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3月28日Staff Blog


   


     3月 28th, 2011  Posted 2:07 PM

3月28日

土曜日、東京青山にある、
GLASS GALLERY 291にて、
トークショーを行った
BOSS(川崎和男, Kazuo KAWASAKI)


店内には川崎の作品も展示。

Ustreamによる配信も行いました。

ご来場の皆様、
本日の為にご尽力いただきました皆様
ありがとうございました。


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「資本主義からの逃走」
  「反原発ヒステリーは、人類の義務放棄」


   


     3月 27th, 2011  Posted 12:00 AM

ヒステリックな対立
「Glass Gallery 291」で講演。
銀座で一泊。
いつもなら週末ゆえに、もう一泊です。
ところが、東京のあの活気が沈み込んでいます。
羽田空港も節電ゆえ、空港ロビーは暗過ぎる。
機上すると、大阪出張も激減とCAの人たちからの話。
新聞紙面では、大きな記事。
「原発か、反原発か」、これから私たち日本人、同胞は二分されそうです。
あらためて、東京の事態でこの国難をつきつけられました。
この対立が日本を沈没へと導いているのだとするなら、もっと悲惨です。
私たちは、私の世代が知らなかった敗戦直後に立ち戻されてしまったようです。
前夜、「朝生TV」の討論を見続けました。
それぞれの意見の対立や激論をただ傍観するばかりですが、
これをすべてが国難と受け止めていながら、やはり、アポリアで立ち尽くしていました。
私の意見、主張は、原発推進と受け取られそうですが、
「原子力技術進化」を「義務」とするべき立場です。
原子力発電所は常に、
バージョンアップとフェールセーフの徹底した維持管理であるべきでした。
おそらく、歴史的に何度も津波災害に立ち向かってきた、
東北三陸海岸の子供たちは、どれほど、避難訓練をしてきたことでしょうか。
ひきかえ、それだけの心構えと安全管理を電力会社は徹底してきたのでしょうか。
電気機器がもし火を噴いたとき海水をかければ、
さらに故障、それどころか爆発するかもしれないというのは万人の常識。
40年前の欠陥品は、放置されたまま首都圏のエネルギーを供給してきました。
無論、このあきらかに原電事故は人災だから、
現在稼働中の原子力発電所の総点検はやってしかるべきことでした。
けれども、国内全ての原電を停止というのはヒステリーです。
代替エネルギーのアイディアもなく、原子力は全廃!は「反核ヒステリー」です。
この原電事故は、日本の事故ではなくて、人類の事故という認識が必要でしょう。
被爆と被曝の表記間違いにこれまで私自身気づきもしませんでした。
えらそう過ぎるでしょう。
日本は、戦災で原爆被災をした人類で唯一の民族です。
だからこそ、原子力技術には大きな義務があると私は考えてきました。
これが、原爆被災した霊魂への真摯な人智的、倫理的な態度だと思います。
「建設」してきた原子力発電所の存在には大反対です。
だから既存の発想転換が私の,デザイン職能としての主張です。
「建設」ではなく「生産」、「ダウンサイジング」・「分散化」、
そしてスマートグリッド技術をよりフェールセーフすること。
これが私の主張です。
講演会は、テーマを変更して、この主張に徹しました。


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「資本主義からの逃走」
  「商習慣を遵守し、そして解放するのは・・・」


   


     3月 26th, 2011  Posted 12:34 AM

私のふるさと福井県。
その鯖江市の地場産業といえば、
最近では認知度の上がったメガネフレーム産業があります。
メガネフレームであって、それは眼鏡の部品にすぎません。
しかし、フレームが眼鏡の商品性を決定しますから、
デザインは商品性決定の大きな決め手になっています。
私はこの地場産業・部品生産にデザイン手法を導入している一人です。
すでに25年以上関わってきました。
様々な工業製品と比較すれば、
部品の部品性、素材性、そして身体・顔、頭部に装着します。
したがって、いわゆる人間工学的な設計は不可欠です。
私の作品であるメガネフレームには、
私の名前がそのままブランドになっています。
一つは、KAWASAKIということで、
それはそのままmade in Japanを明確にしていることです。
さらに、素材と装着感には常に先進性を求めてきました。
ところで、福井県としてこの地場産業をPRするアンテナショップがあります。
「Glass Gallery 291」というショールームであり、
ショップでもあるのです。
ところが、眼鏡業界においての商習慣では、
フレーム製造メーカーは、卸、そして小売りという流通、
このシステムを遵守しなければなりません。
しかも、日本は眼科医の処方箋無し、
小売り店舗で測定してレンズ調整までしてもらえるのです。
この流通システムに一つのビジネス・モデルが介入できました。
レンズ+フレームを店舗で安価に即刻手に入れることが出来ます。
しかも、フレームは中国製が大氾濫しています。
結果、地場産業の大打撃は、そのまま地方都市活力が奪われているのです。
この問題解決の課題を私は、デザイナーとして四方向からとらえています。
福井県眼鏡組合が出店している、Glass Gallery 291では、
これまでの眼鏡業界の商慣習・安価ショップ・中国製に対しての
新たな流通慣習づくりにデザインを関与させるつもりでいます。


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