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Posts Tagged ‘Mind Top’


『曼荼羅とCPUは3×3の思考形態が同一である』


   


     5月 22nd, 2019  Posted 12:00 AM

CPU=Central Prosessor Unitはコンピュータの思考回路です。
曼荼羅は、そのCPUの機能実装の図解だと解釈しています。
この写真は、左には金剛界曼荼羅、
右に思考し実行を図るための曼荼羅チャートです。
3×3の思考のチャートをリフィル化して手帳に入れています。
なぜ、CPUと密教界の曼荼羅を組み合わせているのか、
私にとっては常に思考を実現化する
論理化するテーマとしてあるのですが
今になっても不明でその解答は分かっていません。
私の作品「DNA MANDARA」という曼荼羅から
DNAの二重螺旋が浮かび上がる仏壇や
Mind Top (Apple社提案)など、
3×3の9体、仏像を「涅槃金剛界厨子」で、
その思考をかたちにしたこともあります。
おそらくMacアプリケーションでも初期からあります。
発想から思考へ、論理化して実行へと誘ってくれます。
それは、祈りから悟りへ、そして思考の浄化へと
自分自身を導く曼荼羅の世界観なのです。


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『美しいモノ、バウハウスでのデザイン・チェスセット』


   


     8月 25th, 2017  Posted 12:00 AM

このところ、自宅や自宅倉庫、そして阪大研究室に収蔵している、
ともかく私の「美しいモノ」を整理し始めています。
これまで、持っていることはずーっと知っていましたが、
使ったことがありません、それはバウハウス期の「チェス・セット」です。
「チェス」については、思い出、
それは映画の「華麗なる賭け」でそれも二回、リメイクまでされた映画、
なぜなら、そこからチェスを学び、しかも相手はいつもパソコンです。
ちょうど先日から自宅でNeXT Stationを発見したら、傍らにこのセット。
本当にわくわくして開けてみたら、新品のままでした。
チェスセットは、私がApple本社で、デザインコンサルタント時には、
「Mind Top」のユーザー向けにこのセットをモデル提案までしています。
無論、プレゼでは「華麗なる賭け」でのチェス場面が余りにも美しかった、
その思い出はAppleでも通じました。
しかし、今は日本の将棋ブームに乗っていて、
私が将棋雑誌まで読んでいて、その自分にびっくりです。
ともかく、どれほど「美しいモノ」を自分が持っていたかということで、
自分デザインは常に「美しさ」でデザイン=問題解決だったことです。
となると、勿論、伝統的な駒もいいのですが、バウハウスのコレは流石です。
それでは、日本の将棋、そのモダンデザイン化は?、
一度チェスデザインしましたが、以来、自分デザインには、
将棋も私のデザインテーマになっていると告白しておきます。
しかし、将棋の駒、その基本形態では大きさと駒それぞれの格付けなど、
困難なことはとても多いようです。
それでも当分、このテーマは抱いておこうと思っています。
無論、自分デザインのゲーム盤はチェスと同じで、駒の造形テーマは?
とても困難だと実感しています。

* 「『華麗なる賭け』のように・・・とはいかず」
* 『勝てないけれどiPad上での将棋とチェスゲーム』
* 「デザインはその発祥から政治的な政策思想だった」
* 『GRiD社キーボード位置をどう乗り越えるかだった』
* 『民藝の美とデザインの美は区分分別されていた』


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『英文の日本文化百科辞典も見つかった、その思い出』


   


     9月 9th, 2015  Posted 12:00 AM

書庫からはなんとしても見つけたかった
英文での日本のいわば百科事典も見つかりました。
これをなんとしても手に入れようと思っていたのは、
米国でApple社での仕事、
そのプレゼのために必要だと思っていたからでした。
ところが、どうしても2巻が見つからずに
探しまわりました。
それは一番なんとしても調べあげて、
徹底的に知りたかった項目がその2巻にありました。
すっかり忘れていた項目には、
ポストイットが色褪せて張り付いていました。
それは明確に、仏教、道元、曼荼羅には、
確かにその当時には「Mind Top」というネーミングであり、
3×3で9つの金剛界曼荼羅がデザイン表現意図でした。
まだ、Appleがノートタイプの開発に入ったという
そんな噂しか知りませんでした。
私の提案の骨子は曼荼羅であり、その曼荼羅の仏教と、
さらには自分のふるさと永平寺と道元を
デザインの背景だと絶対にCEOであったジョン・スカーリー氏に
話さなければと思い込んでいました。
スカーリー氏は実際にはCEOではなくて、Chief Listenerであり、
この理由を知っていた私は
Dream Designerという名刺を作成までしていました。
そして、英文での曼荼羅の大きな図鑑も持参しお土産にしました。
なんとか下手くそな英語で曼荼羅を伝えて、その図鑑を差し出したら、
彼の社長室の本棚でも際だったところに同じ曼荼羅図鑑がありました。
ノートブックPCは、デスクトップ、ラップトップ、ハンドトップから、
最終的にはマインドトップが私の狙いで、その裏側の仏教、
特に道元そして曼荼羅を懸命に話した思い出が
すぐにこの百科事典で浮かびました。
そうしたらなんのことも無くスカーリー氏は、仏教、そして曼荼羅、
いずれにも詳しかったことを後に知りました。
そして、プレゼが終わると時間が延長になり、
スカーリーが呼び出してくれた人物はアラン・ケイでした。
私が夢かと思う出会いで、
同じ内容、仏教、道元、曼荼羅の話でプレゼしました。
丁度Apple社はコードネーム「ASAHI」開発の現物を見せてもらって、
「なぜ君はキーボードが奥にあって
手前がスクロールボールになるのですか」と聞かれました。
この英文の日本文化の百科事典も、やっと書庫で10年ぶりに出会い、
そして自宅に持ち込んでいます。
これで、英語での日本文化紹介には最適な百科事典です。


