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『資本主義からの逃走』
   「デザイン対象としての空間に出逢う」


   


     10月 8th, 2010  Posted 2:29 AM

音響空間から情報空間へ
「空間」という言葉が包含している内容に近づきたい。
多分、デザインという言葉と同値で「空間」を
私は生涯携えていく生き方を選んでいるのでしょう。
私が「空間」を最初に意識したのは、「音響空間」からでした。
美大時代に主任教授から、
「川崎、結局お前は何をデザインしたいんだ?」と聞かれました。
ともかく、当時は、「見えないかたち」をデザインすることがあるのだろうか?
クラスメートの大半は、カーデザインや住宅産業をめざしていました。
そして、家電や精密機器は、当然ながら代表的な就職先だったのですが、
車と工業用住宅に人気が集中していました。
私には、音楽と光、つまり音響機器と照明器具がなんとなく浮かんでいました。
結局は、音楽と照明を組み合わせるそんな「空間」デザインでした。
ようやく、「環境」という空間意識にデザインが組み込まれようというような動きがあったのです。
私を虜にしていたのは、クセナキスという建築からコンピューター音楽、
レーザー光線での今で言うインスタレーションでした。 1970~1975年頃でした。
ともかく、主任教授は、「東芝へ行け」という命令一言でした。
それが、結局はCG=Computer Graphicsの世界にまでやがて拡大していくのです。
「音響空間」=音場と音像、
そして音響生理学を東芝の総合研究所で故・K医学博士の所長にたたき込まれたのです。
「空間・形態・形体・多様体・次元」に出会っていくために、
私が、学ばなければならなかったコト、その言葉に出逢います。
「投影・反射・透過・屈折・吸収・回析」でした。
おそらく、これらは今ではパソコン上でのアプリケーションで十分に、
パラメーター的な操作も全くいらなくなりました。
しかし、私はカナダ・トロントでこうした言葉とともに、「空間」を意識することになるのです。
現在、「情報空間」を探っています。
来週の講義は、Media IntegrationからMedia Allianceで「アンビエント・アフェレーシス」です。


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