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「国難は商機でありえず・政商たちの妨害」


   


     7月 18th, 2011  Posted 12:00 AM

「政商」という言葉。
ラング=辞書的用語に至らず、
未だにパロール=会話用語定義のみ。
山路愛山の定義があります。中略しますが、
次のような記述が残っています。
「民業に干渉し、人民の進まぬ前に国家先ず進み、
世話焼と鞭撻と、奨励と保護とを以て・・・・
日本国政府が自ら干渉して民業の発達を計るに連れて
おのずからできたる人民の一階級あり。
仮りにこれを名づけて政商という」。
こうした連中が登場したのは、明治維新の頃であって、
しかし政商と呼ばれるも以後財閥形成の中心人物も存在。
彼らは政治的権力によって私財を保有しつつも、
その私財は「文化」形成に私財全額を投機しました。
江戸時代の豪商ともやや異なっています。
さて、現在国難状況にあって、
特にエネルギー問題に対して現政権維持を賞賛しつつ、
士気無き都道府県首長から首相までを、
自社商機として巻き込もうとしている者を国難政商とし、
私は軽蔑せざるをえません。
彼の自然エネルギー論を支援する集団も私益確保であり、
明らかなハゲタカ集団でしょう。
太陽光パネルでもって、国土を自由勝手にすること。
田園風景の破壊、田園の開発反故に日本の伝統無視、
ところが、本業たるインフラも自社で開発進化怠慢、
ユーザー負担は大きく、そのインフラ整備も出来ず、
しかも私はそのユーザーという忸怩たる思いありです。
他国原発は絶賛しその電力と結束する厚顔さに呆れます。
この二枚舌なる論理を使い分けています。
大震災と原発事故後に、多大な窃盗事件が大頻発。
これは福井大震災時に「条例」という法律制度が生まれ、
取り締まりが強化されましたが、かような政商こそ、
大窃盗団だと思わざるをえません。
このように政治にすり寄り、
自分企業の利益確保の前提に世論形成を謀る経営者、
この登場を阻止するべきでしょう。
被災県知事の毅然たる支援断り態度には全面感動します。
にもかかわらず、マスコミと現政権は、
まさに政商にまで寄りついていきます。
国難を商機とする現政権の倫理性の欠落こそ、
この国難脱出をも破壊しようとしているものと断言しておきます。

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「何が制度設計かが大問題という要認識」


   


     4月 18th, 2011  Posted 12:00 AM

制度という言葉は便利です。
あたかも制度設計には理想論が有るようです。
これは大誤解であり、制度設計は現実主義です。
つまり、制度というのは
「切り捨て程度具合の決定」です。
法規的には「切り捨て」ルールづくりが制度設計。
したがって、制度設計はある意味では、
冷徹な「切り捨て主義」が根底だと理解しておくべきでしょう。
しかし、今回の大震災はもとより原発の安全運営に対して、
その制度設計は「住民切り捨て」での原発立地制度でした。
私の原発反対理由はここにありますが、
それでも「原子力技術進化」以外は空想エネルギー論です。
自然エネルギー論は空想であり、
技術エネルギー論優先主義です。これはいづれ展開します。
さてあらためて、わが国の憲法にも、地方の条例にも、
災害に対する「制度設計」はあったのだろうかと思います。
条例という制度もその原点は、大震災でした。
福井震災時の治安非常時に、
GHQによって県行政での緊急な法整備が「条例」という
地方行政独自に法定・法律決定ができるという制度です。
現在、被災地に仮設住宅を建設するにも、
市町村が場所の選定を行い、整地作業が義務になっています。
整地に関して、その人件費は国費になっていますが、
整地作業や建機手配は市町村の責務になっています。
さらに建設予定地所有者地権者の全了解をえなければなりません。
しかも、その市町村行政は県行政の検閲によって、
インフラ=水道と送電が決定され、その費用は市町村税だとか。
被災地その早急な復旧は緊急でなければならないと思います。
ところが、復興ではないことに制度が立ちはだかっているのです。
まさしく、これまで確かにわが国ほど平和憲法での
完成されていたはずの制度には、こうした国難・非常時の、
いわゆる「制度」には制度内で切り捨ててきたことが露呈しました。
それなら、たとえ「制度」が「切り捨てルール」ならば、
これまでの制度そのものを「切り捨てる」べきでしょう。
この国難の体験での新たな制度設計にこそ、
現実即応の制度設計デザインが当然だということです。
仮設住宅の制度などには、建設業界と政党癒着が確実に、
その制度の中でまだ息づいています。
こうしたことを「切り捨てる」制度設計は建築界には無理です。
あえてプロダクトデザイン界が果たすべきだと主張します。

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