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Posts Tagged ‘製造方法’


『基幹産業化すべきハニカム構造』


   


     1月 3rd, 2017  Posted 12:00 AM

確認もせずにうる覚えですが、こんな記述があったかと思います。
蜂は優れた建築家を赤面させる構造の家=蜜蜂の蠟房をもっている、
このような記述が、以後にはダーウィンとマルクスの、
自然素材と労働との関係で、学術的な言説を巻き起こしていました。
蜜蜂の蠟房というのは、いわゆる「ハニカム」構造を意図していました。
自分の作品で商品化に使用したのは車椅子「CARNA」でした。
あの車椅子の車輪はアルミ素材のハニカム材を使っています。
実際には、軽飛行機・セスナの羽翼、その製造方法での蒸着接着なのです。
今、「基幹産業」とすべき素材構造にこのハニカム構造を思いつき、
昨年末から私がデザイン案としてこのハニカム構造を追い求めています。
最も、このハニカム構造を何のためにと問われると、
それはまだ告知することは差し控えますが、
これから、日本の基幹産業の大きな一つになることは強調しておきます。
昨年末最後に研究室での実験で、ある素材のハニカム構造ならば、
この実験で、いよいよハニカム構造化の確信を持ったのです。
日本が貿易立国としては、ウィーンの万国博から、
日本製、日本製品、日本の商品を世界に届けてきました。
繊維、鉄鋼の基幹産業がやがて、重厚長大は軽薄短小となり、
バブル経済の崩壊とともに、「基幹産業」を失ってしまったのです。
自分のデザイン活動の基軸がやっとこのハニカム構造に一つの最適解を
見つけ出したのです。
そして、何よりも未だ誰も「基幹産業」を言い出していません。
これこそ、デザイナーゆえに見いだした問題解決だと宣言しておきます。

* 『「哀しみにデザイン」そろそろ車イスデザインを書こう』
* 「資本論が引きずっていることから早く解放されるべきだ」
* 「表現としてのデザイン、その構造」
* 「デザインは問題解決!・この本質の再整理」
* 「*準から外れ始めた日本のデザイン解*」


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『民族の色彩呼び名・?色を万年筆で確認する』


   


     10月 10th, 2016  Posted 12:00 AM

色彩には民族の色彩感が色の感覚がことばになっています。
「白」の色彩呼び名を一番持っているのがエスキモー民族です。
「緑」は確か中東の砂漠の民族だった記憶があります。
日本民族は「?」については世界で最も多く?の色彩呼び名を持っています。
オーディオを専門にやっている頃には、ポルシェブラックとか、
拳銃のガンブラックを相当に知っていたと思います。
無論、布や漆、茶道での陶磁器など日本の民族色としての「?」があります。
自分の万年筆では、新たな「?」が出てくるとその製造方法までを
徹底的に知りたくて、買い求めてコレクションにするとともに
「?」のいわゆる鏡面ブラック=ピアナ塗装からアルマイトなど
その万年筆で果たされた?色の絢爛豪華さから
しっとりとした?色が大好きです。
とりわけ、漆器の呂色や紋付き着物との対比では、「金色」との構成には
たまらない美しさがあります。そういう意味では、
万年筆で試されて、よくこの「黒色」や「金色」との組み合わせは、
自分には、万年筆で成功した「?色」が工業製品では最も製造方法が
一番、加飾手法としては最適なモノだと思っています。
そういう意味ではカメラは、たとえブランドメーカーは無論、
カーメーカーも遅れていると判定できます。
万年筆での「黒色」はデザイナーは知っておくべきことでしょう。

* 『コンセプトから逃走してほしい・・・』
* 「カラーの決定のために・HSB色空間」」
* 「赤と白、すぐに目に付く・・・」
* 「この画家をもっと知らせたい」
* 「欧州の紋章とタータンチェックから学ぶこと」


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『宝飾品を実際に確かめていた頃を思い出す』


   


