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Posts Tagged ‘駅舎’


『もっと豊かな鉄道システムの統括デザインが急務』


   


     6月 26th, 2016  Posted 1:00 AM

ふるさと福井には、月1回は必ず帰ります。
北陸本線は相変わらずのサンダーバード。
金沢には北陸新幹線ということで、金沢駅前は確実な観光地。
比して、福井はすっかり恐竜の街ですが、
福井駅前も、やっと様変わりしてきました。
しかし、寂しい街へとばく進しているようにしか思えません。
私にとっては、この写真でも明らかなように、
プラットホームと列車の乗降は大騒ぎの状態です。
いわゆる国土交通省に乗り込んで、新幹線のホームやり直しを談判して、
その直後に、扇千景大臣が視察をして、
エレベーター設置はその3年後でした。
今では、新大阪も福井も駅員さんとは顔なじみですが、
彼らに意見したところで、改善はされません。
列車とホーム、さらには駅舎、そして駅前は日本国中、
建築計画・列車デザインとの関係も、「デザイン不在」と言い切れます。
今や確かにエレベーターも完備されましたが、
決して、車イスや乳母車優先でありません。
これは社会モラルの問題です。
時に、手ぶらで若者が平然とエレベーターに乗ってこようものなら、
はっきりと、「君は使ってはならない」と言ってきました。
それこそ、モラルの無い中国人とは銀座で大喧嘩になり、
警官数名も止めにきましたが、
明確に、「私たちも中国人嫌いですから任せてください」と言われる始末。
駅の新規改修計画が必然です。
列車も同様にデザインはやり直すべきです。
でも、やっとこのデザインでスターデザイナーが出てきましたが、
見直しの時期だと告発せざるをえません。
おそらく2020年のオリンピックまでに、相当の修繕、
あるいは革新的なデザインは急務になっています。
そして2020年後、この日本、
特に地方都市はもっと「貧しく」なるでしょう。

*『見慣れないのではなくて無視にも気づかない無知さについて』
*『新幹線ホームのエレベーターは再デザイン必要』
*『随分改善された車椅子対応までのエピソード』
*『駅構内エレベーターについて』
*『恐竜の里になっていたふるさと福井』


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『この実例に世の中の無責任でいいかげんさが表れている!』


   


     12月 11th, 2014  Posted 12:00 AM

駅舎の屋根裏に、それなりに機能実装をしていることですが、
まるで、やっつけ仕事であり、
この設計担当者には確実に教育を受けたはずですがやりきっています。
確かに、必要な現代性的技術表現はかなっているだろうし、
ホームを利用している人間も気づいて無視を決め込んでいるのです。
せめて、コード類のカラー表現ぐらいするべきでしょう。
この配線などどうでもいい人間には、無視で構わないでしょうが、
私には許せない。絶対に許せないのダ!と叫びたいほどです。
電柱の電線もこれに等しく、ただ張り巡らせばいい、それが賃金仕事。
それで「構わない」仕事だ、という風潮が間違っていると思います。
この風潮を正すことは、重い仕事だと思っていて、疲れ果てました。
経済とは経世済民を略した、いい加減さがあり、
経営とは、経世済民運営をもっと略して経営なのでしょうか?
いえ、経営とは金儲けの手段にしてしまった貧しさにしたのです。
そんな経営者ばかりが脱税など才能と言い張っています。
貧しさとは、この屋根に取り付けられた配線函そのものです。
日本には、武士道があり、食わねど爪楊枝の真意、極意にまで、
我々が生涯を賭し近づくために生きのびて死を迎える哲学でした。
この哲学に貧しさこそ美学、美学ゆえ貧しさは誇れることでした。
さて、この配線函は貧し過ぎるはずです。これが象徴なのです。
これは「フツウ」なことでしょうか?
フツウが美しいわけはないのです。
フツウの取り違えは、平気で盗作を行います。そんな制度は許せません。
いい加減な連中が、ブームだ、流行だと喧騒化を仕掛けています。
こんな仕事を選ばなかったことは本当に幸運でした。
私は躊躇無く、正視することができます。
正視できる幸運さがあるから、この配線函すら許せません。

『私の大疑問は電力というエネルギーへの不配慮』


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『駅舎もさることながら、鉄道には育たない美学』


   


     10月 5th, 2014  Posted 12:00 AM

あえて私は鉄道の美学と言っておくことにします。
駅にはその土地なりの美しさがあってほしいと思います。
新幹線でも真実素晴らしい電車というのは2台程度しかありません。
だから、まだ昔の蒸気機関車の美しさはノスタルジーで、
美しい形態だったと思うことができますが、新幹線はじめ、
鉄道車両には何の進化も起こっていません。
確かに、プロのデザイナーが起用されていて、
スゴイと報道されていますが、私は全く駄目だと断言できます。
その最大の理由は、未だに駅舎・プラットホーム・電車は、
バラバラであり、特に、車イスで利用するようになってからは、
正直最悪のデザインが蔓延していて、それらはデコレーション列車。
デザインされた列車とは呼ばないでほしいと心から思っています。
頭の悪さを露呈した鉄道スタイルをいつまで続けているのでしょう、
かと、私は指摘しておきます。
これはわが故郷福井の駅舎の天井の骨組みをみると無念です。
悲しくなるほど悲惨な建築構造であり、貧しい智恵足らずです。
夏は暑くてたまらず、冬は酷寒吹きさらしのホームです。
時々、駅舎の建築コンペでは「やっとここまで来たか」と称讃すると
すべてが落選しているのです。何か裏側での商売?政治?ですね。
駅・プラットホーム・列車はトータルにデザインすべきです。
やがて、ふるさと福井に新幹線が走り始めますが、大落胆の列車。
しかも、もしこれが湖西線なら液状化対策なしで大丈夫でしょうか?
いつまで、ホームから列車にスロープで乗り込むのでしょう。
ここに大問題があります。
電動車椅子利用の乗客のことなど皆無な計画だということでしょう。
新幹線、あるいはリニア新幹線の肝心なことは、後部脱線防止です。
そのためには、車体デザイン設計において、唯一の形態確保は、
もはや忘れられているようです。
駅舎と列車をトータルにデザインすること、
それこそ、列車というトランスポテーションの新たな問題解決です。
だから私は怖れずに「美学ある鉄道デザイン」をと叫んでおきます。

