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『食事前のチョコレートカカオ86〜88%』


   


     5月 10th, 2022  Posted 9:50 PM

デザイナーなので、見た目と見かけを気にかけています。
まずはデザイナーにとっての手はとても重要です。
どんな手で、デザインしているのでしょうか?
指先まで意識が届くよう手入れします。
次に瞳、とは言えないな(だから、まなこ)なんです。
目じゃ駄目であり、ともかく、純粋なまなこがいいです。
目は口ほどにモノを言う、「何してるから、汚い目なんだ」と
行い次第で、欺いていると、まなこに表れてくるんです。
心の濁りで目が濁っている中年、老年にならないよう心がけています。
眼力、見通す力もデザインには必要だから。
そして、見かけ年齢に影響するほうれい線、顔つきは
いい年齢を重ねてきた証として自然で清潔なケアをしています。
眉も目も鼻には孔が二つ、歯は上の歯と下の歯とバランス、
均衡も表情と合わせて美しく見えたり、
不格好に見えたり、生き方が影響したり。
歯は、やはり年齢で、口腔外科的に管理したり、
一般的なホワイトニングで「真っ白い歯」、
きちっと習慣づいた歯磨きと、とても大事で大変なことです。
頭脳で身体を酷使していたのでかつては奥歯がボロボロになり、
思えば今はきちんと管理できています。
そういう経緯で、今はマスクですが、相手の歯を注視してしまいます、
ついつい歯のことを言ってしまうこともあるのでごめんなさい。
と言うような見た目と見かけのために朝食はしっかりゆっくりとります。
「Breakfast」は断食をやめるという意味ゆえに、
地肌に良い栄養が沢山あります。
デザインを考えたり、動画に夢中になった徹夜明けも、
Breakfastをおすすめします。
その食事前にはチョコレートカカオ86〜88%、私の日課です。


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「トランスジャパンアルプスレース・過酷さの美学」


   


     10月 24th, 2012  Posted 12:00 AM

中高大と登山を青春時代の大きな経験にしてきた私にとって、
このNHKスペシャル番組は、感激と感動で涙が流れました。
富山湾から駿河湾まで、
北アルプス・中央アルプス・南アルプス全長415Kmです。
フルマラソン10回・富士山登山10回を8日間というレースでした。
初めて
このような山岳レースがアスリート種目になっていることを知りました。
しかも、優勝しようが何も見返りはありません。
自分を自省した経験だけが自分の内面に残るだけです。
中学・高校時代は福井県内1500m級から白馬から後立山連峰縦走、
大学時代、夏休みは必ず早月尾根から剣岳で、
源治郎・長次郎でスキー、六峰ではロッククライミングと
40日は入っていました。
後立山縦走をして大町に降りるのです。
だから、
この過酷さが身に染みると同時に、「やってみたい」一心が残りました。
トライアスロンをしていた
建築家の友人をうらやましく思ったこともあります。
ともかく、肉体の限界を山岳に委ねて「自分とのひたすら対話」だけは、
どれほど自身を修練させてくれるのでしょうか。
車椅子になって、最も哀しかったことは、
水泳・飛び込み・スキー・ロッククライミング・少林寺拳法が
出来なくなったことです。
ある意味では、
どうして大学までは
そうしたことに懸命な修行をしてきたのだろうかを今なお考えます。
冬の鹿島槍ヶ岳では、遭難一歩手前であり、
源次郎尾根からのアプザイレン後に滑落したときにも、
車椅子になる寸前だったと思い出します。
深夜番組で、日本アルプスの景観だけの番組が大好きです。
特に、自分が登ったことのあるアルプスでは、
あのあたりにお花畑があるとか、
雷鳥はあそこに沢山いたなどを思い出します。
高校時代に買ってもらったピッケルは、
今の時代とまったく違いますが、今なお持っています。
感激し感動する心の回路を十二分にしない限り、
感性は磨くことは不可能だというのが私なりの定説です。
この回路をいつもオープンにしておいてこそ、
「感謝」という感性の仕上げができます。
そして、この回路形成には肉体の酷使が基本なのかもしれません。
もうそのような無理ができない身体になったことは哀しみですが、
それでもこのレースのドキュメントを観るだけで、
参加し格闘したアルピニストの人たちに大感謝でした。


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