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Posts Tagged ‘禁断症状’


『「禁断症状」を知らしめてくれた灰皿』


   


     5月 3rd, 2017  Posted 12:00 AM

Accent on Designに私の作品=商品が展示されることになったのは、
New York SOHO Garally91で、
福井の伝統工芸、打刃物、和紙などの展覧会で評価を受けたからでした。
「川崎さん、何してるの早く会場に」、
「えっ、なぜですか?」
「CNNがあなたに会いたいと、灰皿が話題よ」
結局1時間後に会場に行くと、これを説明してほしい」と。
ようやく米国では禁煙が開始し出した頃でした。
SYMPTONSという商品名は、禁断症状を意味しています。
タバコが吸いたくなっても、灰皿孔の上のボールを移動しなければ、
これは一端吸いたくなっても玉をつまんで考えさせるというモノでした。
ともかく、下手くそな英語で懸命に答えました。
それが放映されると会場では、この展示コーナーが話題の中心になりました。
それからは著名なメーカーの社長たちと会って、
私の作品の商品化を話合いました。
メーカーでは、自分のメーカーブランドでというのがあり、
絶対にメーカー名を二つ、それも日本メーカー名を最初にと言い続けました。
「OEMでも・・・」というのは全部断りました。
試作をメーカーでやってもらいましたが、
何と言ってもその当時に鋳物に石目塗装は「タカタレムノス」だけでした。
断然に日本の企業、タカタレムノスが優れていました。
私はt低レベル製造を一切拒絶し、それは今も全くブレていません。
その頃私も禁煙をなんとかしようと考えていました。
自分での紙巻きタバコを造ってみても、
それは素早く紙巻きが出来るようになったりでした。
そこで、この灰皿となると、
2つの灰皿孔では駄目、それで3つの灰皿孔でも、
結局、この灰皿で禁煙は出来ず仕舞いだったのです。
それでこの灰皿デザインでは、
デザインをともかくし続けることをしないと、
自分自身がデザインへの禁断症状になるということになり、
もう車椅子での生活も40年になりました。
禁断症状はデザインをし続けることを学んだことでした。

* 「日本のProduct Desigerを日本から」
* 『資本主義からの逃走』*「酒とタバコとゆで卵」
* 『タバコ・喫煙再開せず』
* 『伝統工芸産地を補助金漬けから開放し法律の改正が必要』
* 5月6日Staff Blog


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『資本主義からの逃走』
   「多次元な音響空間はプロクセミクス」


   


     10月 13th, 2010  Posted 12:31 AM

オーディオシステムの空間
いつも禁断症状のように、
自宅のオーディオシステムを一新したくなります。
今、真剣に考えているのはCDを整理して、
もうCDでの再生はやめたいと思っています。
LPレコードも、5000枚程度持っていましたが、今は50枚だけにしました。
カートリッジも、整理しましたが、
それでも時々やっぱりあれは持っておくべきだったと思うのです。
そして、このブログでもJBLやアンプジラへのアクセスは必ずあります。
自宅は、JBLやB&OとLINNで構成しています。
基本は、「音像」と「音場」づくりにこだわりつつも、まだ今の自宅は不全です。
「音像」は名古屋時代の方がましだったかもしれません。
5.1chでの映像と音場は、これ以上はきっと許してもらえないから一応納得しています。
Media IntegrationからMedia Allianceへと、このところ講演テーマにしています。
だから、音楽ジャンルも変更してきているようです。
かってはオーディオ専門誌に連載を持ちましたが、
その雑誌の商業主義=広告クライアント批評(非難ではありません)がバッサリ無断で削除、
当然、私は辞めました。
さて、私は幸いにもオーディオ機器のデザインやそのシステムからデザインに入れました。
「音像」・「音場」は多次元空間
「音像」と「音場」は、明確に多次元空間への入り口です。
音や音楽を聴く場=音響空間、さらに、音や音楽との生理性=身体空間は、
プロクセミクス=proxemicsという距離という物理的な次元と同時に、
身体認識という多次元な空間だと考えてきました。
簡単には、人間同士であったり、人間と物・もの・モノとの距離認識です。
私が、重要だと思っているのは、
このことを直感的に決定してくれた人物を数人上げることができます。
そうして重要なことは、そうした人たちが、
音楽家、数学者、画家であってそれらを混在させることができました。
しかし、これは融合=学際化にはいたらなかったことをまとめ直したいと思っていることです。


