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『忘れるなかれ、デザインは正面にあらず』


   


     7月 9th, 2014  Posted 12:00 AM

このテーマは二度目ですが、もう一度書かざるをえません。
最近の4Kテレビ、そのデザインを確認していても、
正直、デザインの力量不足甚だしく低いと評価します。
4Kテレビの実装性では、液晶フレームがほとんど無くなるほど、
狭額縁液晶ディバイスになりましたし、省電力性も向上しました。
それならば発熱性解除という問題には、デザイナーの発想が
とても魅力的な問題解決が叶ったはずですが、
テレビ背面デザインは全く進化していないようです。
私は発熱性の低減には、技術より造形言語=デザイン意図を深く、
込めて、素材選定や発熱拡散により、内部実装を守れるはずです。
しかし、そうした創意工夫が無いことに落胆し、再度記述します。
私のデザインでは、正面性と同等に背面スタイリングでの
性能性を重視し、放熱口を皆無にするために全面をアルミ素材とし
コードマネージメント=各種コード接続のカバーは、
プラスチック重量で、万一の落下にも対処するデザインをしました。
アルミ素材で発熱を空気接触のみで発熱防止拡散をしています。
背面には唯一、リモートコントロール収納だけを残しました。
性能性補完をデザインで支持し、結局、その造形言語は、
形態言語として、背面の存在性=効能性も確立しました。
おそらく、未だに背面では、発熱性・防音性・コード処理だけが
機能性であり、この形態言語が商品の価値性を決定しています。
私にとってもこのデザイン言語=造形言語と形態言語こそ、
自分の造形力を技術基盤にしたものと今でも自負出来るものです。
私自身、テレビやモニターデザインの経験がありますから、
その視点=どこからどこを視ているかは明確に商品価値が分かります。
だからこそ、敢えて、現状のテレビは背面ですら進化していなくて、
単なる狭額縁やスタンド設計をデザインと呼ぶことは不可能です。
あらためて正面性も額縁デザインから解放されるべきであり、
再度、背面デザインを進歩させるべきと提案しておきます。

『技術革新以前の問題解決=デザインがある!』


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