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『アドバンスデザインでも求めた「ロクハン」』


   


     9月 3rd, 2017  Posted 12:00 AM

「ロクハン」、さてこの言葉を知っている人はおられるでしょうか?
これはマニア用語であり、三つの分野で使われています。
私に無関係なのはウェットスーツで、特にそのフードに関わっているそうです。
私にもうこの世界となると、鉄道のZゲージとオーディオの世界です。
Zゲージは、かってはアナログでしたが、今では大変貌、デジタルです。
そして、今夜説明するのはオーディオ。
「ロクハン聴かずしてオーディオ・スピーカーは語るなかれ」なのです。
スピーカーユニットで口径16cm=6.5インチのモノをロクハンと呼び、
これは製品開発で全くのアドバンスデザインで終わった東芝時代では、
自分デザインでは最高の仕様実装を叶えたモノでした。
自分の作品集には絶対的に残しておき東芝の容認ももらっているモノです。
まず、ロクハンというのがフルレンジ=全周波数:低音・中音・高音まで、
すなわち、もし、スピーカーシステムにするなら、
バッフル=一枚板(表面性を拡大するために屏風スタイル)にこれだけ。
もう一つは、トーンゾイレという、トーンゾイレに縦に3〜6個を取り付ける、
この二つがありますが、自分作では若い頃は、
卒業制作では「コーラル」を使ったほどでした。
バッフルスタイルでもコーラルが最高でした。残念ながらもうありません。
このアドバンスデザインは、スピーカーユニットなら「絶対こうだ」と、
ほとんど会社でも賛同されなくても、説得し回っていたものです。
まず、ボイスコイルの磁力線のためにコイル線や巻き方、
これはJBLは、今も抜群ですが、未来性を引き込むための行動でした。
しかも、エッジ(スピーカーコーンの周囲)や、筐体での鋳物づくりも、
私は独特の手法を考えて、製造企業をこのモデルで説得していました。
東芝マンがこのように飛び回っていたのを許してもらっていた上司は、
東芝退職後も自分起業で今は社長たちです。
私のような勝手なデザイナーを見守ってもらっていました。感謝しています。
この「ロクハン」は絶対に自分デザインでは最高でした。

* 『コンピュータ制御ベッドが示唆していたこと』
* 『「手洗い習慣」をグリップすれば清潔を手にいれる』
* 「デザイン理念は造形言語と形態言語の形素で未来を招来」
* 『メルクリンの世界も私の憧れのコレクションだ!』
* 『人生が回転して再開、懸命だったあの頃』


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「HMDを『スカウター』と呼んでいる・商品化されたモノ」


   


     8月 11th, 2013  Posted 12:00 AM

メガネフレームのデザインをしている私には、
瞳孔距離の設定と顔面から頭部周囲の適合化をねらって、
私のブランドでの製造企業とベンチャー・スカラ社で、
HMDは「スカウター」という名辞をして今も販売しています。
深夜のテレビ番組で紹介されて一時ヒットしました。
この造形であるプリズム反射が今も応用されているモノ、
グーグルグラスなどには大不満が残っています。
つまり、このプリズムと瞳孔距離設定は困難です。
この当時に、「ドライ・アイ」の問題が浮上しました。
モニターを見つめることで、目に負担がきているのは、
青色反応の生理現象以上に、角膜の乾燥が問題なことであり、
モニターの青色よりも、むしろ私は近赤外線の問題があります。
特に、モニターが「プラズマディスプレイ」は大問題が、
総務省も欧州からも問題視されていて、
その頃、欧州は日本からプラズマ輸出に規制をかけました。
結局、当時厳しく批判していた私までバッシングをうけましたが、
すでに、国内企業はすべてプラズマモニター生産は撤退しました。
この当時からすでに商品化してきた系譜を現在生かしています。
根本は、液晶や有機ELなどを光学系にどう実装するかでした。
ようやく、今進めている画像表示は実像と虚像の組み合わせです。
バーチャルとリアル画面を眼前に、
それも瞳孔距離はすべての人が異なっていますから、
位置選択ではなくて、自分の瞳孔距離を自己決定できるべきです。
そういう意味では、この商品化はある段階でしたが、
今でも、自分一人で十分にスマホにある映画は楽しめます。
そして、これもすべてがβチタン製ですが、
顔面装着性能は確実な設計にしています。
これもその当時に工学と光学と実装を眼球にメガネ化しました。
この経験は非常に大きかったと思います。
これまでのプレゼンテーション画面は、
明らかに未来を創出する「統合デザイン」の実例設計です。
こうした経験が、新たな「スカウター」デザインに繫がってます。


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