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「絶対認識の喪失は自分の中の闇」


   


     8月 11th, 2011  Posted 12:08 AM

人には生きている自分。
誰でも絶対認識している現実感、
これがあるはずです。
しかし、私にはこの絶対認識、
そして現実だろうかという想い。
これは「歩けないこと」を未だに認めていないから、
私によぎる想いだと再確認をしています。
これは大きな不安感でしょう。
だから私はなるべく簡単に考えることにしてきました。
「川崎和男は二人いる」と考えます。
ただしもう一人「歩いていた私・川崎和男は居ない」、
こんな風に今ですらそう思い込むことで、
この不安から逃れています。
夢の中で、「車いすを探している自分」に出会います。
あれっ、歩けないはずなのだから、
車いすはどこにある?・・・という感覚です。
もう記憶でしかありませんが、
こんな感覚に苛まれた経験は、母を失ったとき、
この時には、母はもう居ないのに、
あの部屋には居るはずだけど、
もし居なかったら、死んでしまったのだから、
あの部屋を開けることは絶対にしないでおこうという、
これも絶対認識を喪失した不安という自分の「闇」です。
歩けなくなってからすでに随分生きてきたはずなのに、
未だにこの「闇」に自分は引き込まれます。
私は、絶対認識の喪失感覚は、個人に潜む「闇」です。
おそらく、今なお被災地の人たちは、
悪夢の中にいるはずです。悪夢という「闇」でしょう。
そして、この悪夢をどこかで分担し、
共有しようという通常のこれも絶対感覚があれば、
人は「自分には何ができるだろう」と自責します。
現地にともかく出かけたボランティアの人には、
この感覚があったのだと純粋に考えることにしています。
今日、この4ヶ月自分を追い込み熟考してきた結果をプレゼンしました。
チームには、教え子もいます。
彼らにも「こんな仕事ができること」、
それは「自分に何ができるか」って自問したとき、
デザイナーというプロフェッショナルだから、
デザインというツールで、この「闇」に立ち向かえる。
そんな話をしてきました。
これからこの企画を具現化していくことになります。
そしてこの絶対感覚では揺るがない自分確認が必要です。
これを「ブレない自分」と言うことになるのでしょう。
チームのみんなへ、
これからMATRIXを埋めていく作業開始です。
MATRIXは「闇」を整理する一つの手法です。

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