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『資本主義からの逃走』
 *「酒とタバコとゆで卵」*


   


     10月 10th, 2010  Posted 12:00 AM

Flag, Mother, and Apple pie

「Flag, Mother, and Apple pie」というフレーズ。
これは、アメリカ人の誓いの言葉と言われています。
国旗とお母さんとアップルパイ、これらが米国への愛国であり、
自分存在の自愛から他愛への決意だということです。
私は、一人っ子でした。だから、私が米国風のフレーズを「父」に向けると、
「酒とタバコと、そしてゆで卵」になります。
お酒は、高校に入るともうOKでした。ただし、夕食時に父の相手をさせられました。
まず、ウィスキーのオンザロックでした。決して水割りは飲むなと教えられたのです。

Ballantine’s 17

そして、「バランタイン17年」でした。
父は、ともかくウィスキーはそれなりのモノでなければいけないということで、
私への酒に対する鍛え方をしてくれたのだと思っています。
最初は、「こんなものが美味いわけがない」とすら思いました。
幸い、父方も母方も酒は上戸系で、まったく「強い家系」でした。
美大に進学して、酒に強かったことは幸運でした。

Rothmans

タバコは浪人時代に、母がチョコレートを汽車の中でと手渡してくれるとき、
父は「もう、コレにしろ」と18歳でOKでした。これも、「ロスマンズ」でした。
「ただし、タバコをやるなら洋モク(外国タバコ)で、
就職するまでは国産、時々、これは買ってやる」ということでした。
そして、何かというと父はゆで卵をつくって、これを二個持っていれば、
空腹でも2日は大丈夫とか訳のわからないことを言っていましたが、
「ゆで卵は、ごちそうなんだ」というのが口癖でした。
ウィスキーは「バランタイン30年」をいつかはと思いつつ、
「バランタイン・ファイネスト200ml」は出張には必ず持ち歩いていたものです。
就職してからは「ロスマンズ」を、
喫煙どころか、自分がデザインした音響製品のカタログには必ず演出小物にしました。
当時のカタログはヤフーで手に入れています。確実にこのタバコが演出品に写っています。
しかし、車イスになってからは
「酒・ビール」はもちろん「ウィスキー」も美味いと思わなくなりました。
しかも心臓病になってからは、すっかりとやめました。
タバコはなかなかやめられず、「シンプトンズ・禁断症状」という灰皿までデザインしましたが、
心臓病でいっぺんにやめることができました。
海外空港の免税店で、ウィスキーそれぞれの銘柄を見ると父なりのそれぞれの評価を思い出します。父は、晩年は「バランタイン30年」でした。
タバコは父はまったく吸っていなかったので、もらい物を私にくれていたのでした。
ところで、ゆで卵は今なお大好物です。
「酒とたばこ、そしてゆで卵」は、父との思い出であり、
父から教えられた色んなことの象徴です。
70歳になったら
最近、もう心臓のこともありますが、「バランタイン」を飲みたくなります。
さらには、ウォッカの「ニコラシカ(本来はブランデーベースのカクテル)」風に、
レモン一片とわずかの砂糖で飲みきる、そんな夢をみることがあります。
70歳まで生きられたなら、バランタインや葉巻これも銘柄決めてますが、
絶対に楽しみたいと願っています。
おそらく銀髪に近い白髪になることも祖父のようになれそうで楽しみです。


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5月6日Staff Blog


   


     5月 6th, 2010  Posted 6:24 PM

5月6日

名品灰皿
身近では、もはや喫煙者がいません
ので、ヤコブセン灰皿も
小物入れになってます。

「SYMPTOMS」
禁断症状と言う名の灰皿。
1988年の作品。
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)
も当時は喫煙者でしたが、
作品にも表現した強い意思で禁煙に、とは。
本人は、心臓病で禁煙
で、この灰皿さほどでもと自白。


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