別個のwebか電子出版か、限定講演でもします。
さて、どれほどヘッドホンを試し、インナーも試してきたでしょう。
商品が届くとワイフに叱られますが、理由をつけています。
デザインのためとか、オーディオだけははずせないとかです。
そして、またこうしてブログアップしてしまいます。
この写真を見れば、おそらく現在これ以上の局部音場は無いはずです。
チャック・マンジョーネをこのヘッドホンで、
しかもスピーカーユニットメーカーだからこその音づくりです。
なぜ、彼の音楽でなければ分からないのか、
そのようなことはすっかりオーディオ雑誌から消えています。
理由は、それを書ける評論家が居なくなったからです。
メーカー機嫌取りのオーディオ雑誌ばかりになっているからです。
そんな時代ゆえ出版そのものがダメになってきているのです。
私が本格的にオーディオの世界に入った時は、
ヘッドホンとオープンリール2chデッキだけでした。
だから、音質はまず、局部音場で確認できると信じてきました。
ヘッドホンはプロとして最高のモノをデザインし、
そのための音場と人間工学的な設計デザインは熟知しています。
かってウォークマンから人はアウトドアで音楽を楽しむことを知り、
それがiPodでまた別次元の進化を見せてきましたが、
まだまだピュア・オーディオの世界には来ていませんでした。
ウォークマンの本当の裏側も書いてきました。
それだけにヘッドホンアンプも様々に自分の耳で確認してきました。
だからこの写真のアンプとヘッドホンと試聴音楽でわかるでしょう。
そして、次の段階に気づいてほしいと思っています。


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『音場と音場と局部音場のためのワイヤレスヘッドホン』


   


     5月 17th, 2014  Posted 12:00 AM

本当に正直、もう辞めようといつも思っています。
ワイフには、「いくつ耳があるわけ?」と上手い質問を受けます。
私はプロとしてAurex時代には、ヘッドホンデザインに
随分と取り組んでいましたから、どうしても、
新商品であるヘッドホンとなればついつい確かめたくなります。
かつてはヘッドホンにコードが無くなればと思っていましたから、
Bluetoothのヘッドホンはどうしても音が気がかりです。
とりあえず、収集して気に入っている機種4種があります。
なぜ、4種かといえば、それには大きな理由があります。
ヘッドホンは局部音場しか確かめることができません。
私自身老齢化してきたことは、すでに左聴覚は弱くなっています。
そして、局部音場では、音像を確認することは出来ませんが、
本当に良くなってきたと思っています。
Bluetooth自体は、音響通信環境としては優れていませんが、
それをヘッドホンの音響技術が補ってくれています。
ヘッドホンをデザイン設計してきた経験では、
いわゆる人間工学的なデザインがまったく無視されています。
そのことについては仕方の無いことですがやや不満です。
それは重量と側圧の関係はすべてデタラメだと思っています。
私の音響環境は、音像はJBL4343ですが、音場はB&Oです。
私の音響哲学では、音像と音場が必ず二つは必要です。
今では技術は残っていませんが、
ヘッドホンの駆動方式は「エレクトレットコンデンサー型」、
これが最適であり、それは私の過去の作品=商品でした。
残念なことは国産のヘッドホンが海外製のモノマネは許せません。
そして、結局、ヘッドホンアンプが問題になってしまうわけです。
でも両耳だけですからこの趣味は辞めるべきだとは思っています。

「バイノーラル録音・本当の耳音」
HR-710
HR-810
HR-910


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「カーオーディオはもっと進展するはず」


   


