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「日本の都市構造が壊れていくだろう」


   


     5月 25th, 2011  Posted 1:01 AM

都市要素を三つ上げます。
銀行・百貨店・書店は代表的要素です。
そしてこの三つが消えていくと考えます。
21世紀は「情報社会都市」の進展進化は、
都市景観を変質させています。
そしてこうした代表的要素が、
「情報進展」に追随不能になってきているのです。
銀行は、合併するたびに大型化しますが、
銀行ビルがあれほど権力的威圧性なのは時代遅れです。
都市内にあってほしいのは銀行ビルではなくて、
ATMが街角にあれば情報交換装置は充分でしょう。
百貨店も合併し大型化していますが、
すでに通販総額は百貨店販売総額を上回っています。
百貨店は商店街の代替装置になっていくだけでしょう。
書店もチェーン化してまさに情報販売装置ですが、
都市内での存在は、ショーウィンドーに過ぎません。
レコード店が消え、CDショップが無くなっています。
都市という「まち」は、町・機能と街・機能が変化、
ビル存在や店舗形式が変貌し景観を変えていくのです。
しかも、銀行・百貨店・書店の企業経営者たちには、
「情報化」の進展が読み取れなくなっているのでしょう。
それは、明らかに都市機能と都市文化の構造が、
時代変貌スピードに追随出来ていないことの反射です。
こうした都市要素は、
お金・生活用品物質・情報形式が、
すべからく「情報」が有する文明性と文化性自体を、
大きく変化しその反映として都市構造に関与しています。
しかも都市機能から分断され始めているのです。
コンビニがあります。
ケータイ販売店舗があります。
チェーン化するコーヒー喫茶があります。
町のたばこ屋さんが無くなりました。
八百屋さんや魚屋さんが商店街から消えていきます。
もし、そうした存在が残ったとしても、
それは観光都市機能の景観要素になっていくだけです。
東日本の町・街が全滅しました。
私たちはさらに高密度化する新しい「まちづくり」を
日本全体が創造しなければなりません。
その景観が日本の景気を生み出していくのでしょう。

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