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『3台目のICD、その手術経過』


   


     11月 2nd, 2018  Posted 12:00 AM

2018/10/10に私は心臓の手術をしました。
正常なリズムを失った心臓に電気ショックを与え制御する医療機器、
ICD=植込み型除細動器の入れ替え手術です。
もちろん投薬治療で不整脈を抑えてはいますが、このICDの管理のもと
交通事故由来の私の心臓病とともに生きていけるのです。
丁度、前回の手術から8年目ゆえに取り替え=電池の取り替え時期でした。
当初は来年初め頃と思っていましたが、9月中旬に、
不整脈からICDで大きなショックを受けました。
このショックは失神してもいいくらいの衝撃でしたが、私は2回耐えました。
翌朝に阪大でICD内のデータを確かめましたが、ICDは初期化していました。
機器の動作確認が困難となり、すぐに手術を決めました。
初期化しているエビデンスも見当たらずで、手術をしてICDを取り出し、
これを米国に送るしかないとなったのです。
2006年、阪大に赴任したときには、心臓の発作から名古屋市立大病院に
入院中で病院からヘリコプターで、それも大好きなユーロコプターで
阪大病院へと移送ということになり、とても興奮していました。
ヘリコプターで、起き上がりたいと2人のドクターに言ったら、
「何を考えているんだ」と私はえらく叱られました。
しかしちょうど病院からの離陸を
名古屋大(今は東大)教授の友人がカメラに収めてくれました。
それから1台目が5年間、2台目は8年目、体内に埋め込んでいました。
もちろんこの間、機器自体様々な進化をしています。
2年前にはデザイナー・ユーザーとして京都大と京都府立医大のドクター達、
この米国の製造メーカー日本法人に呼ばれて講演をしました。
それからも私自身、プロダクトとしてのICDに不満があり、価格も
1台目当時400万円、2台目が440万円でありコードが16万円でしたから、
阪大の循環器系は私を米国に売り込みましたが、
日本では制度として、生産と制御が出来ないのです。
残念ながら日本では手を出すことができない対象が他にも随分あります。
私には電気回路も分かるし、循環器系で博士号もあります。
航空機のように制度を超えて、デザインを日本人がやってほしいのです
アメリカの友人がICDのデザインを手掛けていたこともあり、
日本人ならさらなる改良や革新ができると話ています。
今回の機器寿命想定は9.8年ですから、
8?9年間は心臓は大丈夫かも知れません。


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