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『パステルカラーの功罪とデザイナーの勘違いは許せない』


   


     6月 30th, 2014  Posted 12:00 AM

パステルカラーというのは、淡い中間色をこう呼びます。
私は、単純には「赤ちゃんカラー」だと言うことが可能です。
厳密には、赤ちゃん=乳幼児の生理的な視覚認識で、
色相評価がまだ育成段階の人間、その生理的な可視光線保護色です。
パステルそのものとの付き合いは、美大時代にはおそらく
徹底的に付き合ってきたと思っています。
私にとっては、絵画表現の絵の具ではありません。
レンダリングとスピードライマーカーとの組み合わせであり、
パステルは、そのまま塗り込めるというよりは、
絵皿に削ってパステルの粉末と溶剤をマーカーと利用していました。
そんなこともあって、パステルもそれほど使わなくなってから、
世界のパステルをおそらくほとんど試して趣味にしてきたものです。
したがって、パステルカラーは、日本には最も中間色帯では、
「ねずみ色」系の中間色には美しい色彩がいっぱいあります。
ところが、西洋的なパステルカラーとなると、それは中間色では
相当に限定されていることと、「流行色」となって、
安易な色彩選定が、とんでもなく氾濫しているのが現状です。
私はこれを「パステルカラーの大罪」だと評価しています。
結局は、デザイナーの色彩選定のセンスの問題です。
鉄瓶や磁器食器などには、見るも無惨なパステルカラーがあります。
これは必ず安っぽい無能なセンスしかないデザイナーの仕事です。
そうしたモノの影響でパステルカラー本来の美学性が消えています。
とりわけパステルカラーなら「売れる」からと言うのは許せません。
そうしたことを行政が伝統工芸にでも応用するなら、
私は見逃すことは出来ません。なぜならば中間色と可視光線保護、
目の生理的な安全安心上でのパステルカラー本来の功が必ず、
見逃されてしまうからです。
パステルカラーには人間工学的な視覚的生理性の安全性が
最も大事なことだと確信しているからです。
パステルカラー・中間色の柔らかくて優しい感覚は保護すべきです。

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