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『ゲームコールセットの信用と信頼にある価値』


   


     11月 11th, 2016  Posted 12:00 AM

水鳥や小動物を呼び出すための呼び笛です。
10種類の「音」をドイツでセットにした「ゲームコールセット」。
多分、米国のアウトドアショップで手に入れたモノです。
果たして、それぞれの呼び笛の音がそれぞれの動物に適応しているとは、
正直には試したことはありませんが、「価値」が備わっていると考えます。
あらためて「価値とは売り手が隠しもっている値段のことが原意」です。
自分は価値とは次の三つで成立していると定義しています。
 ● 好ましいコトやモノ
 ● 望ましいコトやモノ
 ● 信頼と信用されているコトやモノ
以上のように考えることが出来ます。
問題は、信頼は出来るけれど信用はされていないこと、
信用は出来るが信頼はさせられないこと、
このいずれにも価値という効能性は存在しないということです。
ゲームコールセットと名付けられているそれぞれの呼び笛は、
カラス、ウサギ、鳩、カッコーなどの鳴き声を笛で呼び出して、
観察をしたり写真撮影をするのです。
このゲームコールセット(フーベルタス)は、
信頼された鳴き声が信用されているという価値があるということです。
万一、その鳴き声が実際の動物と一致しなけれは、
信頼と信用が無いから、好ましくも望ましくも無いということです。
自分のデザイン価値観には、このゲームコール、それぞれの音が
いつも耳鳴りしていることを想い出します。

* 『「場のちから」の「ば」と「ち」にあるデザイン』
* 『セシウム除染もデザインが深く関与すべきだ』
* 『モノ真似防止、他のデザイナー作品は暗記すべきだ』
* 『サスティナブルであるための原意と欠落点』
* 『最高級品=最高価格であるべき万年筆の登場の意義』


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「1964年15歳だった。2020年71歳時に見られるだろうか」


   


     9月 9th, 2013  Posted 12:00 AM

2020年オリンピック・パラリンピック開催地は東京。
真夜中から明け方まで、TV報道を見続けてしまいました。
プレゼンテーションを見届けて発表の瞬間を撮りました。
この国難、福島原発事故は汚染水の大問題を世界の不安材料とし、
開催地国家への不信感を高めていました。
被災地の方が、とてもこの機運とは別世界にいるという発言は、
私には身につまされる思いにさせられました。
それでも、オリンピックが決定したことは本当に幸運でした。
人生にはやはり喜怒哀楽がこれほど巡り巡っていること。
3.11で私たちは哀しみのどん底に落とされ、
しかも、その後の復興では国民の思想も2分されました。
しかし、私は、この開催地決定が明確に「景気」になるでしょう。
プレゼンを成し遂げた、アスリート、高円宮妃、首相、都知事と、
主体者であった委員のチームワークは素晴らしいものでした。
彼らがプレゼンに込めた願望の下敷きには、
3.11以来、アスリートたちやスポーツの効能性が、
「復興」の大きな力になるという認識を共有していたのでしょう。
人間には、「感激・感動・感謝」という感性サイクルがあります。
そして、感激と感動を最も効能を与えるスポーツと、
勝利を獲得するためのアスリートたちが、
必ず、応援に感謝するこのサイクルの効能性を私は、
デザイン・デザイナーにも好ましく・望ましいことだと思います。
私は「価値」というのは、好ましいこと、望ましいこと。
この定義を語ってきましたからこの決定は「価値」だと思います。
少年の頃、オリンピックがあったことを思い出します。
おそらく、自分の人生でもう一度開催されること、
これは、国難の哀しみに対して大きな喜びであり、楽しみです。
今、確かに不確定で不安極まりない時代、その社会にあって、
スポーツが成し遂げる力をこれからの7年間が過程でしょう。
そしてこれからの7年間こそ、国難脱出の機会になるでしょう。
「危」険を体験した「機」会こそ、「危機」でした。
その解決の大きな一つのきっかけの一夜だったと思います。


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