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「17年間という時間は『私・きもち時間』だと思っている」


   


     1月 4th, 2013  Posted 12:00 AM

人間には、
なにかしらをやり遂げるにはそれなりの時間が与えられているようです。
そんな「私・きもち時間」があるということを幾たびか体験してきました。
・鯖江市で社会人向け講座も17年、
・MacPower誌での連載も17年、
・ふるさと福井でのデザイン活動も17年、
・名古屋市大と阪大にて大学人17年間だった。
「私・きもち時間」はそれぞれの活動期間が、
3年、7年、17年、21年が私の時間帯だとつくづく思う。
この17年、
私が心血を注いできた一つに
「PKD=Peace-Keeping Design」という提案があります。
この具体的な製品開発はまだ連続しています。
最初は、経皮タイプのシリンジでしたが、
現在では国内のシリンジ針生産拠点が失われて海外になりました。
だから、経鼻タイプ=鼻からミスト状ワクチン接種のシリンジと、
ワクチンは「結核」に絞り、結核感染の検診も
遺伝子検査を極めて短時間システム開発が終わっています。
なんとしても、今年はその具現化をめざしたいと考えています。
そして、アフリカの子ども向けの栄養状態検査システムは、
糖尿病検診システムの応用が出来そうです。
2004年に、私はPKDというコンセプトを文章で発表して、
阪大に来てから、
具体的なワクチン接種方法や検査システムをデザイン主導で始めました。
それは、阪大の医学史的には、適塾から医学校の系譜があります。
つまり、緒方洪庵が日本で最初の牛痘を幕府にも容認させ、
橋本左内などがワクチン接種を始めていたことからも、
この歴史性を引き継ぐ意義があるわけです。
再生医療や、こうした医療技術へのデザイン適用は、
今後、日本は世界的に
「尊敬される危機管理産業」の一つとして重要課題だと思っています。
それだけに「私・きもち時間」をより短縮させたい思いで一杯です。


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「PKDの途中報告」


   


     12月 6th, 2011  Posted 12:00 AM

1994年にPKD=Peace-Keeping Designを提唱しました。
阪大に来て本格的かつ具体的なテーマが見つかりました。
それは自分が「敗血症」で重篤に陥りましたが、
復帰してきたときあるひらめきがありました。
私はこれを啓示だと受け止めています。
「そうだ、ワクチンだ!」ということで、
研究室はこのワクチンのデザインシステム開発も、
研究開発テーマに加えました。
緒方洪庵=適塾が天然痘を日本で最初に接種しました。
この伝統からでしょうか、医学系研究科の支援があり、
まずシリンジの開発やドライパウダー化など、
次々にテーマは拡大し同時進行してきました。
現実的即効性から将来的な方向も定まっています。
PKD支援のためにiPhoneアプリもすでに5本販売し、
そのわずかですが売り上げをそのまま研究開発費にしています。
ワクチンも「結核予防」に絞り込みました。
さらに、結核検査は「遺伝子検査システム」を、
これまでは1ヶ月かかっていたものを5時間で、
どの結核なのかまでを認証し、
しかもシリンジは、経皮=注射から経鼻ということで、
シリンジは全く新しい造形デザインにすることができました。
すでに、医療機器メーカーでの試作に入っています。
遺伝子を採取するには喀痰と言って、
痰を吐き出させる方法に苦労していますが、
その方法論と具体的なツールなどもデザイン設計が終了。
今年は中国と韓国でもこの開発デザインを紹介しています。
年内完成をめざしてきましたが少しずつですが進行しています。
世界の人口は日に20万人ずつ増加していますが、
毎日5000人の乳幼児から小児がほとんど感染症で、
ほぼ結核感染で死んでいます。
それは毎日ジャンボジェット機が墜落していると考えます。
ともかく、まっしぐらにこの具現化をめざします。
来年には、このシステムすべてを発表できると確信しています。

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