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『鉛筆・最も基本的なモノにスタイラスもなってほしい』


   


     12月 28th, 2014  Posted 12:00 AM

デザイナーという職能を私はこの生涯つくすと考えています。
だから、あらためてデザインツールである鉛筆との生涯を考えます。
それは鉛筆とiPadスタイラスとの関係をつきつめているからです。
正直、iPadスタイラスとは、まだ自分の身体感覚には
大きな隔たりがあることを新しいスタイラスが登場するたびに
使用しながら、この感覚が離れている気がしてなりません。
私が鉛筆との重要性を考えたのは、
それこそ、美大の実技入試で鉛筆デッサン時そのものでした。
私が持参したのはそれこそ鉛筆硬度を2Hから6Bまでそろえていました。
が、その必要性は全く無駄でした。
入試トレーニングを果たしていた学生はHBとB程度と練りゴムだけ。
私は鉛筆デッサンを「アトリエ・入試実技」で覚えました。
金沢美大の鉛筆デッサンは、決して、指で鉛筆線をこすりませんし、
すべて鉛筆ライン、それも線描を重ねて表現すること程度の知識。
美大では徹底的にもう一度教わり直して、それ以来、
鉛筆を社会人になってから、ほとんど全てを使ってきました。
今も鉛筆は使わなくなってます。ボールペンにこだわっています。
しかし、スケッチは、発想の気楽さではB・2Bしか使いません。
それだけに、スタイラスが液晶画面に触れた時には、
指先に戻ってくるのはまさにBもしくは2Bの感覚でしかありません。
スタイラスの進化は世界的にも年間10~14程度の新製品です。
ただ、導電性ゴムのスタイラスはとてもいい加減なモノづくりです。
日本文具大賞の審査でもここ2~3年出品されてきますが、
こんなモノはただのブームにのりたい程度のモノにすぎません。
結局、iPadの描画アプリケーションソフトでも、
鉛筆のセッティングはHBもしくはB程度で充分だと判定しています。
私にとって、紙と鉛筆=iPadと鉛筆的スタイラス、
これが身体感覚になってくれることを最も願っています。

「プロとして元気の素は鉛筆への作法」


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