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「哀悼・スティーブ・ジョブズ氏」




生と死に向かい合うこと。
それが自分の人生で最も重要なことでしょう。
しかも自分の人生に多大な影響をもたらしてくれた人。
その人の急逝が、自分に突きつけてくることは巨大です。
Appleの創業者であるジョブズ氏の行動力と実現力は、
ことさら私自身と私の日常性、さらにデザインを
常に深く見つめることが私の人生に重なっています。
Apple II・LISA、そしてMacintosh128Kから、
今日に至るまで私の傍らには、
進化し続けるApple製品がありました。
しかも私は今では伝説となったジョンスカリー氏と
さらにアランケイ氏、そしてIndustrial Design Teamと
七つのProjectに関与しました。
その時には、ジョンスカリー氏はジョブズを、
Appleから追放していた頃でした。
ジョブズ氏が舞い戻って、iMacが華々しかった頃には、
彼と会うことを周囲からも勧められましたが、
ポリカーボネート素材製のiMac否定派だった私は、
会いませんでした。
1984年、Macintosh128Kのプレゼンテーションを見ると、
ことさらに彼に会っておくべきだったと悔やみます。
いわゆる「アメリカンドリーム」具現者として、
彼は語られますが、私はそうは思っていません。
彼は米国なら夢が創出できることを証明した人物です。
それは米国という自由風土性ではなく、
夢は、いかにハングリーで、いかに馬鹿に徹するかを
米国人として見事に体現して見せてくれた人物でした。
彼には限られた時間内での生と死を見つめたでしょう。
私もすでに残されている時間を意識しています。
パソコンは確かに進化と進歩を遂げてきましたが、
WYSWYG=What you see is What you getの世界観は、
まったく不動であり、進化しているとは思っていません。

私は彼の人生に深い敬愛と哀悼を持ち続けることでしょう。


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One Response to “「哀悼・スティーブ・ジョブズ氏」

  1. Kazuo KAWASAKI's official Blog | 企望を「までい」実現へ
    12:02 AM on 8月 23rd, 2017

    [...] ?、 これを聞いたところ、3名の教授が「私だった!」とのことです。 * 「哀悼・スティーブ・ジョブズ氏」 * 『パソコンの小さな歴史の物語り』 * 「現代の道具・LSIのやり直 [...]


This entry was posted on 水曜日, 10月 26th, 2011 at 12:00 AM and is filed under 祈望から企望へ. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Responses are currently closed, but you can trackback from your own site.