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『KK適塾に医師であり教授であり作家・久坂部羊先生』


   


     12月 23rd, 2017  Posted 1:00 AM

2017年歳末を目の前にして、ようやく「KK適塾」第一回目を開催。
もはや聴衆の皆さんは顔なじみが増えました。
おおよそはプロのデザイナーたちが多いのです。
今回講師をしていただいたのは、大阪大学の招聘教授であり、
医師であるながら作家とし、「破裂」や「無痛」という
医学系ドラマの作者でもある久坂部羊先生でした。
個人的には、久坂部先生とは阪大の大イベントだった
「医の知の未来』適塾175年・緒方洪庵没後150年」で共に講師でした。
その時、私は橋本左内を語り、先生は医師でもあられた父上の死を、
あまりに見事に医療問題として語られました。
今回、まったく画面も使わずに「病気になっても早死にしてもいい生き方」。
PPK=ピンピンコロリというキーワードでした。
さらに、誰もが生きていたいという欲がありますが、
治らないならどう諦めて死を素直に受け入れること。
早期癌発見って何?
癌擬もあるかも知れない?
生検での転移そのものがあるかも?
などなど、医療技術の進化は私自身が毎日体験しており、
私自身、身体障害者1級、心臓障害者1級で、
来年は3回目の除細動器埋め込み手術を受けます。
そういう意味では、理想的な死は毎日考え、
3度重篤状態での臨死経験もしてきました。
おそらく、今も医師であり、何が医療で、その医療を行う医師たちの
いわゆる権威権力闘争を内部告発のごとく小説化されてきました。
私はデザイン界にも、現代社会の中では、
デザインの長所短所、制度化する権威主義は
小説化されていないほどとても遅れた職能だと思っています。
なんと言っても、治る病気は治すが、治らないなら治さないとか、
本当に安楽死なんてこの日本では難しいこと、
病院には行かないという重大決心の実際などを聞かしていただいた話でした。
そうした中で、私はこれまでの「コンシリエンスデザイン」を、
アンケートからもその実務そのものを僅かながら紹介しました。
次回は来年の2月2日に、いわば仲間である東京藝大の若手教授の話です。

* 『芸術工学からコンシリエンスデザインに』
* 「除細動器埋め込み入れ替えより生還」
* 『東京藝大からの二人の講師を迎えて「KK適塾」』
* 『いのち・生きること、命は与えられたもの』
* 「『医の知の未来』適塾175年・緒方洪庵没後150年=大阪大学」


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