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『資本主義からの逃走』
    「Inclusive Designの定義に向かって」


   


     12月 17th, 2010  Posted 12:00 AM

Universal Designまでの経緯と系譜
少数派のためのデザイン。
バリアフリーを求めて。
生きのびるためのデザイン。
これらは、1970年代のデザインテーマでした。
おそらく、この系譜がまとめられた書籍は無いと思います。
だから、次世代のデザイン学者にとっては大きなテーマのはずです。
とりわけ、「バリアフリーを求めて」は、
1980年・国際障害者年の制定にあたって、
WHOが数名の学者に基本論文が1970年に求められたテーマでした。
これが、「ユニバーサルデザイン」につながっていくのです。
1989年、名古屋で開催された「国際デザイン会議」では、
故マイケル・カリルが「ユニバーサルデザイン」を紹介しています。
ようやく、「ユニバーサルデザイン」も一般化して、
今では小学生でも、夏休みの課題になるようになりました。
この経緯はまとめておかなければならないと私は考えています。
インクルーシブデザインの前提
それからグラスゴー大学が提唱し始めた「インクルーシブデザイン」までには、
まだいくつかの経緯と系譜があります。
ところが、最近、「インクルーシブデザイン」の定義が、
ユニバーサルデザイン→ヒューマンセンタードデザイン→ユーザビリティサイエンスなど、
こうした系譜そのまま継続連鎖させていることに、
私は異議を唱えておかなければと考えてきました。
これは、ここで「人権」について触れてきたことに近接と近傍しています。
いくつかの前提条件から、
「インクルーシブデザイン」に近づいていきたいということをメモとして記していくつもりです。
前提を三つ配置しておきます。

   ● 集合=含まれるという概念・or/and
   ● 会話での人称 1stPerson / 2nd Person / 3rd Peson
   ● InclusiveとExclusiveの対立と対照それぞれの概念

この三方向から、「インクルーシブデザイン」の定義を改めておきたいと考えています。


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