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『デジタル・カーニングが無いというアナログの「知」』


   


     1月 23rd, 2019  Posted 12:00 AM

東芝で多分、総研で「Aurex」が決まった時に、
当時、デザイナーは、東京芝浦電機の「意匠部」でした。
1年間、研修していた私にも提案が伝わり、私の案を出しました。
そこで、ディレクターが、私の案を採用しました。
他の大手広告代理店には絶対に負けないようにと、
このマークやロゴタイプをデザインしました。
丁度その頃には、ビデオテープでこれが入る看板までやりました。
美大で学んでいたとおりに天地60mm直線表示で曲線はプラスαなのです。
特に、レタースペースは、髪の毛一本分=ヘアーラインに注意。
以後、私はこのレタリング方式をデジタルでも「知として」使っています。
だから、アナログ方式にはカーニングではまだまだ経験値が必要です。
それこそ、オリンピック・パラリンピックは直線と曲線には、
ヘアーラインが全く考慮されていません。
現代のデザイナーには、レタリング知識の「知」が欠落しているのです。
ところで、大手広告代理店では数億のデザイン料でした。
そして、私はシェーファーの多分2〜3万の万年筆で終わりました。


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『若き日、「東京家具見本市」で二人は学んでいた』


   


     7月 18th, 2017  Posted 12:00 AM

フローリング、あるいはフロアライフというのは、忘れられていますが、
あのライフスタイルは福井県の当時は小さなインテリアメーカーだった
マルイチセーリングの背もたれだけのソファーから生まれたのでした。
そのメーカーの小林社長はタケフナイフビレッジで活動開始の私に、
ソファーデザインを任せるだけでは無く、
私提案ながら、「東京家具見本市」全てを委ねていただいたのです。
私は人間工学を東芝時代にヘッドホン設計以来、疑問だらけでした。
同時に車椅子のための身体保持にはなんとしても椅子やソファーの知識、
そのデザイン設計が必要でした。
ともかく見本市会場で最大のブースに
「TONTON」というこの椅子を高さ違いで、展示したのです。
商品としては、一段二段三段だけでしたが、
ブースには銀色パラシュート素材でいわゆる華美絢爛さを演出しました。
ソファーテーマは「休息」でした。
気づいたのは休息が最も持てない人達、それは兵士たちでした。
彼らに休息を与えるには、
カモフラージュ柄の軍服を脱いで砲筒を曲げて、
戦闘不能にすれば休息が来る。
この椅子はまた丁度New Yorkのブルックリン(犯罪多発地)都市計画で、
インターナショナルインテリアセンターが完成し、最初の椅子展では、
世界各国から「新しい椅子」が厳正に200点集められて、
私の「TONTON」は日本代表の展示4点(少ない)の一つになったのです。
しかも最終選考に残ったことで、渡米しましたが、発表は、
New Yorkの親友彼の「プールチェア」、悔しかった思い出があります。
私はマルイチセーリングで、東芝時代に鍛えられた
見本市ディレクションを発揮ししかもソファーを学んだのです。
マルイチセーリングのあの最大のブースには、
当日、雨が降り、コウモリ傘を預かるコーナーまで出来ました。
それは東京支店長だった高島氏のアイディアだったのです。
来場者は、全てが見本市会場では最大の紙袋を持ち、
それにはマルイチセーリング文字入り、
そして雨傘を預かるというのは、
以後も見本市でのブース設計では当然の仕掛けになりました。
高島氏が事業開始時は小林社長が後押ししていたと聞きました。
東京家具見本市では彼の存在は、他の社員を引き離すオーラがあり、
コンパニオンガールは福井で3日間研修までさせた展示会でした。
若き日、私も高島氏も本当に懸命に、商品のあり方や
興味を持ってもらうことを時代感覚で学んだ大きな思い出です。
現小林会長には二人とも今も感謝をしています。

* 「ヘッドホンから始まりました・・・」
* 『哀しみのためから楽しみのための電動車椅子開発へ』
* 『HUSATとInternet of Medical Thingsのデザイン言語 』
* 『なぜ、私がヘッドホンにこだわるのか』
* 「わが国の展博・コンベンションデザインは遅れている」


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『始めてオーダーをしてみる+NIKE ID』


   


     8月 28th, 2014  Posted 12:00 AM

先般、韓国チャンシンINCから、阪大の私の研究室に、
デザイン発想法の研修申し込みが届きました。
発想に関わる手法ならば決めてもらったことで、ということになり、
引き受けたところ12名ものメンバーが来てくれました。
最初、英語でしたが、スタッフにいる韓国人にすべて通訳となり、
英語・韓国語が交差する面白い交流ができました。
私からのテーマは「図解発想=DIAGRAM DEVELOPMENT」を出し、
事例は質問に合わせて、沢山の質問を受けながら進めました。
私はマインドマップ法などは全く意味無しと考えていますから、
「図解発想法」は相当に練り上げた思想からの発想手続きです。
いづれ教科書をと考えている一つです。
彼らの日常ワークはナイキ等を主体にしたシューズデザインでした。
シューズだからといって偏った装飾的なファッションデザインでなく
彼らにとっては、問題解決の発想だったことは全く正解でしたから、
この発想法では、ブーレーンストーミングなどの無意味さも指摘。
発想手法は、これまでのデザイナー経験では相当にあると思います。
彼らからは、私とワイフにシューズをいただきました。
ワイフはとても喜んでいて、それで思い出したのです。
2001年、Gマーク審査委員長の時にグランプリ候補だった、
NIKE IDのオーダーシステムを自分のシューズ発注をと考えて、
最も最先端シューズ、新素材構成をMacでやってみました。
この手続きはとても分かりやすくて、注文をしました。
受け付けました→生産に入りました→・・・と連絡が来ます。
審査時には日本人ならではの発想でしたが、もう15年も前に、
オーダーシステムは出来上がっていたのです。
おそらく、これから3D-Printingとの関係はこのネットワークです。
発注で試行錯誤を楽しみ、生産と受取までの交流が可能なことです。
私は、この方式は本当に素晴らしいと思っています。
そしてその時には、どうもChromeOSが最適な気がしてなりません。

NIKE iD


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