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「またあちらで会おう、ビル・モグリッジ」


   


     9月 12th, 2012  Posted 12:00 AM

英国のインダストリアル・デザイナーが逝きました。
ビル・モグリッジ氏です。
米国 New Yorkのクーパー・ヒューイット美術館の館長です。
といっても、私にとってはライバルでした。
ID Twoの主宰者、パソコン登場時期の代表的なデザイナーでした。
これからのパソコンデザインの理論と実践の提案をしていた人物です。
したがって、彼とは、パソコンに関してのコンファレンスでは
必ずステージを共にして講演をしました。
Apple社がApple ?からMacintoshを登場させた時期には、
英国デザイナーである彼が率いるID Twoと、
南ドイツ出身のハルトムット・エスリンガーが率いるFrog Design、
そしてNew YorkのSMART DESIGNがデザイン界の本流に居ました。
私は、彼らの提示してくるデザインを常に意識していました。
「インタラクション・デザイン」という概念は、
ビル・モグリッジ氏がデザイン界に示唆した言葉でした。
そして、マグネシウム合金製「GRID」が、
現在のノートパソコンの原型であり、
MoMAに収蔵された最初のPCです。
欲しくてたまらない製品です。
このデザインが彼の作品、この特許回避デザインが、
以後のノートパソコンデザインの方向を決定づけました。
私のAppleへの提案デザイン「Mind Top」は
「GRID」への挑戦的なデザインでした。
彼と講演をする度に、当時はまだスライドでしたが、
作品写真は、いつも、製品を演出する小道具が
とてもオシャレで圧倒されたものです。
彼は、日本にもスタジオを置きたくて、
「Twoは、日本語では何?」とか聞かれて、
「Ni or Fu」と答えたことがあります。
「ID FuだからID Windかな」と私は付け足しました。
それから、彼はあのIDEOの創立者となりました。
以後、音信がとれませんでしたが、Facebookで再会しました。
その時にちょうど、クーパー・ヒューイット美術館の館長就任時でした。
私は、お祝いをFacebookで連絡し、
その美術館には私の壁掛け時計「HOLA」が
「THE DESIGN」でパブリックコレクションになっているから、
必ず訪ねるとメッセージを送りました。
彼の冥福を祈ります。
あの世でもう一度会いたい人物です。


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「『華麗なる賭け』のように・・・とはいかず」


   


     5月 6th, 2012  Posted 12:00 AM

小学校から、将棋・囲碁・麻雀を父から教わりました。
父はこうしたすべてのゲームをマスターさせたかったのでしょう。
ところが、この三つはどうしても好きになれませんでした。
将棋はそれなりに面白かったのですが、
負けると悔しいことや、もう一度生き返るゲーム性が嫌でした。
しかも囲碁も麻雀も座位でのゲーム性が好きになれませんでした。
映画の名作に「華麗なる賭け」があります。
原題の「トーマス・クラウン・アフェアー」でリメイクされた映画です。
スティーブ・マックイーンとフェイ・ダナウェイが、
チェスをする場面があります。
この映画での二人の取引をたまらなく象徴する場面です。
それを観てから、チェスにのめり込みました。
しかし、我ながら下手くそです。
パソコン相手だと、とてもかないませんが引きつけられます。
となれば、私の習性はチェス収集にも向かってしまいます。
これは携帯用ではおそらく最も工芸的な物だと思います。
エルメスの木工技術が駆使されています。
しかし、もう一工夫が欠落しています。
マグネットでチェス盤とコマがくっついてくれれば飛行機内でも遊べます。
あえてそうしなかったのだろうとも思いますが、
これでは「装飾的」にすぎません。
バウハウス時代のモダンデザインは、コマの役割を覚えるのが困難です。
最も使いやすいのは玩具になっているプラスチック製が機能的です。
しかし、本格的にそのゲーム性を楽しむには、
やはりアンティックな物を海外で探しています。
もう喫煙の時代ではありませんが、シガーやパイプタバコ、
そしてブランディが一番チェスには似合うのかもしれません。
ともかく、今ではチェスはMac上で戦っています。
かって、Apple社に「Mind Top」をプレゼンしたときに、
景品アイディアとして、
そのパソコンと同じ大きさのチェスセットも提案しました。
そして、プレゼン後の私の味方連中の評価では、
あのチェスセットまで周到なプレゼンが嫉妬になったということでした。
日本の将棋界でトップクラスのある人が、
世界でも5指内に入るスターだということはあまり知られていません。
「クゥイーン・ガンビット」=先手を打つ、
これは、私の著作タイトル
デザインという先手・日常的なガンビット」になっています。
「シシリアン・ガンビット」という心臓病の治療方法もあります。
チェスは上手くなりたいゲームです。

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