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『烏口の手での制御こそ、モノと人間の関係です』


   


     6月 27th, 2017  Posted 12:00 AM

自宅の近くにかなり大きな文具屋さんがあります。
そのお店で、「からすぐち(烏口)ありますか?」、と聞くと、
「エッ・・・?・・何ですか」
「T定規は知っています・・・?」
「分かりません!」
「製図器具なんですが・・・(?)・・」
「すいません、マンガ描く人のセットなら、あります!」
私こそ、それって何?、になります。
今ではすっかり3D-CADになってしまい私の教え子にも実寸は?その巾だよ、
とかを教えないといけません。
「縮小が五分の一なら、大きさわかるから・・・」、とこんな時代です。
私自身プロのデザイナーとして相当に当時高額だった烏口を持っています。
ところが全く使っていないので、現在捜索中なのです。
烏口の使い方は相当に練習してきました。
2mmピッチでの正円から、図面の清書、
そして私が最も手慣れたのは、レンダリングでのフィニッシュワークで、
ハイライトラインを銀もしくは白のポスターカラーで描き出していました。
私自身2D-CAD「クラリスワークス」の解説本は日本で最初だったはずです。
やがて3D-CADで光造形システムにてのモデリング、
その機材システムを使うために大学人になったのです。
それこそ、ベジェ曲線以前のβスプラインでした。
この原書を米国で手に入れ、名古屋市立大学芸術工学部一期生には、
「数学」の教授に教えてもらったほどでした。
当時のソフトでは4種にたどり着きました。
それらを動かしていたのはいわゆるEWSで
シリコングラフィックスとSUNだけだったはずです。
現在ではパソコンでも3D-Printerに直結している状況です。
やがて脳波とAIやHAPTICSまでが間も無くになるでしょう。
そして大問題は、身体と設計するモノの関係が失われていくことです。
人間と人工物の関係は、やはりモノ – 人間の関係こそ重大な分別なのです。
これは先般、森政弘先生からもしっかりと教えていただきました。
モノ – 人間の関係は、烏口とその手での制御という技能に
絶対に立ち戻るべきだと私は確信しています。

* 『日本で最初のCAD解説本が示していたこと』
* 「『MAKERS』・・・この書籍に誤魔化されてはいけない」
* 『電子ペンのアナログ表現から、AIでのデジタル表示へ』
* 「シリコングラフィックスを使っていた頃」
* 『今年早々、最高の講義を受ける・森政弘先生の仏教論』


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