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『深紫外線は2016年に阪大で医工+デザインを発表』


   


     2月 8th, 2020  Posted 12:00 AM

連日、ニュースでは「新型コロナウイルス」の報道です。
2016年に、私は「深紫外線消毒器」を発表していました。
当時、すでにアルコール系の消毒が、どこの企業でもありました。
しかし、出入り口などに置かれたそれらは、
積極的に使われて要るモノは全くありませんでした。
工学研究科からの依頼から手掛けていたフォトニクス、
つまり光の科学とその応用展開をデザイン対象として、
そこから生まれた成果を、医学系と一緒にデザインを発表していました。
所謂、医工とデザイン連携によるこの発表会は、
多くのマスコミを迎えて阪大で行いました。
でも、「王様のアイディア」的な発表になってようでした。
それこそ、今ではマスクが大量に不足していますが、
欧州ではマスクをしたアジア人が毛嫌いされているようです。
日本では、報道でも灰色のウイルスがアイコンになっていますが、
海外では、この図表にあるモノが発表されています。
「深紫外線消毒器」の発表を急がなくてはいけません。
この論文も実験をもとにした結果を踏まえて学会には、
2016年には発表してあります。
フィルターと充電器で、使い勝手が多用途になってきました。
商品化を急ぎます。

* 動物実験
* 深紫外線
* 手洗い習慣


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『来年は「子』ゆえ「四十八茶百鼠」を見るのです』


   


     11月 27th, 2019  Posted 12:00 AM

来年の干支は「子」ということで、
鼠色もおおいに席巻するかもしれません。鼠色は灰色とも呼ばれます。
厳密に言えば異なりますが、
私はおおまか日常使いとしては同じと考えています。
日本のいわゆる和色には、日本人の決めた様々な色彩があります。
「四十八茶百鼠」で476色までが現代にも伝えられています。
私が30代に福井に戻った時、空の色はいつも鼠色を見ていましたが、
その時は、二つを発見しました。
私の色相や彩度、明度は、子供の時からどうしても
この空の元に育っているので
自分がつくる色ではその明度を上げることを意識しました。
それから、一番びっくりしたのは「利休鼠」の存在です。
それこそ、この「利休鼠」は背景色として、
画面での文字や写真を最適に表現することができるのです。
ちょうどカナダのトロントで訪れたデザインスタジオの
コンピュータのデスクトップや
プレゼの背景色に目に優しいということで、
この色が使用されていました。
来春の「子年」には、もっと鼠色を確かめたいと思います。


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『セザンヌ、ベラスケス、そしてゴヤ』


   


     10月 28th, 2018  Posted 12:00 AM

私は美大卒で最高だったこと、
水彩画がおそらく自分ではプロ級だと自負しています。
しかし、油彩には一度も接したことがありません。
その中で「曇り空の元では色彩、それも灰色がしっかり読める」という
セザンヌ自身の言葉はとっても大好きです。
私自身は北陸で育ち、北陸の空の鼠色から逃走しましたが。
さらに、ベラケラスでは「自分も絵に登場し、しかも依頼人を鏡で描いたこと」、
これが私の現代画の入り口になっていると思っています。
そしてここまで自伝的な文章での「ゴヤ」はなんと言っても私の座右の書です。
自宅のガレージの書庫にはいつもあります。
この書は、著者が20年ものスペイン滞在し、
日本人の描くイメージ、スペイン=情熱を変えてしまったのです。
実際にはとても高緯度であり、情熱の国と言われていましたが、
それは日本人のイメージでしかないのです。
ゴヤは宮廷画家になるまでは、様々な手練手管をはかり、
敵を決してつくらないなどをあらゆる手段を実行しました。
そうして彼はとうとうに宮廷画家のトップになってしまうのです。
もはや誰にも文句をいわれないこの宮廷画家の立場で、
とんでも無い芸術の画面を創り出してしまいます。
やっと画家が本来の人間の醜さ嫌らしさまで描きあげました。
画家がジャーナリズムを創るというゴヤの芸術は、
画家の社会的意義をも創出したのです。


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「最小限スケッチツールが最小限の存在理由」


   


     2月 19th, 2012  Posted 12:00 AM

マーカースケッチはこれだけが最小限。
アイディアスケッチしか今はもう描きません。
レンダリングを描く根気はもう無いというのが正直な告白です。
さて、デザイナーにとって「スピードライマーカー」は、
それなりの技術をトレーニングにしなければなりません。
美大時代から東芝時代に自分を鍛え、また鍛えられました。
素材感や材質表現もマーカーテクニックで描き分けができます。
ところが、もうすでにこのマーカーは商品として消滅しました。
だから、灰色(クールグレー・ウォームグレー)と、
残っているカラーマーカーも買い占めました。
しかし、もう私の在庫も限度になってしまいました。
今は「コピック」になりその色数から種類も膨大で随分進化しています。
「コピック」の種類がこれだけ多彩で多様にありますが、
最小限だけの色彩とペン先チップも最小限、
これを自分の手になじませることが重要です。
ただ、私の手は「マーカー」で鍛えてきたので、
「コピック」は再度訓練が必要だから、
また私の手にその感覚をと最近思っています。
もうMacやiPadで十分にスケッチが描ける時代ですが、
それも教育者としては、マスターしています。
30度・60度三角定規は、指先で回せるぐらいが最適。
「ぺんてるのサインペン」これ一本で、0.6、0.3、0.1を描き分け、
そしてマスキングテープとカッターナイフは必需品。
グレーは、クールグレイC1・C3、ウォームグレイ W1・W3
そしてブラックB100。
背景ブラックは油性のマジックインクマーカーであるべきです。
これが私の最小限なアイディアスケッチ用具です。
このところ、若いデザイナーはPCで3Dスケッチを描いていますが、
やはり、スピードライマーカーは、
紙の上で速度感をコントロールできれば発想も立体化し、
3D造形形態を描き出すことが出来るのです。
ともかく、マーカーを走らせ、
スタイラスペンまでのテクニックが
デザイナーであることの最小限の条件です。
結局、最小限のツールがデザイナーの存在性証明につながっているのです。
このスケッチ技法を実演しながら、学生やスタッフだけでなく、
企業内のデザイナーたちにも会議が終われば教えています。
ともかく、マーカーテクニックもすべからく教え、
伝え残しておきたいと思っています。

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