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Posts Tagged ‘S/N比’


『ターンテーブルマットはガラス素材にたどりついた!』


   


     9月 17th, 2014  Posted 12:00 AM



東芝時代には、ゴムマットをどれほど試作をしたでしょうか?
日本各地で「オーディオ講座」も企画し演出していましたが、
途中で面倒になって、自分でマイクを握って出演しました。
全国の主要都市にショールームもデザインし、即イベントを開催。
ショールームのデザイン設計を現場で職人さんから学んでいました。
イベントでの計画性を体験の中で育成できたのだと思っています。
イベントでは観客に試作中のターンテーブルマットを勝手に配布。
ターンテーブルマットがゴム製はやっぱり駄目だと決定していました。
そこで、フリーになってどうしてもこの商品化に挑み、
クリスタルガラスの重量と比重、密度性にたどりついて商品化。
すでにレコード再生は、レコードの盤その厚さであり、回転数で決定、
だからそのレコードは当時DAMクラブで45回レコードを会員向けに
シリーズで配布レコード盤が相当に作成されていました。
アーティストが怒ってくるほどの音質を実現していました。
ターンテーブルマットにレコード盤にも中心重力を与えることにも
心をくばって、ガラス製のウエイトも商品化することができました。
もちろん、アームのデザイン設計も試みましたが、
商品化が困難であり、カートリッジシェルとカートリッジリード線、
リード線はすべて音質毎に取り替えられるシリーズ化をしました。
残念ながら、ガラスマットは今も持っていますが、
ウエイトや4種あったリード線は持っていません。
当時は、オーディオテクニカがリード線を1種だけでしたから、
、銀、銅線で4種の組み合わせの商品化は大成功していました。
レコード盤からのオーディオ再生では、アナログ機器の物理性と
それらの素材を新素材や、見向かれなかった素材を実験試用して、
新しい解決法があれば、なんとしても素材を探る癖になりました。
オーディオ、それもアナログであるからこそ、S/N比があるから、
単なる聴覚現象での「いい音」=音楽の音響の聴き心地の世界に
私はデザイン設計で商品化とその成功性で確認していました。

*「M氏からの追加情報」
ジュエルトーンのシェルリード線ですが、
当時のHI-FI STEREO DUIDEを見ると、
確かに4種類ありますが、金リード線がありませんでした。

載っていたのは次の4種類です。
●Cu-99Jリボン:無酸素銅箔(500円)
●Cu-99Jリッツ
:ポリウレタン被覆の無酸素銅のリッツ線(600円)
●Ag-99J:銀線(700円)
●Ag-99Jリッツ:ポリウレタン被覆の銀のリッツ線(900円)


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『K7の最高機種デザインはAurexデザインだった』


   


     9月 13th, 2014  Posted 12:00 AM



「K7」、フランスでは「K=カ、7=セット」の表現でした。
カセットテープとLPレコードに私はデザイナー初期の頃には
最も関わっていたと思います。そしてもはやそのソースは伝説です。
これがカセットでは最高のモノ、TDKメタルカセットテープです。
しかし、TDKの商品ですが、デザインは東芝オーレックスチーム。
当時のKチーフは、Aurexブランドのために引き抜かれて、
私の直属チーフであり、私のようなどうしようもないデザイナーの
わがままを見護ってくれていました。今も恩師の一人です。
オーディオデザインにとって、最大の敵はS/N比でした。
アナログ信号に対する雑音比の問題です。
今となると、デジタルはそのS/N比消却だけであり、実際は、
信号をとりまいている雑音に安らぎがあったのだと思います。
カセットテープにはモーターだけでなく、テープそのものにも、
振動系が被さってテープの雑音制御が必要でしたから、
テープ重量と回転振動系をアルミ無垢材で物理的にも押さえ込む、
この方式開発はチーフ指示がありそのモデル化図面化をしましたが、
テープ製造はTDK発注となり、結局このデザインを売却したのです。
Aurexブランドに出来なかったのは、上層部の判断でしょうが、
若気盛んだった私が噛みついていましたが、チーフは大人対応で、
「デザイン権売却」を成功させていました。
だから私は以後のカセットテープはこれを使っていたようです。
フリーランスになってからは、カセットテープ関連を
様々に商品アイテムを開発してヒット商品を出していました。
車イス生活でふるさと福井にいた頃、貧窮すると必ず東芝から、
デザイン依頼がありましたが、後になって、それはすべてKチーフが
私を助けてくれていました。
あるとき、私がタケフのナイフ開発の頃、チーフはその出来映えから
「カワサキ君、これで君は必ず復活してくるよ」と励まされました。
時折、私の講演会を最後尾で聴いていただいています。
チーフが私に、
「そういえば、君には金の儲け方を教えなかったね」と
言われたことがありました。彼は幾つかの企業を成功させています。


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『資本主義からの逃走』
 「信号と記号は光線上にあるかもしれない」


   


     5月 14th, 2010  Posted 12:01 AM

S/N
アナログ時代、オーディオ評価には、S/N比がありました。
それは「信号=Signal+Noise」だったからです。
1960年ビートルズの登場と、
同時期頃カセットテープが音楽メディアでした。
デザイナー成り立ての頃
カセットデッキのデザインを担当して夢中だったのです。
その当時、技術陣はいつもS/N比の話で大変でした。
そして80年代直前頃、デジタル時代技術へ大転換が始まりました。
デジタル時代が呼び込んだ主軸がコンピュータだったという見方が可能です。
さらに、コンピュータは「記号」、
その一つがアイコンという表現になったということもできるでしょう。
信・記
さて、信号の「信」は人+言語であり、
記号「記」は言語+人(跪いている形象)ですから、
言語を受け止めています。
70年代後半に、「記号論」や「記号学」が提案され始めるのです。
「記号」という言葉が道元の発案言葉説もあります。
これは日本記号学会発足誌初版にそんな論文がありました。
A/D・D/A
私が、この「信号」と「記号」の組み替え技術が、
アナログ(信号)からデジタル(記号)へ=A/D ?
デジタル(記号)からアナログ(信号)へ=D/A ?
これらを、私は、現代性に配置して見ている気がしてなりません。
「気がしてならない」と、いう私の想いを書き残しておきます。
なぜなら、今、信号も記号も、それらは光線上に、
あるいは信号の光、記号の光なるモノがある気がします。
● 信号的な発想ができるだろうか、
● 記号的な発想ができるだろうか、
このところ、私に与えられているデザインテーマを熟考するとき、
この二つを交互に、相互に、対決させている気がしてなりません。
「信号」と「記号」が「光」になっている。
そんな「あかり」に包まれて考えている自分が居ると思っています。


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