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『資本主義からの逃走』
   「ガラケーは日本の通信会社、その大罪責任」


   


     12月 3rd, 2010  Posted 12:00 AM

ガラケー原因
ケータイは「世界標準から確実に離脱する」。
この予知は的中しました。
FOMAという通信方式とi-mode内容、
これをコンテンツと呼ぶようになりましたが、
それは「情報形式」と「情報内容」というより「情報目次」に過ぎなかったわけです。
情報通信を「包み込む」発想は全く無く、「詰め込む」だけの情報意味の勘違いでした。
以来、わが国では「コンテンツ産業こそ日本のオリジン」と思い込んでいます。大きな間違いです。
日本のケータイが「ガラケー」となってしまった鎖国的な情報認識でしたが、
それ以上の問題はケータイ回路設計実装と形態は、分断されました。
電話通信企業の展望の無さ
つまり、ケータイ流通は、通信会社(電話回線ネットワーク)に独占され、
ケータイ本機生産はハード企業への「形態・かたち」の決定は、
「造形デザイン素人にすぎない」キャリアと呼ばれる担当者に委ねられてしまっていたことです。
当時、私はグッドデザイン賞審査委員長でもあったので、この批判を相当にしました。
ハード企業のケータイ担当デザイナーの現場の声をいっぱい聞きました。
各社の担当デザイナーが集まって彼らたちと議論、懇談会も企画し実行しました。
現場の声は、「造形デザインにまで口出しする」キャリアへの不平不満でした。
「ガラケー」としてしまったのは、企業のデザイナーたちではありません。
デザイナーケータイ名作も国内棲息
デザインケータイと呼ばれる著名デザイナーの本来「作品」となるべき製品も、
通信会社キャリアというより、経営者の展望無き「好き・嫌い」でしかありませんでした。
彼らのデザイン評価の中でしか棲息を許されなかったのです。
それでも力量あるわずかのデザイナーは世界的な名作も数点ありましたが、
今度は通信方式を「日本の独自性」つまり鎖国的方式に固持仕切ることで輸出は見送られました。
ガラケー批判からの革新提案
私は、このようにすべからくケータイ批判をしてきました。
結果、私に「デザイン依頼は皆無でした」。
しかし、あるハード企業の会長直々から「このままでは日本のケータイは孤立し、
輸出もできなくなる」ということで、「アドバンスデザイン依頼」と、
「通信形式の進化デザインプラン依頼」がありました。
そのデザインはiPhone内容とは全く異なる機能性で超えているモノと自負しています。
私の提案は、日本列島すべてをとりあえずWiFi化し、
さらにWiFiを超える通信ネットワーク技術を、日本が提示することです。
と同時に、私は、Smart-Phoneを日本が進化させられるものと確信しています。


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