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「2050年までに水問題想定内へ」


   


     7月 4th, 2011  Posted 12:00 AM

まもなく69億5千万人。
来月の世界人口はこれを越えるでしょう。
現在私たち日本人は、
天災という当然想定内を
遙かにしのぐ国難の中に放置されています。
原発事故によって、
本来なら最先端で安全であったはずの技術、
原子力発電は、大津波という想定外で破壊されました。
私は、流氷に乗ったままの白熊を、
講演会などではトップ画面で使うことがあります。
それは白熊は必ず死んでいくわけです。
流氷はそのまま、地球であり、日本列島です。
白熊は流氷に乗ってしまったからには、
必ず死に至ることを多分想定はしていないでしょう。
だから、流氷の白熊は、そのまま地球上の人類です。
日本は電力というエネルギーが死活問題であること、
おそらく地球上で最も切実に想い知らされたと思います。
そして、緊急に「想定内」にしなければならないこと、
それは「水問題」です。
2028年に100億人という想定は間違いでした。
このままでは2023年には100億人を突破します。
少なからず、1949年生まれの私は、
限界を2049年・100歳としましょう。
もっとも、私の心臓はもたないことは明らかです。
そうなれば、私にとってはもはや関係の無いことです。
2050年に音速ジェットで、
ヨーロッパまで2時間が可能といわれています。
確実に私は体験できないでしょう。
それでも、そこに到達するために、
様々な素材開発や新たな造形要素の創出は、
デザイナーとしての義務だと覚悟しています。
そして何よりも「水不足」のこの死活問題を
すでに想定内に入れること、そして対策としての
国際的な「水」確保のデザインスタート時期到来です。

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