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Posts Tagged ‘社会的存在’


3月15日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     3月 15th, 2022  Posted 12:00 AM

3月15日 友引(丁卯)

『統合としてのデザイン』

企業の
社会的存在の同一性を
見事に表現するには、
「統合としてのデザイン」の
知性を
デザイナーは
主導しなければならない。

artificial heart:川崎和男展


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『電動車イスの効能的制度設計からの性能・機能デザイン』


   


     4月 9th, 2016  Posted 12:00 AM

車イス生活を余儀なくされて、僕は車イスをデザインしました。
結果、その車イスはMoMAはじめ美術館やデザインセンターに
永久収蔵され、自分が最も必要とする自助具を自分でデザインし、
しかも車イスデザインのあり方を二つ決定しました。
一つは、走行性能と身体保持性能の両立です。
もう一つは性能決定による必要重量の機能化です。
しかし、すでに僕の障害では「電動車イス」が必要な事態になっています。
最近の車イスの技術進化は様々な性能・機能のモノが登場していますが、
僕には車イスデザイン設計での大間違いを発見しています。
健常者が「腰」で運転しても無意味です。
さらに、重量は20kgが限度です。重量設計を間違えれば、
性能は勿論、効能=社会的存在の意義がありません。
現在の僕の電動車イスは、ワイフによってカーボンファイバー風と
シートをやり直しています。が、まだ不満足です。
そして何よりも電動車イスは社会的な制度上の問題が山積しています。
僕の経験では、飛行機搭載の問題がありますが、
これは米国では1990年「障害をもつアメリカ人法」=
(Americans with Disabilities Act of 1990 ADA):
包括的障害者差別禁止法という
効能的制度が不整備という問題があるからです。
したがって、コンシリエンスデザインによって、
この対象である「看医工学」の実務形態設計と
制度設計があるということで、一つの代表目的にしています。

*『最近はリチウム急速充電の電動車椅子に乗っている』
*『これは最適ではない・誤った車椅子対応車輌デザイン』
*『チュッパチャプス武器論・戦術結果は「効能」成果#3』
*『あらためて自転車を!、車倚子の私から』
*『車イスデザインのための文脈づくりに気づく』


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『「KK塾」の対談と質問はイニシャルで方向決定』


   


     11月 4th, 2015  Posted 12:00 AM

「KK塾」スタートは米国から、すでに大阪大学招聘教授である
濱口秀司氏の講演と私との対談、観客からの質問により、
予定時間を大幅に超える熱気の中で行われました。
講演内容は、林信行氏が、
会場から同時間のままSNSアップをしていただきました。
この実況があったためか次回参加者の申し込みが殺到しました。
したがって、ここでは私が彼との対談や観客への回答を
記述しておきたいと思います。
私からの対談テーマというか質問は、
IoTの今後、特に人工知能の可能性でした。
私は彼のプレゼンテーション映像や彼が認知している、
特に彼は「Bias的手法での成功例」や、
阪大親友・石黒教授との合作である2体のロボット会話、
その会話に、人間が加わるだけで、
2体ロボットには、全く人工知能化はいらないことを説明。
そこで、私の持論となりつつある「人工知能無理説」、
つまり、DNAと神経がロボットに実装されない限り無理を
人工心臓デザインの実際や、エボラ出欠熱がRNA破壊など
そうした実例での人工知能の無理説、無謀論を述べました。
人間細胞を決定している遺伝子=DNAはすでに解釈されていますが、
DNAを制御しているRNAを破壊するエボラ出血熱は
ほとんど医療治療は不可能です。
これは100億人を地球環境がとても支えられないことへの
自然淘汰なのかもしれません。
濱口氏の回答は明解でした。
ともかく仕事としての問題があれば最適解を必ず出しますという姿勢。
これこそ、私がデザインを学術性と芸術性を統合出来る能力者、
こうした次世代を大阪大学大学院の私の講座、
「コンシリエンスデザイン」で育成したいテクノロジストです。
そのお手本がまさに濱口秀司氏でした。
観客からの質問は二つに集約できました。
濱口氏は「ともかく練習・訓練が必須」でありその方法論紹介でした。
そして、私にも向けられた質問は、
自分の提案が拒否された場合は?でした。
これは私がデザイナーとしての40余年間の生き様でした。
私の提案が拒否されたなら、
「拒否する人物の社会的存在そのものを総否定する」ことです。
この意見には濱口氏も賛同をしていただきました。
理由は簡単です。
私はデザインからのイノベーション定義こそ必要と考えます。
イノベーションの提唱者であった
「社会階級論」著者・シュンペンターは、
革新ではなく、コンバイネーション(独)、
「新結合」でした。
これこそ、コンシリエンスであり、
これも18世紀の造語であり、対語であったレジリエンスを
現在の大学機構、特にデザイン系大学では
この教育が無いことです。
だからこそ、
私は「KK塾」でも一般的な認知論を開講したのです。
次回からこの講演レポートを配布します。