「ほんの少し『鉄ちゃん』ですから、言っておきたいこと」


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『最近はリチウム急速充電の電動車椅子に乗っている』


   


     9月 29th, 2014  Posted 12:00 AM

私は交通被災で車イス生活を余儀なくされました。28歳の時でした。
当時、東芝のデザイン部長(電気釜デザインで歴史のI氏)から、
「新しい車イスにはデザインが絶対必要だから君が」と、
言われましたが、絶対にやるものか、と考えていたのは事実です。
しかし、リハビリの訓練中に、これは使えないと考えてから、
結局自分の車イスは自分でやることになってしまいました。
私のデザイン活動には、こういうアイテムが多いと思っています。
自分が欲しいというよりも必要と感じたモノのデザインです。
車イス、メガネフレーム、ナイフ、カップ、そして、
今はICD=埋め込み型の除細動器などや痛くないシリンジが目標です。
さらに、障害者としての制度については、
これは自分の役割だから、先頭に立ってでも発言をしようと。
そのために嫌なタイプに思われても、厳しく提案してきました。
なんといっても、新幹線に車イス乗車が大変に困難な時代には、
陳情したことがありましたが、当時の扇千景大臣がすぐに視察され、
それから3年後にJR全線でのエレベーターが設置されました。
それでも、最近、米国の旅行者の方の車イス仕様は、京都駅側が
「反対」したとか聞くと、見逃すことはできません。
私は月1回はふるさと福井で産地活性にデザイン導入のために、
サンダーバード号を使っていますが、随分と対応がよくなりました。
しかし、電車、駅舎、エレベーターなどにはこれからも発言します。
正直、無念なことは、私デザインの車イスはMoMAにも永久収蔵作品。
しかし、体力的には電動車椅子を使用していますが、
米国のADA法=障害者への社会制度法律は日本以上に厳しいのに、
わが国の飛行機や社会的な交通機関には大間違いがあり過ぎます。
乗車客が居ないときには、こうして車イスを置かせてもらえます。
しかし、これは乗務員の方の柔軟さがあるからです。
エレベーターには平気で若者が乗り込んできます。
海外の先進国では絶対にありえないことですから、私は怒鳴ります。
まったく感情的ではありません。冷静に怒鳴ります。
東京オリンピックまでには、日本はもっと制度改善は必要です。

『パリには車イス対応が最初から叶っていた!』
『エレベーターという発明と社会倫理』
「誤解されたデザイン=デザインは意匠とともに問題解決」


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「ほんの少し『鉄ちゃん』ですから、言っておきたいこと」


   


     9月 4th, 2013  Posted 12:00 AM

『鉄ちゃん』というのは鉄道マニアのことです。
だから、ハッカーというPCネット破壊をする人は、
元々はMIT鉄道クラブの「鉄ちゃん」用語でした。
夜、大学に忍び込んでジオラマを変えてしまうマニアのことです。
私が、ほんの少しだけというのは、収集していたZゲージに今は、
触ってもいませんが、書店では鉄道雑誌を読み、
メルクリン社からは毎月新作のZゲージ案内に憧れています。
この男の趣味はワイフには通じません、とても無念です・・・
なぜ、鉄道が好きかといえば、それは母の実家にあります。
昔は福井には京福電鉄があり、まだ私が幼稚園に行く前に、
新福井駅から松岡駅まで電車に乗ることを覚えました。
観音町でドキドキして、松岡駅で降りたら大声で泣くのです。
必ず、駅舎では私がどこの外孫であるかがわかりますから、
駅舎から母の実家に駅で泣いている私のことが伝わるのです。
そうすれば必ず祖父が迎えに来てとても喜んでくれます。
私は祖父にしがみついてまたさらに大声で泣くのです。
祖父が来ないと、母の実家の使用人が来ます。
決まって隠坊が来ます。
彼らは当時私の家来だと思っていました。
私はすぐに泣くのをやめて、
「なんで、お前や」と言ったものでした。
京福電車で降りた駅(左上)は今では(左下)らしいのです。
京福3000系の電車ほどのシンプルな電車はもうありません。
だから、鉄道マニアの間でも京福3000系Nゲージは高価です。
もちろん、Zゲージに無いことが残念ですからいつか造らせたい。
私には、京福電鉄の運転席の後ろから電鉄進行の景観が好きです。
多分、子どもの頃のこの記憶は今も私の大きな景観論だと思います。
とても不思議なことは、鉄道マニア向け雑誌は今も健在です。
そして、毎回のテーマ、全ての雑誌の企画が素晴らしいことです。
先般、思い切って京福電鉄3000系をインターネットで調べました。
間もなく、京阪電鉄の「鉄道まつり」で敬愛する人と対談します。
だから、京阪電鉄の8058の運転席からの景観を毎晩眺めています。


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