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『油断してはいけない「薪」へのデザインを』


   


     2月 2nd, 2017  Posted 12:00 AM

日本は資源の乏しい島国国家です。
だから貿易国家で存続していくことが宿命だと思います。
そのことは言葉=漢字に表意あるいは象形に表れているのです。
たとえば、「油断」には二つの意味がありました。
精神的に身構えることの無い状況と、
文字通り石油を手に入れることが出来なかった。
これこそ、敗戦国家に追い込まれてきたことに繋がっています。
おそらく日本の少子化と高齢化での
国民の大問題はエネルギーへの油断です。
私はエネルギーを水・食料・電力と考えてきました。
とりわけ、油断を警戒しなければならないとするなら、
それは新しい電力エネルギーを
日本はもとより地球全体が解決するべきことでしょう。
その応答・回答・解答に、私は「薪」があると考えています。
私が提示している「セルロース戦略」そのものであるとともに、
古来日本人が薪から黒炭や白炭、
薪炭としてきた大きな知恵=silienceであったということです。
私はこのことを「カーボン戦術」とし、
しかも「薪」周辺を基幹産業化する未来創成の
デザイン戦略戦術として提示しているのです。
ともかく「薪」への技術は
それこそ間伐材のチップ化とペレット化があります。
薪を白炭や黒炭にしていく手続きこそ、
とても重大なことだと考えています。
何にしても電力エネルギーを島国日本では石油などありませんから。
だとするなら、終戦直後にも炭は求められていました。
その記憶をとりもださなければなりません。
チップ化したり、ペレット化した木材の炭化=カーボン戦術には、
新しい技術デザインが必要なことは間違いありません。
特に、除染されていない間伐材のチップ化・ペレット化・炭化こそ、
この領域にインダスとリアルデザインは不可欠だと確信しているのです。

* 『電力の自由化と電気の自由化があります』
* 『最も重要なエネルギーとしての「水」』
* 『忘れた頃にを想定内に!』
* 「現代の道具・LSIのやり直し」
* 『匿名的な知恵=silienceである』


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「お月様が見ているよ・・・性善説の人にもどるために」


   


     11月 15th, 2012  Posted 12:00 AM

放火事件。
私の父は刑事でしたので、こんな話を子ども心に響いた経験があります。
小学校の女性事務員が、使い込みをしていました。
調査が入るという前夜に、彼女はまだ赤ん坊の娘を背負って、
銭湯帰りに、石油と蝋燭を持って家庭科教室に忍び込みました。
そして教室の畳の上に、石油をかけた新聞紙束を置き、
さらにその上の蝋燭を灯しました。
蝋燭が燃え尽きると、新聞紙が燃えだして、
家庭科教室の畳に火がついて学校全体が火事になるという時限装置でした。
彼女は、その企みを仕掛けて校庭を横切るとき、
彼女の娘が、言いました。
「おかあちゃん、お月さまがずーっと見ているね」、と。
彼女は、ハッとして振り返ると、学校はすでに火の手が上がり、
消防自動車のサイレンが遠くから聞こえだしていました。
結局、彼女はそのまま自首したそうです。
この事件を父は担当していて、私に一部始終を聞かせてくれました。
「悪いことをしていても
お天道様やお月さまが必ず見ているということだ」。
私のきもちには常に、
子どものとき聞かされたこの話が重石のごとくあります。
現代の日本人は、
性善説の人から性悪説の人間に変わってしまった気がしてなりません。
日本人同士が騙し合い、
損得「勘定」だけがそれこそ「感情」にまで直結していると思います。
断言しておかなければならないことは、
日本人の気質自体が
性善から性悪に逆転していることを猛省しなければなりません。
その基本は、お天道様やお月さまがいつも見ている、
という子どもだましのような話かもしれませんが、
このことへの信頼と信仰が不可欠です。
お月さまには、ウサギが餅をついているのです。
もっと単純明快な感性で太陽も月も受け止めることを
忘れてはいけないと考えます。
お天道様やお月さまに恥じない正道を
私たち日本人は生涯歩むべきだと考えます。
私は会話をかわしながら、この人は「性善質」の人格がある。
この人は絶対に「性悪質」のゴミだ、と判断することにしています。
ようやく、選挙になりそうです。
ゴミたる人間を議員にするべきではないでしょう。
お天道様とお月様に護られている人間に政治を任せたいものです。


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