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『ダ・ビンチ手稿には「角膜」がありません』


   


     12月 12th, 2019  Posted 12:00 AM

ダ・ビンチは、瞳の輝きを画家として
解剖図で確かめようとしたのでしょうか。
瞳だけでなく、目つきまでを、彼は解剖図でも試していたようです。
しかし、「角膜」は彼のスケッチにはありません。
ダ・ビンチの手稿をできる限り見たのですが全くありませんでした。
私の予想では、当時のエンバーミング、
つまり遺体衛生保全の技術が整っていなかったのだと思います。
今では、大事な目の検査、管理、手術は日常的なことです。
白内障はすぐに手術が可能になりました。
それこそ、眼科が勢い付いた大きな手術内容です。
また最近では、不可能と言われてきた黄色変性は
再生医療のiPS細胞での研究で可能になりました。
眼科のマイクロサージャリーの進化の世界とともに
ダ・ビンチがいたなら、画家が描く瞳は、と想像します。
今や、「角膜」から「網膜」には、AI技術が入っていくでしょう。
脳膜信号がIoTだけでは無くて、これから拡がる進化があるのです。


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「『医の知の未来』適塾175年・緒方洪庵没後150年=大阪大学」


   


     8月 4th, 2013  Posted 12:00 AM

私は講演では必ず予定時間をぴったりと厳守すること、
これを一つの私なりの美学と考えてきました。
しかし、ずばり最も敬愛する橋本左内と私の職能との結びつき、
二つのテーマでは、語りたくて、映像54枚にも関わらず、
45分では語り切ること困難であり、55分で10分オーバーでした。
「啓発録」5条は勿論ですが、「国家の体計4項目」を紹介し、
福沢諭吉と安政の大獄・安政の大天災大飢饉から咸臨丸まで。
そして、適塾での使用品を骨董品として収集し寄贈した、
これも福井県出身の藤野恒三郎阪大名誉教授は腸チフス発見者、
しかも、彼の祖父は橋本左内の父親の教え子ともなれば、
私は毎週1回半年の授業をすることができるでしょう。
阪大総長もドクターであることから、適塾と大阪大学の系譜は、
これまた時間オーバーでしたが、超・面白い、いわば講義でした。
そして、登壇者の医学系研究科教授西田幸二教授は、今最も話題の
iPS細胞での眼科系再生医療は、わが国のiPS戦略最先端。
医学医療系の作家、久坂部羊氏は阪大医学部出身のドクター。
彼は数日前に逝去された父親の終末医療は、
最大の尊厳死の迎え方や現状医療への全く新しい死の受け入れ方。
この三名の登壇者は、自身の講演後、
シンポジウムで勝手気ままに会談でしたが、
これをまとめるMCはプロのアナウンサー網浜紀子さん。
しかも彼女は博士号を大阪大学で取得。
今おそらく学位取得で最難関を社会人になって取得とは、
この困難さが分かるだけに、改めて感嘆し敬服の限りでした。
このところ、京都で循環器ドクターへの「最先端医療デザイン」。
そして「危機解決産業創成デザイン重要拠点」紹介を、
大阪府警本部長の基調講演後と、立て続けでした。
すべからくが、阪大退官後、特任教授としての大きな役割でした。
ひと息つけそうですが、
橋本左内は16歳に適塾入塾後、藩医・藩政・国政提言、
この行動は、「安政の大獄」で斬首の刑26歳でした。
彼の10年間を考えれば、私はまだまだやり残しています。
ひしひしと克己たる自分見直しのシンポジウムに登壇しました。


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