kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘1996’


『「ロボット」概念の拡大はデザインで生命体擬化する』


   


     11月 12th, 2017  Posted 11:00 PM

おそらくこれらが「ロボット」というアイテムです。
パソコンやServeにも一番早く飛びついた私ですから、
勿論、ロボットも私にとってはデザインの主たる対象でした。
名市大にて大学人になった時には、「ロボット」をプレデザインとして、
教育対象にと指示されたのは1996年。
すぐに、名古屋大学のナノテクノロジーとロボットの教授と、
今では当たり前ですが、国立大と公立大の単位互換もやったほどです。
特任教授で阪大(2006年)では、研究対象は、
人工臓器・原子力アイテムとロボットであり「舞」と「踊」も提案しました。
多分、早すぎて私の提案までは時間がかかると思っています。
そして、「アンドロイド」や「音声発語ロボット」にも関わりました。
この経緯から「ロボットデザイン基礎学」の
シラバス作成と依頼ある大学に、その配布もしたほどです。
これらのロボットでは、デザイン=問題解決は根本的に欠落しています。
アンドロイドでは石黒教授とは友人でもあるので、
デザイン=問題解決ということで大納得を受けました。
だから、彼の研究室からのアンドロイドは、ロボットと一線を画しています。
したがって、ロボットという呼称からの逸脱を常に考えてきたことから、
「Normanclator」:ノーマンクレーターとか、Agent:エージェントなど、
これらをヒューマノイドとメカノイドの融合として日本ロボット学会に提案。
要は、デザイン・デザイナーというのは、決定されるのはたった一案ですから、
必ずチーム内でのデザインにおいても自分デザインをトップにすべきです。
そういう意味でも、こうしたロボットには、厳しい評価眼は知見いっぱいで、
なおかつ一家言は必然のことです。まして、デザイン本質の理解無い存在は
明確に批評することは職能義務だと思います。
おそらく、これまでのロボットでデザインされているとか、
デザイン解釈の間違いがあれば、プロのデザイナーとして、
自分デザインならこうするべきと、たとえば形態・色彩・実装は批判します。
プロのデザイナー作品であれば、この批判は非難になってしまう場合も
真にあるかも知れませんが、そうしたロボットは
歴史から消えていくことは間違いないと思っています。
おそらく、AIだ、IoTだ、という時代影響以上のことが、
今後は「ロボット」をそれこそ「レプリカント」や別惑星からの生命体、
もしくは、その生命体擬ロボットも現れるでしょう。

* 『家庭にあるべきロボットの「形態論」と「身体論」』
* 『マンガ表現での瞳表現、そのインターラクション』
* 『漫画・アニメーションにみる日本独自のロボット観』
* 「わが家のロボットたちは健在な玩具なり」
* 『ロボットという玩具?・ロボットはおもちゃか?』


目次を見る

『HMD「スカウター」がようやく製品発表された!』


   


     10月 9th, 2014  Posted 12:00 AM

コニカミノルタは外部から入社したプロデューサーから、
すでにこのHMDのホログラム投影方式は2年前に決定していました。
さて、私が最初にHMDに出会ったのはキヤノンでした。1994年頃。
そしてキヤノンとまだ通産省とでの新会社構想の対象機器でした。
しかし、キヤノンの経営方針からは外されましたが、
ちょうど大学人になったのを機に、私は大学でこの研究とデザインを
進めていました。その時1996年のプレゼンテーションには、
未来の映像化すべき様々な使用シーンが今語られる全てがあります。
そして、増永眼鏡に、あるベンチャーがこのHMDを持ち込み、
その最初からの企画デザインを開始しました。
商品化になり、それなりに隠れた映像機器として販売されました。
それらの提案は米国でプレゼンされて、
特にグーグルで評価を得たという話が私に届いて怒りました。
案の上、グーグルグラスが話題になりましたが、
私にはグーグルグラスの不具合が一杯見えてしまいました。
それこそ、これからはウエラブルPCというブームに対し
その輩に面と向かって、もっと勉強すべきだと言いました。
HMDバカが本当に多いと思っています。
その時には、すでにコニカミノルタでの開発と手術用の実験で、
いくつかの問題解決をデザインで解決を図っていましたが、
世の中はウエラブルPCの喧騒なブームがやってきていました。
結局大きな問題は、発熱問題や画面インターラクションでしたから、
私はフリーランスのエンジニアがこのチームに加わってもらい、
さらに、増永眼鏡でのメガネフレーム設計を頼みました。
一時、グーグルから増永への依頼がありましたが、断ってもらい、
私のデザイン実現を支えていただきました。
まずはオプティカルグラスとしての
基本的な顔面装着性と実装、発熱処理も十分になり、
それは他社のHMDの気づいていないことは存分に果たせたと思います。
本来なら、このウエラブルPCはメガネフレームのシリーズです。
そうしたシリーズ展示などが出来なかったコトや、
まだ、これからの新たなメーリングソフトも出来上がっていますが、
今回の発表展示が出来なかったのは残念ですが、
確実にウエラブルPCの「スカウター」を提示できました。

『HMDを目指してきて・・・』


目次を見る