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「HFEとHCDが復興手法の核心」


   


     4月 9th, 2011  Posted 12:00 AM

人間工学という手法論。
Ergonomicsと呼ばれてました。
これは武器設計学であったのです。
「安全」で「効果」を上げる実務学です。
攻撃する人間が安全で確実な攻撃効果が根底です。
しかし、大戦後にこの英国発祥学は、次段階になります。
米国では、Human Factor Engineering=HFEに進歩しました。
人間は必ずエラーを起こします。
これが人災です。ヒューマンエラーを回避し、
安全・効果・健康・快適が設計基準化されました。
さらに進化を遂げています。
そこで特に「安全」であろうとするときには、
自然現象の様々をよく観察し体験からの知恵が不可欠です。
地震・爆発・火災・温度異常・衝突・汚染・感電・放射能等。
こうしたことは想定外のことが起こるということです。
M9.0など誰が想像したでしょうか。
これは本当に自然現象だったのでしょうかとさえ思います。
津波の高さも自然の猛威暴力を示しました。
自然現象の「網羅的冗長性」というのが、
宇宙ステーション設計、の基本だと教えられました。
私は、ロボットデザイン基礎学に、
「安全→安心」デザインと
「安心→安全」デザインを、
Human Centered Design=HCDに手法化することが目標です。
少なくとも、これからの
地震・津波・火山爆発という天災に、
原発事故が加算されてくるとこれは人災になります。
単なるヒューマンエラーどころではなく、
根底からの発想の大転換が必要です。
大規模な原発ではなくて、
原子力工学をもっと「網羅的冗長性」にしていく支援こそ、
Human Centered Designの代表例でしょう。
私は今回の天災と人災から、
HFEとHCDを網羅化、
そして冗長性化した手法開発と具現化をめざします。

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