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『資本主義からの逃走』
  「大きな空間と小さな空間・ポストモダニズム不要」


   


     10月 16th, 2010  Posted 12:00 AM

「物語り空間」
現代、「空間」の設定は多様に可能です。
私は「物語り空間」ということを設定してみます。
これは多分「大きな物語」と「小さな物語」になぞらえた想いです。
「大きな空間」は地球という空間・グローバルな空間であり、
「小さな空間」は故郷という空間・ローカルな空間です。
幸運にも私には、故郷・北陸に福井県という生まれ故郷空間・小さな空間を持っています。
私は、「大きな空間」と「小さな空間」を対比して考えることのできる次元的な空間論者です。
万一、この対比する空間を持ち得ることができないとするなら、それは不運だと思います。
それこそ、産業経済や政治が対象としている「空間」は都市空間であり、
グローバルに国際空間での資本主義的な「富の獲得・分配・蓄積、そして再配分」に、
経済と政治は呪縛されている不運さは不幸さにまで結びついているということです。
産業・経済・政治から離脱するデザイン
このブログタイトルそのままに表現すれば、資本主義からの逃走というのは、
このグローバル性・国際空間の空間認識、その次元性です。
次元性というのは、経済単位と政治単位からの離脱を私は意図しています。
だからといって、古典的な「無政府状態の国際空間」ではありません。
私の意図の核心は、「大きな空間」・「小さな空間」=グローバル空間とローカル空間を、
産業・経済・政治から離脱するデザイン=創造です。それを求めていくには、
「小さな空間」=ローカルの伝統と文化、取り巻いている自然空間が出発点だということです。
ポストモダニズムからの離脱・やや古くさいが
今、地球環境の保全性や自然環境という自然空間、その破壊の修復がそのまま、
人類の存続に直結していることはすでに私たちは熟知しています。
しかし、ローカルの伝統と文化が蓄積されている「小さな空間」から、
「大きな空間」・グローバルを救済する方法論を見つけ出しているわけではありません。
私は、「小さな空間」が次第次第に拡張や拡大し、
あるいは無限に「大きな空間」になっていくという想像力を大切にしたいと思うのです。
多分、「大きな物語りと小さな物語り」と言えば、リオタールを思いうかべるでしょう。
しかも、彼はマルキストです。
なおさらのこと、「大きな空間」と「小さな空間」は、
ポストモダニズムからの離脱をも私は狙っています。


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