kazuo kawasaki's official blog

Posts Tagged ‘HIRANO DESIGN METHOD’


「手を頭脳化するトレーニング=デザインストローク」


   


     4月 21st, 2012  Posted 12:00 AM


「HIRANO DESIGN METHOD」のイニシャルトレーニングです。
A3(B2)サイズに2mmピッチ、フリーハンドで鉛筆下絵に
「デザインストローク」=3~2ミリ線を引き、
そのままもう一度、2~1ミリ戻りながら仕上げていきます。
これをほとんど正確に引けるように訓練を繰り返すのです。
一枚仕上げるのに平均18時間。
これはベトナムからの国費留学生で多軸加工自動CAMシステムから、
先端デザインを博士前期課程とした3枚目の作品です。
まだ合格させていません。
私は美大時代、9枚描いてやっと合格しました。
平野門下生はすべて最初に合格するまで苦しむ課題です。
私の時代は、丸ペンに黒インクで描いていました。
現在は、イラストペン0.2mmを数本使います。
これを数枚仕上げれば、三つの効果が身体化するのです。
直角・直線・水平垂直が見分けられるようになります。
次の課題がレタリングをフリーハンドで描く基礎になります。
そして、手描きする「手」の運動神経が柔らかくなるということです。
レタリングでセリフ体とサンセリフ体をトレーニングし、
デッサンも「デザインストローク」で、
私は生きている鶏をA1(B1)サイズで50枚あらゆる角度で描きました。
そうすると、アイディアスケッチが、
頭の中が空っぽ=無思考状態でも、
手を動かせば「形態」が何か描けてしまうのです。
だから、たとえばデザイン対象アイテムをテーマに無思考状態でも、
「手が考えて線を描いて頭脳にイメージが投影」されます。
私は、その状態を「手が頭脳化」していると言っています。
一気に仕上げる18時間はほとんど徹夜仕事になります。
若いときなればこそ、
この訓練はデザイン実務に入っていく最初のトレーニングです。
今はパソコンで書体を選べばレタリング作業など無しで事足りますが、
やはり「手で考える」というのは、
デザイン実務の根本という考え方は教育者としての哲学になっています。
多くても5枚程度で、
完璧なデザインストロークの基本が身体化するはずです。
だから私は、
発想の根本は、絵=フリーハンドが最も近接していると確信しています。


目次を見る

「ヘルベチカは文字の結論になっている」


   


     4月 18th, 2012  Posted 12:00 AM


キャスロンとフーツラを最初に学びました。
美大入学とともに一年間、
レタリングの「訓練」が私のデザイン初体験でした。
デザインストロークというフリーハンドでの直線と曲線描きを
完全に手に覚えさせます。
カーペンターペンシルでのラフなアルファベットの書き順も覚えます。
スクリプト体はまさに毛筆での草書のごとく
身体化させなければなりません。
こうしたことが「HIRANO DESIGN METHOD」の基本です。
そして、前回紹介したスクリプトは
今もトレーニングをし続けています。
iPadでのスタイラス運筆は
この応用をそのうちAppleStoreでプレゼンする予定です。
東芝時代はマイクログラマがオーディオ機器には不可欠書体でした。
そして、ヘルベチカの進化は見続けてきたと思います。
一般には印刷はグーテンベルクが教科書的な説明ですが、
本来はアルドゥスの存在無くして印刷の進歩はありえなかったのです。
そして、ヘルベチカ、つまり「スイス」という名の書体は、
活字の鋳造技術とともに発展しました。
なおかつ、この書体の発案者と職人技を成し遂げた二人の人物を
世界中が支援していくのです。
ある意味ではパブリックドメインの事例の一つです。
というのは、このDVDで深く知ることができました。
しかも、この書体づくりに関わった人たちはまだお元気なわけです。
デザイナーに限らず、
このDVDは教養として観ていただきたいと思います。
結局はこの文字=書体が歴史を統合して、
「結論」を出してしまったのです。
「これなら、満遍なくみんなが分かる」ということでしょう。


目次を見る