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『ブロッター・インクと吸い取り紙の関係』


   


     7月 21st, 2014  Posted 12:00 AM

万年筆は人類の、とてつもない発明の筆記具だと思ってきました。
だから、この進化とともに、この流行を私は追いかけてきました。
筆記具については、「書く」・「描く」という行為にとって、
重大な道具だからこそ、追いかけると同時に収集までしています。
正直、万年筆の選び方、あるいは関心の程度でその人の能力、
なかでも、書き手の筆跡能力が分かります。
私にとっては、生涯、大事にしたい道具の一つだと思っています。
そして、このブロッターなるインクの吸い取り道具については、
随分と調べてきましたが、これはペンとインク、そして筆記具、
この関係のなかでは、大げさかもしれませんが重大なモノです。
また、これに使用する吸い取り紙も、別に規格があるのではないはず
にもかかわらず、世界中で一定なことも不思議です。
ブロッターはアール=曲面で、おおよそ3種類ありますが、
吸い取り紙の大きさが決まっていますから、その中で、
最も小さなモノが、私は最高のモノだと思っています。
万年筆、あるいはペンで手紙を書けば、必ずインクは濡れています。
したがって、吸い取り紙でこの状態で、余分なインクを
吸い取って乾燥させてしまう、ささやかな方策の道具にすぎませんが
インクを使い始めた時から、このモノが発明されたのでしょう。
所詮、このモノ=ブロッターの存在はほとんど忘れられています。
このブロッターの曲面の変化を探し求めていた記述は見かけません。
ブロッターには、銀製品までありますが、私は木製が一番です。
最近のプラスチック製も、どういうわけか、吸い取り紙規格です。
しかし、それでも私は木製にこだわっています。
確かに、銀製品のモノは海外で見かけることがあって、
思わず買おうかと迷うことがしばしばありますが我慢してきました。
とりあえず、今、一番手紙を書く万年筆には似合っています。
私は、万年筆の存在は、必ずこのブロッターに似合っているかどうか
この組み合わせが大きな判断要素だと思っています。

「書くための万年筆の真の意味」
『書き忘れていた手紙に取り組むという癒やし』
『ペン・ボールペン、そしてスタイラス、この進化を追う』


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