     1月 17th, 2012  Posted 12:00 AM

おそらくもう車も生涯では今の車が最終かもしれません。
そう思いつつも人生最後の車種はこれにしたいという願望はあります。
先般も、友人デザイナー達と夕食をしながら、
最後にはどの車に乗るか、乗るべきかという話で盛り上がりました。
基本的には工業デザイナーは
すべからく「車」には人並み以上の欲望があると思ってます。
ところが最近、工業デザイナー志望の若者には、
「免許すら持っていない」という話もあります。
カー・カメラ・オーディオ・オートバイなどというのは、
工業デザインを志望する者のどうしても
物欲とデザイン嗜好の対象だったはずです。
ということもあってか、
車そのモノはデザイン対象にしてきませんでしたが、
男の子として乗りたい車には乗ってきたと思います。
一時は4台所有していたこともありますが、
今、たった1台=ベンツのSL500だけです。
ベンツのSLはSLKからSLも3台目と乗り継いできました。
私の場合は、車椅子ゆえに制御系を改造してありますが、
これも日本では独特の規制があって、
海外仕様には出来ないという不満があります。
いつか本当のことを書きとどめないといけないとすら思っています。
そして、車はある種「局部音場」ですから、
オーディオ空間としては車そのものを改造しています。
特に、iPhoneやiPodの時代になってからは、
FMで音を室内にFM音として飛ばして聴くことが可能になりましたが、
そのカーアクセサリーがなんとも進化していません。
だから、すでにいくつかのアクセサリーを使用し
それがすべからく試用になっています。
ようやく現在落ち着いているのは、Belkin TuneBase FM Liveです。
しかし、満足しているわけではありません。
いづれカーオーディオからカーナビもすべからく
iPhoneのように変貌するでしょう。
そうなったときには、カーオーディオも進化すると思います。
ただし、この場合、車のオーディオシステム、
特にスピーカーシステムそのものが変革する必要があると考えています。
たとえば、
今乗ってみたいと思っている車種のオーディオが変更になりました。
それはカーブランド・カーイメージそのものを
台無しにしていると評価しています。

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「ヘッドホン選別の私のポイント提案です」


   


     12月 23rd, 2011  Posted 12:00 AM

Aurex時代に、ヘッドホンを
商品アイテム追加の企画をしました。
エレクトレットコンデンサーユニットで
ヘッドホン製品化です。
と同時に、手探りでヘッドホンデザインに取り組みました。
そしてAurexでは最も成功した商品展開になりました。
私にとってはプロになって最初にもがき苦しんだ経験でした。
人間工学として身体装着性、特に、頭部や耳殻周辺を学びました。
これが眼鏡フレームデザインの基礎になっています。
耳殻周辺の血管系とリンパ系を図解的に記憶しましたが、
博士号を取得してから、人体(死体)解剖で実際に確認もしています。
だから、ヘッドホンはどうあるべきかの私見を
明確に持っていると断言できます。
ベロシティタイプ(密封型)と
オープンエアータイプ(開放型)がありました。
以後この種別は進化してハイブリッド化したと思っています。
人間工学的には、自重と側圧の関係があります。
自重とはヘッドホン自体の重量です。
側圧は両耳への装着圧です。
この関係が意外とメチャクチャな設計が出回っていると判断しています。
この関係は自重と側圧は1:1か1:0.8が局部音場を耳殻周辺空間になります。
ヘッドホン自体、高額なモノは30万から数千円までの幅がありますが、
ヘッドホンをHiFi装置として
自分のパフォーマンス性で決定すればいいと考えます。
私自身は30点余り聴き比べて、現在愛用しているのは、
B&WとB&Oとを使い分けています。
両製品の徹底批評も心には持っていますが、私はデザイナーだから、
私自身のデザインが出来ればそれを書くことが出来ます。
さて、B&Wはクラッシックとボーカル、B&O はロックとジャズ系です。
これはそれぞれの音圧能率性能の設計ポイントが商品性になっています。
具体的には75dBあたりから90dBの音圧分布が
オープンエアー性能を決定づけるのです。
耳殻装着感覚に直ウレタン系と縫製ウレタンパッドの側圧が関係します。
したがって、自分の耳殻周辺音場づくりは
ヘッドホンの選別が決め手だということです。
そして、ヘッドホン選別は店頭では
耳に押しつけて試聴していてはわかりません。
耳に押しつけるのはベロシティタイプで試聴していることになります。
ともかくヘッドホンでHiFiを楽しむポイント探しが
オーディオライフなのです。
これが私のヘッドホン選別のポイント提案です。

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「アクロバット演奏ゆえに試聴可能」


   


