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『資本主義からの逃走』
   「情報記号・印=サインからトポロジーへ・3」


   


     9月 26th, 2010  Posted 12:00 AM

印・sign=情報記号
Designはラテン語・designareから派生しました。
designare=do+signで文字通り、「印をつける」という原義です。
そこで、「印=sign」をややむずかしく情報記号と呼んでおきます。
その情報記号で、きわめて基本的なモノとして、
プラス・+とマイナス・ー、さらに数字やアルファベットを持ち出したいと思います。
私は、design=do+signと考えると、その基本形態の「印=sign」として、
数字とアルファベットがまず浮かぶからです。
特にアルファベットを取り出し、さらにこれらを図形的に分類することができます。
CILMNSUVWZ、EFTY、そしてDOと三つの分類ができます。
アルファベット文字=アルファベットという印=情報記号の造形です。
C・I・L・M・N・S・U・V・W・Zが、
もし、ゴムでできていれば伸ばせば、一本のゴムになります。結局、Iになってしまいます。
この分類とD・Oは、Iを伸ばしながら両端を接続した造形です。
こうした造形形態の分類を、幾何学でも位相幾何学=トポロジーと呼ぶわけです。
点・線・面への新たな興味
アルファベットという印=記号を点・線・面で見詰め直す手がかりに、
トポロジーって何なんだろうと考えたことが動機でした。
なぜななら、点・線・面は造形の基本形態であり、ここから形体と形態を峻別して、
デザインから「次元」を対象にすれば、
新しいデザイン対象やデザイン手法がきっと発見できると思いついたからでした。
そして、幾何学でもなぜ位相幾何学と呼ばれるのだろうかを知識としたかったのです。
位相幾何学の特色をあらためて整理し、分類し、その性質を情報化するときに、
なんらかのデザイン学理になる、ということにdo+sign=designから見詰め直したいというのが、
私の情報記号=印=サインからトポロジーの世界に入っていった理由でした。


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『資本主義からの逃走』
  「Bit資本主義の「デザイン数理学」へ・3」


   


     1月 10th, 2010  Posted 1:00 AM

e-Management to exponent-Design Management

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Atom的な「モノづくり」がBitなモノへの、
デザインへと必ず誘導するはずという予感があります。
exponentが術語で「指数」だと前述しました。
その代表的な三つの思考算式にふれておきます。
こうした思考を「デザイン数理学」にしたいのです。
新たなイデオロギーは、Bit-Designの具体化で、
経済論から制度論から文化構築の基盤になるでしょう。
「指数」というのは、Axでのxです。
日常的には会話用語として、
「物価指数」や「株価指数」などがあります。

これらは
● ラスパレス算式
● パーシェ算式
● フィッシャーの理想算式、までが生まれました。
こうしたことは、必ず「デザイン数理学」にします。
だから次世代のデザイン教育は、
こうしたことを理解できる資質が絶対に必要だ、
と、確信しているのです。
でも、安心してほしいのは「数学が得意」であるべき
なんてことを私は全く意図していません。
中学・高校の数学ではありません。
あれらは数学ではなくて数学的なパズルです。
数学的な思考を教え・学ぶという環境こそ本当は、
「デザイナー資質を育成する」場であるべきです。
実際には、ラスパレスが算式を考えていた同時代に、
マルクスは、見向きもしなかったのではないかとさえ、私は推察しているのです。
だから、「資本論」は「批判書」としても、
欠落部分が多いのです。


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