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『資本主義からの逃走』
    「情報空間の再定義と新定義をはじめたい」


   


     10月 18th, 2010  Posted 12:54 AM

情報化革命・情報革命
20世紀は、大変な時代だったと思います。
二度の世界大戦後は、大きな反省もしましたが、
今度は資本主義と社会主義の対決、冷戦が世界を覆いました。
ようやく、この冷戦も終わったかと思ったら、民族闘争、宗教対決が始まりました。
この背景に加えて、環境破壊が進行し、地球上の人類その存続すら危ぶんでいます。
そのようなことをひきずりながら経済体制での大きな転換が起こっています。
私たちは、20世紀直前に、大きな技術革命に巻き込まれました。
コンピューター・パソコン・ネットワーク・インターネット・ユビキタスなど、
冠詞化されたり、述語化される革命に直面している日常空間の中に生きています。
私たち日本では、それを「情報化革命・情報革命」と認識してきました。
情報空間という呼称
私は、こうした革命の環境を「情報空間」と呼んでいます。
それは、「何が情報で、情報が何で、そうして日常性に大きく関わってくる情報環境の空間」、
そんな意味を私は含ませたいと考えるからです。
「情報空間」とひとまず呼称すれば、
現実の日常性から、将来への理想的な夢や希望の空間を創り出せるかもと自分に期待するのです。
「情報空間」は、自分に限らずもちろん、人間、人類、世界を包含する空間になると考えます。
そこで、あらためて「情報空間」を詳細に分別したり、熟考していくことで、
この空間での情報をもう一度検分することがデザイナーの職能義務だとさえ思います。
再定義と新定義への衝動
つまり、「情報空間」そのものを進歩させ、この空間と人間・自然・人工物、
さらには、過去=歴史から、未来づくりの基本を見つけ出したいと願うからです。
たとえば、敗戦後、日本の情報空間がどのように形成され、
現実、どんな問題を抱え込んでいるのかも再確認しなければならないという衝動があります。
この衝動は、日増しに拡大しています。
だから、なんとか、「情報空間」の再定義を試みて、さらに新定義を見つけ出すことが、
問題解決かもしれないというイメージが衝動とも同居しているからです。


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