     12月 13th, 2011  Posted 12:00 AM

子供の頃から、何かにとりつかれるとついつい、
やり終えないと本来のことが出来ません。
その癖は未だに直っていません。
試験の前日だったり、今だと仕事の締め切り前だったり、
医学研究科での講義内容を整理するのに、
自分の研究の整理が相当あるにもかかわらず、
ヘッドホンの試聴のためにはフランツ・リスト。
そう思い込んでしまってから聴き比べを辞めること不可能。
Franz Lisztは1811/10/22-1886/7/31を生きました。
彼は1800年代中頃の作曲家でありつつ、
彼を超えるピアニストはいないとまで言われた音楽家。
なにしろ、アクロバット演奏とまで言われた、
「見る演奏」、まさに今のロックコンサートであり、
それは「リサイタル」という演奏形式は
彼が創り出した形式説があるほど。
したがって、彼作曲の演奏はかなり困難ですから、
ヘッドホンの再生において、
私は四つのポイント試聴をすることができます。
ピアノ曲であるために、低音から高音までの音の動きです。
この音の動きはテンポの再現性をヘッドホンに求めてきます。
つまり、ヘッドホン駆動部の音のキレが局部音場だけに
直接頭部内で響きます。
リストゆえにクラッシックの音域で確認すれば、
それはそのままロックやジャズの再生の基本につながっています。
だから、リストの曲は試聴用としてぴったりなのです。
最も代表的な「ラ・カンパネラ」のスタートですら、
もう十分に「音の再生の動き」が確かめられます。
今、結核の遺伝子検査からワクチン接種を、
シリンジ開発の事例としてのプレゼン準備は
予想以上に資料がどんどんと増えてしまいました。
この資料を傍に積み上げながらも、今のところ、
これが決め手のヘッドホンだろうと思いつつ、
ついついリストの曲を聴き比べてしまいます。
このブログを書き上げることで、
一応、リスト離れをしたいと思って書いています。

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「資本主義からの逃走」
  「ヘッドホン開発で覚えたことはその局部音場音響」
  


   


     3月 6th, 2011  Posted 12:00 AM

最小限のオーディオシステム
大学時代、私のオーディオシステムは最小限。
2chのオープンリールテープレコーダーと、
ヘッドホン(トリオ=現・KENWOOD)だけでした。
下宿生活では、学生にとってはシステムが最もシンプルで、
最良のHi-Fiを実現できるシステムだったと思います。
大学時代には、そのために各社のヘッドホンを4年間聞き比べていました。
そのことがプロになって音に対する滋養になったと思います。
東芝入社と同時にAurex担当になりました。
そしてたまたま、当時の音響部門では、
エレクトレットコンデンサーの技術が世界的にも先行的に評価され始めていました。
最初はカートリッジ開発からの商品開発が進行していました。
そこで、私はヘッドホンとマイクやイコライザーアンプなどの企画書提案をしていました。
ヘッドホンのデザイン開発経験
特に、ヘッドホンほど忠実にHi-Fiが可能になる再生機器はありえないとすら思っていました。
当時のヘッドホンでプロ用はSENNHEISERとKOSSがトップクラスでした。
学生時代に憧れ、いつか手に入れたいブランド製品でした。
しかし、その頃は重量が300gでした。
エレクトレットコンデンサータイプにすれば薄型10mm厚が可能であり、
軽量化を目標にすることができました。
そして私が商品化できたのは150gでオールプラスチックSR-710という普及品と、
SR-1000というマニア向けは、やりがいのある製品開発から商品化でした。
今、150gというのは考えられませんし、
ウォークマンからiPodの登場まで30年余りの進化が、
現代のヘッドホンにはあるかというと私は懸念します。
しかし、音質構造的には最近はドイツでのベンチャー企業が
新たなヘッドホンでの再生技術開発をしています。
ヘッドホンは局部音場であり、本来、音源の録音もバイノーラルが理想的です。
したがって、デジタル音源のエンコードには、
バイノーラル性が付加されてもいいのではないだろうかとさえ思っています。
ヘッドホンは今なお、各社の音響確認を趣味にしていますが、
ヘッドホンという頭部に装着するモノとして、この製品デザイン経験は、
メガネフレームデザインに連続しています。


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