講演実況 by林信行氏*http://togetter.com/li/893475


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10月1日
川崎和男のデザイン金言 Kazuo’s APHORISM as Design


   


     10月 1st, 2015  Posted 12:00 AM

10月1日 友引(庚戌)

企業の社会的存在の同一性を見事に表現するには、
「統合としてのデザイン」の知性をデザイナーは主導しなければならない。

In order to express the social identity of a company,
designers must be intellectual enough to create “integrated design”.

『artificial heart:川崎和男展』 統合としてのデザイン


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『資本主義からの逃走』
   「ビジネスモデルはビジネスデザインモデルに」


   


     11月 20th, 2010  Posted 12:00 AM

モデルは5つ
「ビジネスモデル」という言葉が流行っています。
しかし、私はこの言葉は流行語であって
意味は浮ついたままだと評価します。
実際は、このビジネス=経営+モデル=対象選定と
その理論と考えるとわかりやすいと私は思っています。
すぐ軽薄にビジネスモデルを吹聴するベンチャーには大きな落とし穴があります。
それは「モデル」ということの詳細を見つめていないと経営は必ず破綻します。
デザイナーにとってみると、モデル=模型です。
模型というのは、次の5種あると分別すれば理解しやすいことを提案しておきます。

   ■ 単純化モデル・単純化しただけのイメージ再現
   ■ 構成化モデル・構造や構成だけで印象化できる
   ■ 近似化モデル・とても似通っているイメージ
   ■ 相似化モデル・近似よりも相似型で十分
   ■ 同型化モデル・ほぼ同じ印象を持てる

以上の5つのモデルはなぜそれを対象としているかという考え方=論理が必要です。
まして、経営モデルですから、「収益性」の「裏付け=論理」です。
利益(profit)+ 利得(benefit)
現在、景気が悪くなると、「収益性」の独占化が平然となっていることです。
つまり、「収益性=利益(profit)+ 利得(benefit)」であるべきです。
そして、profitは労働対価であり、benefitは社会還元対価することです。
これが本来のビジネス=経営=社会的存在につながっているはずです。
しかし、profitだけを自分たちの収益であって、
社会還元=納税や社会貢献などbenefitなどはこの不景気にはありえない、
という考え方がまかり通っていることです。
倫理性+美学性=benefit
私はbenefitには倫理性や美学性を社会的に具現化する論理だと考えています。
したがって、profitは自分たちのビジネスモデルだから独占するけれど、
とてもbenefitなどの余裕は無いのだから社会還元はできない、
という考え方に落ち込んでいることを指摘してかなければならないでしょう。
つまり、ビジネスモデルというのはもはや壊れてしまっているということです。
そこで、私はデザイン(美学性+倫理性)をプラスさせるモデル化を
「ビジネスデザインモデル」と呼んで提案したいと考えているわけです。
そして、最も注目しておいてほしいことは、
モデルのコンセプトづくり
モデルには5つの分類があるというのは、モデルのコンセプトづくりに、
単純化・構成化・近似化・相似化・同型化を持ち込んでいくことです。
そのためには、文系的発想と理系的発想が必ず同等同値でからみついているということです。


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