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Posts Tagged ‘HELP CALL’


「iPhoneアプリ・もう一度知らせます」


   


     10月 10th, 2012  Posted 12:00 AM

PKD=Peace-Keeping Designをデザイン運動化するために、
私の研究室ではiPhoneアプリを開発し、
それをiTunes Storeで販売しています。
最初の動機は、自分の作品でもある壁掛け時計「HOLA」を
アプリにしてみました。
HOLA」は1988年に商品化し、
クーパー・ヒューイット国立デザイン美術館では、
パブリックコレクションです。
そして未だに販売されていますからロングライフデザインです。
まして、リアルな時計とバーチャルな時計になっている、
ひょっとすると唯一の商品でしょう。
それから、「黄金比の計算機」も、
思いついてすぐにアプリ化しました。
そのことで、これからのデザイナーは
アプリのプログラミングはマスターすべきと提案してきました。
わが研究室ではこのプログラミングは、毎年の伝統になっています。
自分の心臓管理のためには心拍計「Doctor’s Watch」を
当時阪大の未来医療センター長の澤教授のアドバイスでつくりました。
正直、これは私にとって必需品になっています。
また、私は車椅子で人混みを通過するとき、
いつも「すいません・スイマセン・・・」というのを
ややユーモアにと思って「HELP CALL」は、
サイレンや呼びかけが可能です。
だから痴漢撃退のツールにもなっています。
ブログで「手旗信号」のことを書いたら反応があって、
本格的な覚え方などをそのままアプリにしました。
そして、最も競合が多い「砂時計」を
徹底的に性能向上をねらってアプリ化しました。
さて問題は、円高のために、
最初は115円でしたが、今は85円です。
それでも、このアプリには三つの役割があります。
一つは、
これからのデザイナーはアプリプログラミングをマスターすること。
二つ目は、PKDという活動があるという広報にしていること。
そして、最後が、アプリ販売の利益はそれほどではありませんが、
毎月少しは入金があることです。
是非、iPhoneを使用されている方々には、
購入していただきたいと願っています。

http://www.kazuokawasaki.jp
このHPにアイコンがありますから、
ここからアクセスしていただければ、購入と
使い方は、YouTubeで確認ができます。


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「想像力と直感あれど『東京ラリア』具現化出来ず」


   


     1月 9th, 2012  Posted 12:00 AM

1994年にギャラリー・間で個展をすることができました。
「プラトンのオルゴール」という個展をしました。
その個展の作品・インスタレーションは、
2006年に金沢21世紀美術館に永久収蔵されました。
その個展で一つの作品を提示展示しました。
「東京ラリア」という名のラジオです。
これは災害用を意図して、電源無し・振って発電し、
NHKだけが聞こえるラジオ=受信機能と
発信には笛をつけました。
その笛の吹き方は、表面に触覚マークがついています。
「・・・ーーー・・・」というだけのものですが、
これはモールス信号のS・O・Sを表しています。
フッ・フッ・フッ・フー・フー・フー・フッ・フッ・フッで
SOSになります。
これを個展と同時に草月会館での講演でも見せました。
そうしたところ、東京消防庁と東京都から具体化の話になりました。
しかし、様々な経緯で可能にはなりませんでした。
そして翌年1995年に阪神・淡路大震災が起こりました。
(来るべきことが起こった!)
私の想像力と直感が当たった気がしましたが、
咄嗟にこの「東京ラリア」が出来なかったことを悔やみました。
こうした体験を何度してきたでしょう。
新潟県中越地震前に「佳設住宅プロジェクト」を
ある住宅メーカーと進めていましたがトップが倒れてストップ。
この「夢」も本当に間に合いませんでした。
中越地震直前にあった出来事も書き残したいと思っています。
この時は、日本の原子力技術学会・大学人と大喧嘩しました。
これは、本当に今回の原発事故での原子力専門学者、
特に御用学者の態度をすでに私は体験していました。
いづれも、デザイナーという職能の悲しさです。
デザイナーはデザイナーでしかなく、
具現化する投資やその具体化推進の経営者がいないのです。
だから、私自身の経済的な投資力を持たなければなりません。
製品開発のアイディアは「夢」となる想像力と直感ですが、
これは「夢」というより必然的などうしても実現を急務とする義務です。
残念ながらその力量が私に無いことが悔しくてたまりません。
先般、Facebookでこのラジオのブログを紹介したら、
覚えておられた方、やがて私の連載の編集者さんが
詳細に説明を投稿していただきました。
そこであらためて、ブログアップしておくことにしました。
まもなく、私は昨年の3.11から取り組んできた「夢」というより、
デザイナーの義務としての「復興計画」の企画提案をします。
万一、これが受け入れられなければ、
それは私に「説得力」というデザイナーとしての基本能力不足だと判定し、
残された時間の使い方を再熟考し直す覚悟でいます。
たとえ、想像力と直感でデザイン対象を見いだしたなら、
それはそれなりに「社会化」することが、
デザイン職能の義務だと考えます。
これは私自身の存在証明ですから、それが無くなったなら、
私の存在価値は自分で決定する必要があるでしょう。
「東京ラリア」の基本的な動機とその考え方は、
iPhoneアプリ「HELP CALL」に連続させていることを追記しておきます。

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