     5月 18th, 2016  Posted 12:00 AM

オーディオデザインに懸命だった若き日に、
アンプのツマミ設計で「ガラス」素材を試行していた時代がありました。
ちょうど後輩がガラスメーカーのデザイン室にいて
いくつか試作を現場=工場につめて取り組んでいたことがあります。
ツマミと部品、ボリュームなどの取り付けに苦しんでいました。
ようやく、3個ほどの試作を持ち帰りましたが、
技術側も営業側もまだまだ入社間も無い私は両方から苛められていました。
若いときから「売られた喧嘩」と考える私は、
なんとしても実現したくて、「30代以上は口出すな」という気迫でした。
しかし、チーフに説得された生産コストで納得しました。
ガラスを使うという私の狙いが、今、私の車AMに適用されています。
なんとも、素晴らしい仕上がりであり、透明ガラスと機構とは、
透明ガラスの底にはエンブレムロゴが入っていて、
「そうか、ここまでの仕上げが出来るんだ」と思い、
この製造方法を聞くと、これは宝石加工メーカーに別注らしいのです。
その他のキーホルダーや、ジッポーライターのエンブレムも
すべてそのメーカー製ならではの仕上げが出来ています。
工業デザイナーは「高級品の仕上げを知らないから、
覚えてきなさい」と、上司に言われて、
銀座の和光に連日通ったことがあります。
そこでは、若者などがいる場所ではないために、
支配人に別室に呼ばれましたが、事情を話すと、
お店の方々に命令していただき、白い手袋をはめて、
高級時計やライター、そして宝飾品を実物で確かめました。
その支配人は、私のもう一人の師匠だったと思っています。

*『高級店での思い出・銀座で学ぶ』
*『インターラクションデザインの基本は可変抵抗器と指先』
*『物欲によるモノの美と美あるコトへの自分』
*『SZ-1000・私のオーディオ最終作だから』
*『万年筆メインテナンスから見えている現実』


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『伝統の革新は新素材開発と情報エンジニアリングを図る』


   


     5月 7th, 2016  Posted 12:00 AM

一般には陶磁器で一括りにされてしまいますが、
これは明確に素材から陶器と磁器に区別して理解しておく必要があります。
簡単には「陶器」は土器からの古代歴史性があります。
六大古窯は陶器の歴史として、縄文の時代が深く関与しています。
なぜなら「陶器」は土を粘土にして焼き上げた歴史が歴然とあります。
「磁器」の歴史は石の粉をさらには骨の粉を粘土状にして焼いたモノ。
しかし、陶磁器なるモノはありえません。
なぜなら、陶器と磁器になるように土と石それぞれの粉を焼き上げるには、
現代的なセラミックとしての工業技術が不可欠です。
したがって、今、最も注目出来るのは、
手前味噌ながら磁器にプラチナ釉薬での鏡面仕上げですが、
完全にこの製造方法はオープンゆえ、
あたかも自分たちのオリジナルという盗用がはびこり出しています。
しかし、六大古窯であった越前焼に、素材である青粘土と新技法での
革新的な陶器が若い作家から生まれました。
この越前焼が最高品になる可能性があります。そうするつもりです。
この技法によって、ようやく、デザイン的な解決を
自分の鍛え上げてきたタケフナイフビレッジとの協同をねらっています。
陶磁器にしてもすでに焼成温度の管理は不可欠ですが、
これだけではありません。
新しい素材の応用、技法としての加工エンジニアリングが決め手でしょう。
この革新的な素材開発と情報エンジニアリング、そのデジタル手法を
伝統工芸の伝統技の継承とその革新性に再配置していきます。
それは新デザイナーの登用とともに解決制作をデザインします。

*『有田プラチナ釉薬仕上げ工程デザイン』
*『六古窯・越前焼ー若い才能が復元から再興を始めだした』
*『最高級品・アストバリーの技法を超えるには』
*『陶磁器は進化も革新もしていなかった、私の判断』
*『陶磁器メーカーの相次ぐ倒産はやむなしかもしれない』


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